スタテンアイランドFCのAmazonワーカーの組合投票は2022年3月の予定

計画どおりいけば、来月、2022年3月下旬にAmazonのスタテンアイランドFC(フルフィルメントセンター)の労働者が待望の組合投票を行なう。対面式の選挙は、アラバマ州ベッセマーにある同社の倉庫で行われている郵便による再投票の集大成と同じ3月25日から30日に予定されている。

元ニューヨーク市ニューヨーク区のJFK8倉庫の従業員で、現在はAmazon労働組合(Amazon Labor Union)の議長であるChristian Smalls(クリスチャン・スモールズ)氏が認めるのは、Amazonがこの投票に関して全国労働関係委員会(National Labor Relations Board、NLRB)と合意に達したことだ。同社はその経過をテキストメッセージで社員に確認し、1カ月以上前から「ノー」と投票することを勧めていた。

それは、今後確実にこのリテール大手の強力な反組合運動となるものの始まりだ。Amazonは2021年4月の投票に向けて攻撃的な戦術をとった。そして結局は、社内メールボックスや「ノーに投票しよう」の看板などが小売卸百貨店組合の異議不服を買うに十分となり、今回の再投票に至った。スタテンアイランドの投票は、JKF8の従業員独自の長期的活動の成果だ。

時間を無駄にするな‼

その巨大な倉庫では2020年に事態が過熱し、ニューヨーク市における新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの最初の波が高まっている間、エッセンシャルワーカーの労働条件に従業員たちが抗議した。当時アシスタントマネージャーだったスモールズ氏は、ストライキを率いた日に解雇された。同社は彼のことを、新型コロナウイルス感染症の安全規約に違反したと非難した。噂によると同社は、その直後にスモールズ反対キャンペーンを開始した。

10月にAmazon労働組合は、すでに同社のスタテンアイランドのすべての倉庫を含む投票を推していたが、署名が得られず撤回した。代わりに、今回の最新の投票は同区の最大のFCであるJFK8に集中する。12月にはシカゴのFCのワーカーたちが、倉庫の労働条件に対する反発の盛り上がりの一環として独自のストライキを主催した。

実質的に、この国の2つの異なる場所で大規模な投票が行われるようになったことが象徴的に示すものから、確かにAmazonは逃げられなかった。同社は長年組合の結成に抵抗し、長年の否定的な報道にもひるまず、FCの労働者は公正に扱われていると主張していた。2つの投票までの数週間は大量の激論が続くだろうが、特に激しいのは、リアルで行われるニューヨークの投票だろう。

TechCrunchはAmazonとAmazon労働組合とNLRBにコメントを求めている。

画像クレジット:ANGELA WEISS/AFP/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アマゾンの倉庫で働く従業員が、待遇改善を求めてクリスマス前にストライキ

米国時間12月22日、シカゴ近郊にあるAmazon(アマゾン)の2つの施設で働く数十人の倉庫労働者が、1年で最も忙しい時期にクリスマス前のストライキを行い、待遇改善と賃上げを要求した。

「私たちは昇給を見送られ、人員が足りているときでさえ過重労働させられています」。シセロにあるDLN2施設の従業員は、Amazonの従業員団体「Amazonians United(アマゾニアンズ・ユナイテッド)」のシカゴ支部が配信したライブストリームで語った。「約束していたボーナスを受け取っていません。正社員として雇われていたのに、バッジを取り上げられて臨時従業員にされてしまった人もいます。アマゾンはこの場所に安全でない人員を配置し、必要以上に人々を忙しく働かせています」。

午前1時20分から午前11時50分まで働くこれらの労働者は、時給5ドル(約570円)の昇給も要求している。アマゾンがTechCrunchに語ったところによると、ストライキを行った2つの施設、シセロのDLN2とゲージパークのDIL3では、現在の初任給は時給15.80ドル(約1800円)だという。Amazonians Unitedの発言者は、同施設では新型コロナウイルス対策として20分の休憩時間が設けられていたが、これが15分に短縮されたとも述べている。しかし、ウイルス感染流行はまだ終わっておらず、特にオミクロン変異株が広がっている。発言者によると、前日にはシセロの施設で検査を受けた3人の労働者が陽性反応を示したという。

ストライキを起こす前に、労働者たちは自分たちの要求を記載した嘆願書を経営陣に提示したが、それに対する回答が得られなかったため、今回のストライキに至ったと述べている。

