「天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する」が9月20日からNetflixで配信開始

9月にNetflixは「天才の頭の中:ビルゲイツを解読する」と題された3部構成のドキュメンタリーを放映する。

監督は「不都合な真実」や「わたしはマララ」で高い評価を得ているデイビス・グッゲンハイムで、テクノロジーの天才、かつ世界第2位の資産家である人間の思考に入り込む。Netflixがこのドキュメンタリーを配信することを発表したのは先週だったが、いよいよ最初の予告編が公開された。

Microsoft(マイクロソフト)を創立し、30年にわたって君臨して、激しい賛否の議論を引き起こした時代から、ビジネスの第一線から退き、マラリアの撲滅やエネルギー問題などのチャリティー活動に専念するようになった現在まで、63年の半生が資料映像とゲイツ自身へのインタビューで詳しく解明される。我々が生きる現在の社会、生活の大きな部分を作ってきた人間の中をわずかでも覗くことができるなら貴重な視聴体験となるだろう。

予告編は「好きな動物は?」「イヌ」、「好きな食べ物は?」「ハンバーガー」といった会話から始まる。「今、いちばん怖いのは?」という質問にゲイツは「頭が動かなくなることかな」と答える。まあこれはゲイツならずともそう考えるだろう。

Netflixによればこのミニ・シリーズは9月20日から配信されるという。

【Japan編集部追記】ゲイツは若い頃を振り返って「Microsoftの優勢を保つために昼も夜も働いた。ときには激しい主張もした。しかし(当時の)ものの見方は間違っていた」と述べている。Netflixによれば日本での配信開始も9月20日が予定されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

TV番組「アポロ:ミッション・トゥ・ザ・ムーン」で宇宙探査の歴史が甦る

人類の月着陸から50周年を記念して、ナショナルジオグラフィックは、日曜日の夜から始まるスペースウィークの皮切りに、新しいドキュメンタリー番組「アポロ:ミッション・トゥ・ザ・ムーン」を放送する(日本では7月16日放送予定)。

これまで、この話は何度も語られてきた。昨年は、ニール・アームストロングの伝記映画「ファースト・マン」が公開され、当然のことながら今後数週間にわたり、新しいドキュメンタリー番組や特別番組が続々と放送される。「アポロ:ミッション・トゥ・ザ・ムーン」の監督Tom Jennings(トム・ジェニングス)氏も、私たちの電話インタビューの受話器越しに、悔しそうな笑いを交えて、それを認めていた。

しかしジェニングス氏は、このプロジェクトに独特の切り口で挑んでいる。それは、彼の以前のドキュメンタリー作品「チャレンジャー号爆発事故 30年目の真実」や「ダイアナ妃の告白」で使用したものと同じ手法だ。つまり、現存する音声、動画、写真のみを使って構成することで、視聴者は50年後のナレーターの語りでではなく、その当時の現在時制で体験できるのだ。

今回の作品では、ナショナル ジオグラフィックによると、800時間の音声、500時間の動画、1万枚以上の写真から素材を集めているという。これには、未公開の管制室の音声も含まれる。

「昔のドキュメンタリーでは、月着陸でもその他のアポロのミッションでも、私たちが聞ける管制室からの音声は、
1本のオープンチャンネルに限られていました。それは、CAPCOM(宇宙船通信担当官)と呼ばれる人の声です」とジェニングス氏は言う。「(しかし)そこには何百人もの人がいて、その多くはヘッドセットを着けていました」。

アポロ11号が着陸に成功すると、握手の嵐が巻き起こった(NASA)

その音声を加えることで、番組は管制室で何が起きていたのか、地上のチームはこの宇宙でのイベントにどう反応したかを、より完全に伝えることができた。

もうひとつ、強調しておくべきことがある。この番組は、アポロ11号だけでなく、アポロ計画全般について物語っている。ミッションによって割かれる時間はまちまちだが、月に到達するまでと、その後の出来事を含めた完全な文脈を視聴者に提供するのが狙いだ。

それには、この計画の冷戦に端を発した部分も含まれている。しかしジェニングス氏は、時間を追うごとに「宇宙開発競争とロシアの話は少なく」なり、「不可能に挑戦する」話に移ってゆくという。「話の中心は政治から遠征に移る」と彼は要約してくれた。

このドキュメンタリーの大きな要素のひとつに、最初のミッションを追ったメディアの息をのむような方法がある(「メディアはひとつの登場人物だった」)。結局、アポロ7号で、有人飛行の初めてのテレビの生中継が行われたのだが、最も感動的だったのは、世界中の人たちがどのようにしてアポロ1号を見ていたかを示すシーンだ。

「世界が止まったのは前代未聞のことでした」とジェニングス氏は言う。「もう二度と、あんなことは起こらないと思います」。

キャンプ場でアポロ11号の打ち上げを待つ見物人たちの上空からの写真(Otis Imboden/National Geographic Creative)

ドキュメンタリーを見るとわかるが、アポロ計画への人々の熱狂は、月着陸の後、次第に冷めてゆく。ジェニングス氏はこう推測する。「それは探求の旅だったのです。ひとたび目標に到達してしまった後は、次はなんだ?みたいになったのでしょう」。

事実、そうしたシーンが番組の中にあると彼は教えてくれた。「NASAの報道官は、アポロ11号の後、13号が事故に見舞われるまで、プレスルームでぶらぶらしていました。つまり、アポロ11号では立ち見のみ、でも今はガラガラ、いったところです」。

この作品は、アポロ11号の勝利をちびちび見せるものではない。全体を通して見ると、もの悲しい記録であることがわかる。アポロ計画が終わったとき、NASAの職員は正確に未来を予測していた。もう一生、月へは行かないだろうと。「アポロ:ミッション・トゥ・ザ・ムーン」では、最近の数十年の間に何が起きたかは直接語っていないが、NASAの規模を縮小した野心に対する暗黙の批判が、どうしても見えてくる。

「この作品で、私たちが何を失ったのかを正しく伝える必要があると感じました」とジェニングスは言う。彼は、アポロ計画のエンジニアだったFrances “Poppy” Northcutt(フランシズ・ポピー・ノースカット)氏が彼に言ったことを振り返った。「すべてがそこにあったのです。もっと遠くの深宇宙に行く準備ができていました。あのまま続けていれば、人類は30年前に火星に行っていたはずです」

それでも、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏のBlue OriginやElon Musk(イーロン・マスク)氏のSpaceXといった活動が、彼に未来への希望を与えている。「我々は再び月に行くと思います。月に何かが建つでしょう」。

「アポロ:ミッション・トゥ・ザ・ムーン」はナショナル ジオグラフィック(TV)にて、米国標準時7月7日、日曜日午後9時から(中部標準時午後8時から)放送される(日本では7月16日火曜日午後10時より)。

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(翻訳:金井哲夫)