アマゾンのプライベートブランド事業への進出は、最新ブランドの「Wickedly Prime」で、今月も続いている(Wickedlyは「いたずらっぽい」といった意味)。Happy Belly、Mama Bear、そしてPresto!といったAmazonの最近のプライベートブランドとは異なり、Wickedly Primeは2年前のAmazon Elementsのデビュー以来初めてのAmazonの名を冠したブランドだ。
これは、Amazonのプライベートブランドビジネスへのアプローチ戦略が変化していることを表している。Amazonによって作られたブランドだということを分かりにくくするのではなく、Wickedly Primeは積極的にAmazonのものであることを押し出している。
その名前に「Prime」を付けているだけでなく、その箱にはAmazonを象徴する「笑顔」ロゴがあしらわれている。そして製品の箱には「Distributed by Amazon Fulfillment Services」とさえ書かれていることを、eコマースデータ測定会社のOne Click Retailがブランドのローンチの成功を分析した新しいレポートの中で指摘している。
ちなみに、以前のAmazonプライベートブランド品のパッケージには単に「AFS Brands LLC」と書かれているだけだった。
その名前が示すように、新しいWickedly Primeブランドは、Amazon Primeのメンバーに限定されており、Trader Joe’sに似た品揃えで、大衆向け「食品」をターゲットにしている。これには、ポップコーン、トルティーヤチップ、ソフトシェルアーモンドなどのAmazon独自のスナックが含まれていて、様々なフレイバーも提供されている。
Amazonのプライベートブランドへの取り組みが強化されていることは、5月にウォール・ストリート・ジャーナルが取り上げたものが最初だった。 この記事はWickedly Primeからのものも含め、今後提供されるブランドを詳述していた。
Wickedly Primeは、ローンチされる新しいプライベートブランドの最初のものではなかった。Amazonは、販売するプライベートブランドに自分の名前をつける前に、ビジネスをテストして、上手く行かないところを直しておきたかった可能性が高い。しかし、それ以前の発売の相対的な成功により、今やAmazonは自社のラベル商品をさらに消費者に知らせる準備が整っているように見える。
それでも、Wickedly Primeのローンチは、どちらかといえば控えめなままである。他のブランドなどと同様に、Amazonは目立つ発表をせず、そっとWebサイトに製品を追加しただけだ。One Click Retailは、これまでのところ最初の製品はよく売れていると述べている。トップの4つのSKUは最初の週に500ドルを超えた。他のSKUはそれぞれ100ドルを超えている。これは決して記録的な数字ではないが、「新製品としては悪くないものだ」とOne Click Retailは報告している。
そして他のプライベートブランドの実績に基づけば、確実な成長が見込まれている。例えばHappy Bellyは、11月の一連のAlexaセールと12月6日のLightning Dealのおかげで、ナッツとトレイルミックスの売り上げが2万ドルから26万5000ドルに増加した。前の月に比べて膨大な増加である。自身の取引プラットフォームを介して自社製品を宣伝する能力、そして消費者の家庭内の接続されたデバイスのネットワークは、Amazonがいつでも引くことのできるレバーなのだ。
小売業者も、何が行われているかは認識しているようだ。1010dataによる以前のレポートは、Amazonのプライベートラベルのブランドが、スピーカー(Amazon Echoがその理由だ)、ベビーワイプ(Amazon Elements)、バッテリー(AmazonBasics)などのそれぞれのカテゴリーで、市場シェアを奪いつつあることを報告している。
そしていまや私たちは、Amazonが大衆消費パッケージ商品(Consumer Packaged Goods)の世界で同じ成功を収めることができるかどうかを見届けることになる。そのHappy Bellyのコーヒーや、Wickedlyのスナック、そしてPresto!の洗剤を使って。
[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)