発言者は、経営陣からストライキに参加する者は「バッジを置いていったほうがいい」と言われたとも主張している。つまり、もう戻って来られないという意味だ。

民間企業が、ストライキを行った従業員に対して措置を取ることは違法である。しかし、従業員がストライキ後に戻ってみると、スケジュールが空白になっていたり、その日はもう退社したことになっていたりといったことが報告されたため、ストライキ参加者の間では報復を懸念する声が上がっていた。

「当社は、従業員が抗議行動をする権利を尊重し、その法的権利を認識しています。当社では、従業員に一級の給与、他に引けを取らない福利厚生、そして会社とともに成長する機会を提供していることを誇りに思っています」と、アマゾンの広報担当者は、TechCrunchの取材に対して述べている。

アマゾンの担当者は、今回のストライキに参加したことで解雇や停職になった労働者はいないと付け加えた。同社によると、労働者は抗議しても報復は受けないと、繰り返し安心させられたという。

しかし、全米各地でアマゾンの労働者は、同社が労働者の組織化を制圧しようとしていると非難している。2020年、Amazonians Unitedの共同設立者であるJonathan Bailey(ジョナサン・ベイリー)氏は、組織化を行った同氏に報復したことで、アマゾンが労働法に違反していると、全米労働関係委員会(NLRB)に訴えを起こした。ベイリー氏はストライキを組織した後、マネージャーに90分間拘束され、尋問を受けたと述べている。NLRBはこれらの申し立てに価値があると判断し、アマゾンを連邦機関に提訴した。同社は和解し、和解条項の一環として、従業員には団結権があることを、メールや物理的な掲示板で再認識させるよう求められていた。

NBC Newsによると、ベイリー氏の訴えは、2020年2月から2021年3月までの間にNLRBに提出されたアマゾンに対する37件の提訴のうちの1件だったという。しかし、この和解のわずか数カ月後、アマゾンはスタテン島の従業員が休憩室で組合を呼びかける文書を配布するのを、違法に阻止したことが判明した。

アマゾンの社員さえも、同社に対してNLRBに苦情を申し立てている。9月には、新型コロナウイルス感染流行発生時に倉庫労働者を擁護したために解雇された、元シアトル本社勤務のMaren Costa(マレン・コスタ)氏とEmily Cunningham(エミリー・カニンガム)氏の申し立てにアマゾンが和解した。この和解案では、アマゾンはコスタ氏とカニンガム氏に失われた賃金を補償するとともに、従業員がアマゾンの問題について発言する権利を改めて通知することが求められた。

しかし、ここ数週間で、緊張はさらに高まっている。米国時間12月10日、イリノイ州エドワーズビルでは、竜巻によってDLI4の施設が破壊され、アマゾンの従業員6名が死亡した。アマゾンでは長年、倉庫内での携帯電話の携行が禁止されていたが、新型コロナウイルス感染流行の際にはこの方針を緩和した。しかし最近になって、アマゾンはこの方針を復活させており、そのため、米国気象局が避難を呼びかける緊急警報を出しても、アマゾンの従業員の中には、致命的な嵐が近づいていることを知る手段を持たなかった人もいた。

全国の施設で働くアマゾンの従業員が報酬や条件の改善を求めている中、この大手電子商取引企業は1年で最も忙しい時期を迎えている。

「私たちは、すべての人がクリスマスプレゼントを手にし、すべての人が荷物を手にすることができるように懸命に働きます」と、シカゴの倉庫で働く労働者は、FOX 32 Chicago(フォックス32シカゴ)に語った。「しかし、わかるでしょう、私たちはただ公平に扱われたいのです。それだけです」。

画像クレジット:Johannes EISELE / AFP / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Netflix社員がトランスジェンダーの連帯を受けてストライキと要求リスト提示を計画

米国時間10月20日、Netflixの従業員が10月5日に封切られたデイヴ・シャペル・スペシャルに対する同社の取り扱いをめぐってストライキを行った。それと同時にロサンゼルスのトランスジェンダー活動家Ashlee Marie Preston(アシュリー・マリー・プレストン)氏が、ストライキに参加しているNetflixの従業員への連帯集会を主催した。その集会のために作られた動画では「Queer Eye(クィア・アイ)」のJonathan Van Ness(ジョナサン・ヴァン・ネス)や「Cowboy Bebop(カウボーイビバップ)」と「The Sandman(サンドマン)」のMason Alexander Park(メイソン・アレクサンダー・パーク)といったNetflixのスターたちが、その他のハリウッドスターや、Angelica Ross(アンジェリカ・ロス)、Jameela Jamil(ジャミーラ・ジャミル)、Kate Bornstein(ケイト・ボーンスタイン)、Our Lady J(アワー・レディ・J)、Sara Ramirez(サラ・ラミレス)、Peppermint(ペパーミント)、Colton Haynes(コルトン・ヘインズ)らのトランスジェンダー擁護者とともに連帯を表明した。

