DJIのカメラスタビライザー技術は、ドローン技術の延長線から始まったものだが、今や独自の強力なラインに発展している。2020年のちょうど今頃、同社は「Osmo(オスモ)」製品の中でスマートフォン用に設計された「Osmo Mobile(オスモ モバイル)」を、よりシンプルに「OM」へとリブランドすることを発表した。そして米国時間9月8日、その最新モデル「OM 5」が登場。よりコンパクトなデザインになり、被写体追従性が向上し、スマートフォンに取り付けるクランプもアップグレードされている。
携帯性は今回の最大のセールスポイントだろう。2020年のモデル「OM 4」に比べて、サイズはざっと3分の1ほど小さくなり、重量もかなり軽くなっている。より角度をつけた撮影が可能になる伸縮性の延長ロッドも内蔵された。さらに手元にボタンが追加されるなど、物理的な操作性も向上している。
DJIは今回、エントリーレベルのユーザーにもう少し焦点を当てているようで、新機能の「ShotGuide(ショットガイド)」を使えば、初心者でもチュートリアルを参考にしながら撮影し、自動編集で簡単に動画を作成できる。被写体トラッキング性能もアップグレードされた。「ActiveTrack 4.0(アクティブトラック4.0)」は、最大5m/sのスピードで、最大3倍のズームを使ったトラッキングに対応し、同社によれば「被写体が激しく動いていても正確に認識し続け、被写体をフレームの中心に捉えながら安定したトラッキング」を行うという。
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この3軸ジンバルには、DJIらしく多くの撮影モードが備わっている。ハンドジェスチャーで動画撮影の開始・終了を操作できるジェスチャー操作、タイムラプス / モーションラプス/ ハイパーラプス、パノラマ、DynamicZoom(ヒッチコック風の効果)、スピンショット(スマートフォンを回転させ、スピン効果が加えられる)、そして自動レタッチの美顔効果などだ。また、プリセットのジンバル動作や音楽を利用できるストーリーモードのテンプレートも多数用意されているが、これらは基本的にSNS向けの短編動画を簡単に作成するためのものだ。
新しいスマートフォン用クランプは、ケースの上からでも装着できるように設計されている。つまり、OM 5にスマートフォンを装着するためにプロテクションを外す必要がない。さらに明るさと色温度を調整できる補助ライトを携帯電話の前面に追加する「Fill Light Phone Clamp(補助ライト内蔵スマートフォンクランプ)」も、別売りアクセサリーとして用意される。日本での価格は税込6160円で、後日発売される予定だ。
DJI OM 5は公式オンラインストアで先行販売中。日本での価格は税込み1万7930円となっている。
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画像クレジット:DJI
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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)