ハイブリッドワークに適したホワイトボード重視のカプセル風会議室をKlaxoonが発表

フランスのスタートアップ「Klaxoon」がホワイトボードコラボレーションプラットフォームのアップデートと新しいハードウェア製品を発表した。同社がこれから販売するハードウェア製品は「Hybridity」で、オフィスにいる人と別の場所にいる人の間で実施するハイブリッド会議に最適化された、すぐに使える会議室だ。

ソフトウェアのアップデートから紹介しよう。Klaxoonは2020年にビデオ会議中に共同作業ができるビジュアルインターフェイスの「Board」を公開した。ホワイトボードのインターフェイスでアイデアを共有したりコラボレーションしたりすることができる。付箋の作成、テキストの追加、画像の挿入、アイテムの移動、ホワイトボードからのビデオ会議の開始といった機能がある。

関連記事:プレゼンやアイデア提案に使えるビデオ通話向け共有キャンパスツール「Board」をKlaxoonが発表

会議の参加者は小さいサムネイルで表示されるため、デジタルホワイトボードに集中できる。Boardを既存のビデオ会議ツールに接続することもできる。

6月14日の週にBoardのアップデートが実施され、名称が「Board Hybrid」と変更された。創業者でCEOのMatthieu Beucher(マシュー・ボイカー)氏は記者会見で「Boardの新バージョンはリモートワークだけでなくハイブリッドワークにも使えるように設計したものです」と述べた。

Board Hybridではあらゆる種類のファイルをホワイトボードに追加できる。このため、ファイルを共有ドライブにアップロードし、リンクを作成してホワイトボードにペーストする手間が省ける。PowerPointのプレゼン、Wordの書類、ExcelのスプレッドシートなどをKlaxoonのインターフェイスから直接表示できる。

コネクタなど新しい描画ツールもいくつかあり、例えばマインドマップの作成に使える。Klaxoonのビデオ会議ソリューションから画面を共有することもできるようになった。

画像クレジット:Klaxoon

新製品は、既存の製品とはだいぶ異なる。会議室のHybridityだ。六角形の宇宙カプセルのようだ。窓はなく、外から見るとブラックボックスのように見える。

内部にはイス、画面、カメラ、Klaxoon Boxデバイスが3つずつある。ボイカー氏は「全員が全員をしっかり見て、1人ひとりがコンテンツに集中できます」と説明した。

自宅からハイブリッド会議に参加したことがあるなら、会議の状況に関わる問題点はよくご存じだろう。自分以外のメンバー数人がオフィスにいて同じ部屋から参加していると、そのメンバーたちは小さいアクションフィギュアのようで、誰がしゃべっているのかわからない。

Klaxoonはオフィスにいる人と家にいる人との会議を簡単にすることを目指している。Klaxoon Hybridity会議室の設置には5平方メートルの床面積が必要だ。ある場所に設置して、数年後に別の場所に移動できる。床に固定されていない。

予約注文はまもなく開始される。1カ月2000ユーロ(約27万円)からのサブスクリプションモデルでの販売を予定している。Klaxoonの新しい収入源になるか、単なる楽しい試みか、注目したい。ただ、オフィスに置かれている小さな電話用ブースの代わりにはなるかもしれない。

画像クレジット:Klaxoon

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タグ:Klaxoonハイブリッドワーク会議室フランスビデオ会議デジタルホワイトボードリモートワーク

画像クレジット:Klaxoon

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

ウェブベースのコラボデザインツールFigmaがホワイトボード「FigJam」公開

Figmaは数年間のステルスを経て、ウェブベースのコラボレーションデザインツールを公開し、それ以降は開発を迅速に回してきた。米国時間4月21日、同社はこれまでで最大のアップデートを発表した。

Figmaの新しいホワイトボードツール「FigJam」だ。

Figmaの全体的なコンセプトは、デザイナーは仮想のテーブルで広いスペースを使い、効率よくコラボレーションできる場を必要としていることから生まれた。ことに在宅で仕事をするようになった2020年からは、まさにそうしたものが求められている。そこでFigmaはホワイトボードツールでデザイナーのワークフロー全体に手を広げることにした。

FigJamはデザイナーが集まってアイデアを出す場となるだけでなく、デザイナー以外の人もブレインストーミングに使うことができる。

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FigJamには付せん、絵文字、ドローイングツールの他、図形、あらかじめ設定された線とコネクタ、スタンプ、FigJam内でライブで簡単にコミュニケーションを取ることのできるカーソルチャットなどの機能がある。もちろんFigJamはFigmaと連携するので、FigJam上で作られたコンポーネントやデザインオブジェクトを簡単にFigmaに移行できる。

Figmaの創業者でCEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏は「実際のデザインワークに入る前に、FigJamをデザインプロセスの最初の段階で使えるようにすることに焦点を絞って取り組みました。人々は流れるように使える優れたエクスペリエンスを求めていますが、同時に多くの人々がこのツールに参加できるようなシンプルものにしたいとも考えました」と述べている。

シンプルにすることを目指して、Figmaはすべての製品にボイスチャットも導入した。これにより、Figmaで他の人と連携してデザインをしたりFigJamでブレインストーミングをしたりする際にZoomやGoogle Meetを別途使う必要がなくなり、Figmaでチャットをオンにしてオーディオを使うことができる。

Figmaはボイスチャットをゼロから開発したのではなく、パートナーとの連携によって導入した。Figmaはボイスチャットに関して連携しているパートナーやテクノロジーを公表しなかった。

FigJamとボイスチャットに加え、Figmaはさらに機能を充実させたモバイルアプリもリリースする。モバイルアプリは、公開時にはTestFlight経由のベータ版として提供される。

画像クレジット:Figma

Figmaが今回発表した最新情報としてもう1つ、Figmaの分岐とマージの機能がある。例えばデザイナーがデザインシステムをアップデートする際に、共有されているコンポーネントやリソースをアップデートして他の人たちのワークフローに影響を与えるのではなく、分岐して作業し、その後で既存のデザインシステムとマージすることができる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Figmaデジタルホワイトボード

画像クレジット:Figma

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(文:Jordan Crook、翻訳:Kaori Koyama)