Netflixの広報担当者は「私たちはトランスジェンダーの同僚や協力者を大切に思っており、ストライキを行った社員の決定も尊重します。また私たちは、Netflixのコンテンツ内にも、やるべき多くの仕事があることも認識しています」とTechCrunchに述べている。

従業員のストライキや連帯集会の正確な参加者数は不明だが、プレストン氏が先手を打ってもっとスペースのある場所に移動させたことで、周辺では大きな騒ぎとなった。

ストライキに参加した従業員が求めているのは、Netflixが「トランスフォビアやヘイトスピーチのプラットフォームにならないための対策を講じること」と書簡に記している。彼らは、コンテンツへの投資や従業員関係、安全、被害の縮減などの分野でNetflixが対応すべき要求のリストを作っている。

コンテンツでは、Netflixがトランスジェンダーやノンバイナリーの人材への投資を増やすことと、有害の可能性のあるコンテンツに関しては話し合いに被雇用者専門集団を参加させること、製作担当役員としてトランスとノンバイナリーを増やすこと、センシティブな作品については検討委員会の内部手続きを改定することを要求している。従業員関係と安全については、トランスやBIPOC(黒人、先住民、その他有色人種)を上級管理職に雇用することと、ダイバーシティや差別解消の宣伝動画への出演を拒否(あるいは前作からの消去)できること、そしてトランスフォビックのタイトルやタレントの利用を避けることが求められている。被害の縮減に関しては、Netflixがトランスフォビックのプラットフォームなることによって加害者になることを認め、そんなタイトルを使う場合は免責事項があること、トランスを肯定するタイトルに変えること、反トランスとされている作品については、トランス肯定のコンテンツを提案せよとしている。

要求には、今回の騒動の元となったデイブ・シャペル・スペシャルのNetflixからの削除は含まれていない。それは最初、トランスフォビック発言のプラットフォームになることを懸念する一部のNetflix従業員と会員からの反発を浴びた。

The Hollywood Reporterのインタビューで、共同CEOのTed Sarandos(テッド・サランドス)氏は、要求への応否を明言しなかった。

「この2、3日の間、人々の声に耳を傾け、彼らがどう感じているか、何を望んでいるかを聞き出すことに専念してきました。私たちは、スクリーン上でも、カメラの後ろでも、そして職場においても、インクルージョンに深くコミットしていることをお伝えしたいと思います」とサランドス氏は述べた。

ストで不在です。

シャペルの特別番組の前にトランスフォビアに関する免責事項を追加して欲しいという要求に対してサランドス氏は、あまり乗り気でないようだった。

「コンテンツにすでに年齢制限があり、番組の冒頭でデイブ自身がはっきりと警告しているため、これに関しては不要だと思う」とサランドス氏はいう。

Netflixがシャペル・スペシャルを公開する前から、従業員たちは反トランスのジョークがあることに懸念を表明していた。シャペルは、自分が「チームTERF」であると宣言し、トランスジェンダー運動に反対する女性過激集団の名を具体的に挙げていた。しかしサランドス氏は社内のメールでもその特別番組を擁護し「画面上のコンテンツが現実の害になることはない」という。しかし批判を浴びた彼はその後のThe Hollywood Reporterで「画面上のコンテンツが現実世界でインパクトを持つこともありうると、私は100%信じている。肯定的なインパクトもあれば、ネガティブなインパクトもある」という。

カリフォルニア州ロサンゼルス、10月20日。トランス派の従業員と賛同者たちがカリフォルニア州ロサンゼルスで、2021年10月20日にデイヴ・シャペル・スペシャルに抗議してNetflixでストライキを行い、その壇上でライターで監督のJoey Soloway(ル・ソロウェイ)氏がスピーチしている。Netflixが放映を決めたシャペル・スペシャルには、トランスジェンダーの人たちに関するジョークがあり、すでに一部の従業員が懸念の声を上げていたにもかかわらず、会社はそれを無視した。(画像クレジット:Rodin Eckenroth/Getty Images)

