チカクとセコムが高齢者に煙たがられない見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」を販売開始

スマートフォンなどで撮影した動画や写真を遠隔地に住む祖父母宅のテレビなどに映し出せるデバイス「まごチャンネル」を開発・販売しているチカクは1月8日、セコムと協働で開発した高齢者向け見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」の販売を開始した。

まごチャンネル with SECOMは、セコムの環境センサー「みまもりアンテナ」をまごチャンネルに搭載したデバイス。昨年12月10日から先行体験キャンペーンを実施していたもので、今回正式に販売開始となる。

みまもりアンテナは、室内の温度や湿度、照度を感知・記録しており、スマートフォンのアプリ上で環境の変化をチェックできる。照度の変化と生活音の有無なども検知可能で、起床や就寝を判断してその時間を推測、利用者のスマートフォンアプリに通知することも可能だ。さらには温度や湿度に急激な変化があったときは、熱中症を注意喚起する機能もある。

カメラなどでのアクティブな監視ではなく、まごチャンネルと機能をうまく融合させた見守りなので、高齢者のプライバシーを保護しつつ、遠隔地からおおよその状態を把握できる点に注目だ。

■本体仕様
サイズ:幅125×奥行き130×高さ40mm
重さ:425g
ストレージ容量:動画約2000本、写真約5万枚

■価格
本体価格(税別):3万円
サービス月額料金(税別):1680円

 

孫の動画を実家のテレビに自動配信、「まごチャンネル」のチカクが野村HDらから1.2億円を調達

スマホアプリで撮影した動画や写真を実家のテレビに直接送信できる「まごチャンネル」。同サービスを提供しているチカクは4月13日、野村ホールディングスのCVCと既存株主であるインキュベイトファンドを引受先とした第三者割当増資により、1.2億円を調達したことを明らかにした。

チカクは2017年12月にインキュベイトファンドから1.5億円2016年12月には500 Startups Japanおよび個人投資家から総額1億円を調達するなどしていて、累計の調達額は4.1億円となる。

過去の記事でも紹介してきたように、まごチャンネルはインターネットやスマホの利用が得意ではないシニア世代でも使いやすいように設計されたIoTサービス。離れて暮らす孫の動画や写真を、自宅のテレビを通じて楽しむことができる。

操作に必要なのはテレビのリモコンだけ。家族がスマホから専用アプリから撮影した動画と写真が自動配信される。データをアップロードすると祖父母宅のデバイスが光り、彼ら彼女らが視聴すればアプリに通知が届く仕様で、お互いの距離が近く感じられる点が特徴だ。

チカクではWebサイトや通販サイト経由でプロダクトを販売するほか、他社との連携も強化。今回の調達先である野村ホールディングスとは、同社のアクセラレータープログラム「VOYAGER」を通じてテストマーケティングを行ってきた。

具体的には野村証券の支店も巻き込み、営業員がシニア顧客を対象にまごチャンネルをプレゼント。一緒に動画や写真を見て関係性を深めた事例など、金融商品の提案以外で関係性を育むきっかけにもなっている。

チカクでは今回の資金調達を受け「引き続きシニア世代の生活を豊かにするサービスの提供を行って参ります」としている。

孫の写真や動画をテレビで共有、「まごチャンネル」開発元のチカクが1億5000万円調達

離れて暮らす家族のテレビに写真や動画を送ることができるIoTデバイスの「まごチャンネル」。その開発元のチカクは12月12日、インキュベイトファンドを引受先とした第三者割当増資により1億5000万円を調達したと発表した。これにより、同社の累計調達金額は3億円超となる。

同時に、「カーブス」や「らくらくホン」などのシニアビジネスに参画したこともある、村田アソシエイツ代表の村田裕之氏がチカクの顧問に就任。また、企業間レンタル移籍プラットフォーム「ローンディール」を通して関西電力の田村博和氏が6ヶ月限定でチカクにジョインする。

まごチャンネルはITリテラシーの低いシニア世代でも簡単に使えるように設計されたIoTデバイス。遠く離れた場所に住む家族と、テレビを通して写真や動画を共有することが可能だ。

まごチャンネルの操作はテレビのリモコンで完結する。だから、スマホやPCの操作に慣れないシニア世代でも使いやすい。その名の通り、祖父母たちのテレビに「まご専用のチャンネル」を追加するためのデバイスだ。また、まごチャンネルのクラウドストレージに写真をアップロードすると家の形をしたデバイスの“窓”が光り、祖父母がその写真を観ると専用アプリ経由で通知がくるなど、離れて暮らしていても距離がチカク(近く)感じるような仕組みが特徴だ。

ところで、前回の取材時には3万9800円だったまごチャンネルの価格は、現在1万9800円まで値下げされている。チカク代表取締役の梶原健司氏によれば、「うまく増産が進み、価格を下げられるようになった」という。

現在はWebサイトや通販サイト経由での注文が多いということだが、そういった純販売だけでなく、他社との連携も順調に進んでいる。野村證券が実施したアクセラレータープログラム「VOYAGER(ボイジャー)」に採択されたこと経緯から、同社と共同でまごチャンネルを利用したカスタマーリレーションの構築の実証実験を行っている。これは、野村證券の営業員が顧客にまごチャンネルをプレゼントし、子供や孫の動画に混ざって営業員が挨拶ビデオレターを送るというもの。

証券会社の営業員は1人が抱える顧客の数が多く、直接会ってコミュニケーションが取れる顧客の数は限られている。顧客の高齢化も進むなか、彼らとのコミュニケーションを深めるためにシニア向けに開発されたまごチャンネルが選ばれたというわけだ。この協業を通して、これまでに3000台のまごチャンネルが導入されている。

チカクは2014年3月の創業。同社は2015年9月にクラウドファンディングプラットフォームの「Makuake」でまごチャンネルを発表した。そして、その翌年の2016年12月には500 Startupsなどから約1億円を調達している。現在、チカクはまごチャンネルの第2世代を開発中で、2018年の投入に向けて準備を進めているという。