自身もトランスジェンダーであるNetflixのシニアソフトウェアエンジニアTerra Field(テラ・フィールド)氏が、シャペル・スペシャルに関するバイラルなスレッドをツイートしている。

私たち自身は被害者でもなければ、神経過敏でもない。私たちが反対しているのは、今後このようなコンテンツがトランスのコミュニティに及ぼす被害に対してだ。特に有色のトランス、トランスの黒人女性への悪影響が大きい

報道によると、フィールド氏はその後、他の2人の社員とともに、トップのオンライン会議に出席しようとしたため、停職処分を受けました。しかし、Netflixは、ある取締役が会議のリンクを彼女と共有し、出席しても問題ないことをほのめかしていたことを発見し、彼女を復職させた。取締役級の上司同伴ならOKのようだ。

 

真実も多少はある。Netflixは多くの人の生活を変えたすばらしい企業だ。Netflixは大失敗を犯した。しかし、ここが分岐点だ。Netflixの社員としての私たちには、このプラットフォームの上や外に変化を作り出す特権と責任がある。

そのすぐ後に、Netflixのトランス社員のリソースグループがストライキの組織化を開始した。しかし、その組織者で、黒人とトランス両方の社員のリソースグループのグローバルなリーダーであるB. Pagels-Minor(B・ページ-マイナー)氏たちは、米国時間10月15日に解雇された。これらの解雇で、Netflixに対する反発は一層激化した。

関連記事:Netflixがトランスジェンダーの従業員によるストライキを計画した社員を解雇

先週、Netflixの代表者はTechCrunchに対して「当社は、商業上の機密情報を社外で共有した従業員を解雇しました。この社員がNetflixへの失望や被害が動機となっていることは理解していますが、信頼と透明性の文化を維持することは当社の中核をなすものです」という。

TechCrunchはB・ページ-マイナー氏らに接触できたが、彼らのコメントは得られなかった。

その問題のリーク情報は、Bloombergの記事に登場する「The Closer」に関する内部的な数字のようで、Netflixはその1回かぎりの特別番組に2410万ドル(約27億4000万円)を投じたという。一方、同社はBo Burnham(ボー・バーナム)の最近のコメディ・スペシャル「Inside(明けても暮れても巣ごもり)」に390万ドル(約4億4000万円)、9話で構成される大人気の「Squid Game(イカゲーム)」には2140万ドル(約24億3000万円)投じた。後者は、Netflixのデビュー番組としては過去最高の視聴率だった。

Netflixによると、その社員はコンテンツを外部にシェアしたことを認めた。しかしページ-マイナー氏の弁護士がThe New York Timesに今週語っているところによると「ページ-マイナー氏はセンシティブな情報をプレスにリークしたことを強く否定している」という。この状況に詳しいNetflix社員によると、ページ-マイナー氏がこれらの文書をリークしたことは非常に疑わしいとみんなが思っているという。なぜなら、2人とも上場企業のチャットでリークすることには批判的だったからだ。

Netflixによると、同社の内部的アクセスのログによると、Bloombergの記事の中で言及されている番組に関するセンシティブなデータを見た人物は1人だけだったという。

画像クレジット:Al Seib/Los Angeles Times/Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Netflixがトランスジェンダーの従業員によるストライキを計画した社員を解雇

Netflix(ネットフリックス)は、同社のトランスジェンダーの従業員リソースグループを率いて10月20日にストライキを計画していた社員を解雇したことを、事情を知るNetflixの現および元社員がTechCrunchに認めた。この解雇については、The Verge(ザ・ヴァージ)が最初に報じた

Netflixの従業員は、共同CEOであるTed Sarandos(テッド・サランドス)氏が、最近公開されたDave Chappelle(デイヴ・シャペル)の特別番組「The Closer(デイヴ・シャペルのこれでお開き)」について発言したことに抗議するため、ストライキを計画していた。Netflixは、この従業員を解雇したのは、内部情報を漏洩した疑いがあるからだと主張している。

「当社は、商業上の機密情報を社外に漏らした従業員を解雇しました」と、Netflixの担当者はTechCrunchに語った。「この社員の動機が、Netflixに対する失望と心の痛みであろうことは理解していますが、信頼と透明性の文化を維持することは当社の中核をなすものです」。

問題となっているリーク情報は、Bloomberg(ブルームバーグ)の記事に掲載された「The Closer」に関する内部指標のようだ。Netflixはこの一回限りのスペシャル番組のために2410万ドル(約27億5000万円)を費やしたと報じられている。これに対し、Bo Burnham(ボー・バーナム)が1人で制作した最近のコメディ特番「Inside(ボー・バーナムの明けても暮れても巣ごもり)」には390万ドル(約4億5000万円)、Netflix史上最高のヒット作となった「イカゲーム」は全9話分で2140万ドル(約24億5000万円)を投じたという。

今月初め、Netflixが「The Closer」の配信を準備していた際、従業員たちから番組中に有害な反トランスのジョークが含まれているのではないかという懸念が寄せられた。シャペル氏は、性別と生物学的な性を結びつけ、トランスジェンダーの権利を求める運動に反対する「Trans-Exclusionary Radical Feminists(超排他的急進フェミニスト)」を意味する「チームTERF」であると公言するほどだ。Netflixがとりあえず10月5日にこのスペシャル番組を配信したところ、社員やサービス加入者の中から、Netflixに対して怒りが噴出した。

このスペシャル番組が公開された翌日、NetflixのソフトウェアエンジニアでトランスジェンダーであるTerra Field(テラ・フィールド)氏は、反トランス的な表現の影響について、拡散された一連のスレッドをツイートした。「TERFのイデオロギーを促進することは(昨日、私たちがプラットフォームで行ったことですが)、トランスの人々を直接傷つけることであり、中立的な行為ではありません。これは二者択一の議論ではありません。生きていたいトランスの人々と、私たちに生きていてほしくない人々との議論なのです」と、フィールド氏は書いている。

その直後、Netflixは、招かれていない取締役レベルの会議に出席しようとしたとして、フィールド氏と他の2人の社員を停職処分にした。しかし、フィールド氏は、悪意を持って会議に出席しようとしたのではなく、実際には1人の取締役がリンクを共有していたため、会議に出席できると思い込んでいたことが判明し、翌日には復職させられた。

しかし、Netflixの社員の中にはうんざりしている人もいた。特に、共同CEOのテッド・サランドス氏が社員に宛てたメールの中で「スクリーン上のコンテンツが現実の害に直結するわけではない」と書いたからだ。サランドス氏は、続けて「私たちは「Sex Education(セックス・エデュケーション)」、「Orange Is the New Black(オレンジ・イズ・ニュー・ブラック)」、「Control Z(コントロールZ)」、Hannah Gadsby(ハンナ・ギャズビー)やデイヴ・シャペルの番組などを、すべてNetflixで配信しています。重要なのは、コンテンツチーム自体の多様性を高めることです」と書いている。

エミー賞を受賞したNetflixのスペシャル番組「Nanette(ナネット)」で有名なレズビアンのコメディアンであるハンナ・ギャズビーは、サランドス氏が自分をNetflixの性的少数者に対する包括性の象徴として描こうとしていることに反論した。

「テッド、あなたが認めようとしないヘイトスピーチの口笛がもたらす現実世界の影響に対処するために、私には十分な報酬が支払われていません」と彼女はInstagram(インスタグラム)に書いた。「あんたとあんたの道徳的アルゴリズム儀式なんかクソ喰らえ」。

Netflixがトランス系社員によるストライキの立案者を解雇して炎上を煽る中、同社に反感を抱く人たちの中には「cancelnetflix.com」というリンクを投稿し、Netflixの解約方法が書かれたヘルプページに人々を誘導しようとする動きが広まっている。

NetflixのLGBTQ+アカウントであるMostは「私たちはみなさんのコメントをすべて読み、より大きく、より良い、性的少数者の表現を提唱し続けるために活用しています」とツイートした。「OK、もう私たちに怒鳴るのに戻っていいですよ」。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

TikTokで黒人クリエーターたちがストライキ、創造性の搾取を訴える

気温が3桁を超えた(38℃以上)頃、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)の新作ミュージックビデオが公開された。しかし、この曲は夏に向けて新しいTikTok(ティックトック)のダンスを流行らせるのではなく、ソーシャルメディアの成層圏でトレンドを無意味に生み出すことに疲れた黒人クリエイターたちの間で、非公式な抗議行動を引き起こしている。

「Thot Shit(ソット・​シット)」の動画が公開された2021年6月中旬、一部の黒人TikTokクリエイターは、搾取に注意するように呼びかけ、他のクリエイターにこのヒット曲のダンスの振り付けを拒否するよう促した。その運動の背景には、TikTokの黒人アーティストは過度な量のコンテンツや文化を生み出しており、その多くが白人の人気クリエーターや文化全体によって再パッケージ化され、収益化されているという考え方がある。

この曲が行動のきっかけに選ばれたことはおそらく偶然ではないだろう。Thot Shitのビデオは、遊び心がありながらも、社会に欠かせない仕事に従事する労働者への大事な賛歌となっている。映像では、食料品店や飲食店、清掃員などの労働者が挑発的に踊っているが、これは彼女たちの労働力を平気で搾取する裕福な白人社会への痛烈な批判だ。

Thot Shitは現在あらゆる場所で発売中。

この「ストライキ」では、クリエイターがTikTokを離れたり、アプリの使用を控えたりするわけではない。そうではなく、普段は話題の新曲のダンスを提供している黒人クリエイターたちが傍観し、自分たちがいないとどうなるのかを、指し示そうというものだ(予想通り、あまり盛り上がっていない)。

この曲のページでは、いくつかの動画は振り付けを予告しているものの、黒人クリエイターがこのアプリで正当な評価を受けていないことを訴える声明に変わっている。他の動画では、黒人クリエイターが空虚なぎこちないダンスをぞっとする思いで見ていたり、曲の歌詞が説明的であるにもかかわらず黒人ではないTikTokがそれを理解できないことを笑ったりしている。

非常にダンサブルな「Thot Shit」は、Megan Thee Stallionの最大のヒット曲になるかもしれないが、TikTokを見ているだけではそれはわからない。

この現象についてコメントを求められたTikTokは、黒人クリエイターがコミュニティの中で「重要で活気のある」存在であることを讃えた。

「私たちは、当社のプラットフォーム上における黒人クリエイターの経験を非常に大事にしており、コミュニティをサポートする環境を整えると同時に、クリエイターの創造的な貢献を称え、クレジットを付与することが当たり前の文化を浸透させるために、日々努力を続けています」と、TikTokの広報担当者は述べている。

ストライキに参加している多くのTikTokアカウントが引き合いに出しているのは、最近爆発的に増えた白人のTikTokkerが、黒人の身体を特に称賛しているNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)の2016年の曲「Black Barbies(ブラック・バービーズ)」のクリップに合わせて、無頓着に歌っていることだ(「私はすてきな黒いバービー人形。かわいい顔に完璧な身体……」)。白人のTikTokkerは不可解にもこの曲に群がり、人気を高め、そして黒人のクリエイターたちを押し出した。

これは、黒人クリエイターがソーシャルネットワーク上で、搾取され、横取りされていると感じている長い歴史における1つの事件に過ぎない。黒人のTikTokダンサーたちは、長いこと冷遇されてきた。彼らが生み出したオリジナルのダンスは、爆発的な人気を得ると、黒人以外のクリエイターが真似し、彼らもまたそれによってクレジットを獲得している。

TikTokのストライキは、米国のポップカルチャーがいかに黒人からの盗用で成り立っているかを示すだけでなく、音楽業界がいかに音楽を収益化するためにこの窃盗とホワイトウォッシュのサイクルに依存しているかを示すという点で、本当にすばらしい行動です。

Bree Newsome(ブリー・ニューサム)

今回のストライキは、TikTokのようなプラットフォームから生み出される創造性の源泉で、誰がその利益を享受するのかという、継続的な議論に新たな一石を投じるものだ。さらに広く見れば、クリエーターの中には、YouTubeなどの他のメジャーなプラットフォームと比べても、TikTokは経済的に不利だと考える人もいる。ソーシャルメディアの世界では、クリエイター、特に有色人種のクリエイターたちが、自分たちの力を主張するために、集団行動や組合活動さえも起こすようになっている。

自分たちの作品が横取りされていることにうんざりしている黒人クリエイターにとって、TikTokの新しいホットなダンスを世界に提供することを集団で拒否する行動は、オンラインのエコシステムにおいて自分たちがいかに重要な存在であるかを示す1つの方法として有効であることは間違いない。それは活気のない「Thot Shit」の動画を見れば一目瞭然だ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTokストライキソーシャルメディア

画像クレジット:Anatoliy Sizov / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)