三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

三菱地所サムライインキュベートは2月1日、スタートアップ企業とのオープンイノベーションによる新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」について、採択企業8社を決定したと発表した。

同プログラムは、イノベーション創出とビジネスモデル変革を目的として2017年度より実施。4期目となる今回は、急激な社会変容・行動様式の変化が求められる昨今の状況を踏まえ、ともに課題に向き合い、新しいまちのあり方を提案していくパートナーとなるスタートアップ企業を募集。110件のビジネスプラン応募から、8社のスタートアップ企業を採択した。

同プログラムは、今期含め合計で過去約650件の応募があり、合計24社の企業を採択している。

AirX

2023年以降訪れる「空の移動革命」を見据え、空の交通デジタルプラットフォームを開発するテクノロジーカンパニー。空の観光遊覧事業「AIROS Skyview」、空の移動プラットフォーム「AIROS」を展開する。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

コークッキング

食品ロス削減と意識向上のためのフードシェアリングサービス「TABETE」(タべテ。Android版iOS版)を展開。中食・外食店舗を中心に、食事が余ってしまったお店と、お得な食事を探しているユーザーとのマッチングを行う。

Drone Future Aviation

顧客に合ったドローンや配送ロボット、配膳ロボットを世界中から調達し国内向けにカスタマイズをして販売・リースを行う。

ヘラルボニー(HERALBONY)

福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット。日本全国の知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、2000点以上のアートデータを軸とする事業を展開する。直販サイト「HERALBONY SHOP」を公開中ほか、2021年春に「HERALBONY GALLERY」をオープン予定。

PacPort

「モノ」の受渡を非対面・非接触で実現させる、スマートロックとサービスプラットフォームを提供するデジタルトランスフォーマー。集合住宅向けロッカーサービスを提供。

scheme verge

MaaSを用いたデータ駆動型エリアマネジメント事業会社。エリア全体を回遊するようなMaaS整備を行うとともに、そのデータを分析して潜在ニーズに基づく観光コンテンツや地域拠点の造成とDXを進める。現代アート・地域アートをはじめその地域らしいカルチャースポットを探す、行く、体験するをフルサポートするサービス「horai」(Android版iOS版)などを展開。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

THIRD

800社超が利用するAI不動産管理システム「管理ロイド」を展開。AIが搭載されたアプリによって、不動産管理の労働生産性改善と管理品質向上を実現する。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

AZOO

ホテルシステム「WASIMIL」(ワシミル)を展開。予約取得、フロント・清掃業務、収益管理、マーケティングまでが一つのシステムで全同期、一元管理可能となり、ホテル運営を自動化・効率化する。

三菱地所がスタートアップとの新事業創出を目指す「三菱地所アクセラレータープログラム 2020」採択8社紹介

三菱地所は、これまで多種多様なスタートアップ企業との共創を進めるアクセラレータープログラムのほか、社内における新事業提案制度やベンチャー出資、インキュベーション施設の開発・運営を通じビジネスチャンスの創出を実施。今後もビジネスモデル革新の推進を目指し、既存事業領域における競争力強化だけでなく、「ノンアセットビジネス」や「BtoC/BtoBtoCに着目した新たな事業展開」に引き続き注力していく。

またサムライインキュベートは、これまでの国内外におけるイノベーション支援実績を活かして企画・運営・実施を担っており、スタートアップ企業の募集・コミュニケーション、選定などをともに行ってきた。今後は、採択スタートアップとの共創支援メンタリングや優れた共創アイデアを持つ企業への出資検討などを行い、共創支援をより強化していく。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:アクセラレータープログラム(用語)AZOOAirXコークッキングサムライインキュベートscheme vergePacPortヘラルボニー三菱地所三菱地所アクセラレータープログラム日本(国・地域)

参照系AI開発する東北大学発のAdansonsが仙台市主催のピッチコンテストで審査員賞を獲得

仙台市とMAKOTO Capitalは2月25日、仙台国際センターにて「TGA Festival 2020」を開催した。同イベントは、両者が共同展開している東北地方発のスタートアップを支援するプログラム「TOHOKU GROWTH Accelerator」の一環だ。MAKOTO Capitalは、仙台を拠点に東北地方の企業へのファンド投資やアクセラレータープログラムなどを手掛ける企業。仙台国際センターは、仙台地下鉄東西線の国際センター駅が最寄り駅で、同駅付近には、東北大学川内キャンバスや日本フィギュアスケート発祥の地である五色沼などがある。

TOHOKU GROWTH Acceleratorでは、事業開始を目指す若手起業家や家業を持つイントレプレナー(社内起業家)向けの「TGA Studio」、次のステージを目指して資金調達を計画しているスタートアップ向けの「TGA Growth」という2つのコースが設けられており、TGA Festival 2020ではその成果を発表するピッチイベントが開催された。ここでは「TGA Growth Course PITCH」について紹介する。今年は5社がピッチに参加し、以下の6名が審査員を務めた。

  • KDDI経営戦略本部副本部長・松野茂樹氏
  • プロトスター取締役CCO・粟島祐介氏
  • 経営共創基盤(IGPI)マネージャー・山下 翔氏
  • ブラッククローキャピタル代表取締役/アナムネ代表取締役・菅原康之氏
  • NTTドコモ・ベンチャーズ代表取締役社長・稲川尚之氏

来場者の投票で決まるオーディエンス賞は、福祉施設に所属する障がい者が制作したアート作品の版権管理や企業とのコラボレーションを展開するヘラルボニーが受賞。また、イベントのメインスポンサーを務めるKDDIは、企業のIoT事例をシェアできるプラットフォーム「IoT-OneBox」などのサービスを展開するiOT.RUNにスポンサー賞を授与した。そして審査員賞を獲得したのは、東北大学発AIベンチャーのAdansonsとなった。一方「TGA Studio Course PITCH」の審査員賞は、コミュニティマネージャー支援サービス「TAISY」を運営するfunky jumpが受賞した。

iOT.RUN(KDDI賞)

Raspberry PiをベースにしたIoTデバイス「Tibbo-Pi」と、Tibbo-Piで開発したプロダクトをシェアリングできるプラットフォーム「IoT-OneBox」などを開発。Tibbo-Piは、誰でもIoT機器を自作できるのが特徴。ボード上に用意されたスロットに、光センサーやオン/オフといった単機能の部品「Tibbit Blocks」をはめ込んでプログラムを組んでいくことで、「室内の明るさを監視して暗くなったらLEDライトを点灯させる」などの動作を実現できる。

各企業がTibbo-Pi上で開発した各機能は「IoT-OneBox」プラットフォームを通じて他社に販売できる。Tibbo-Piを使えば、作業者や設備管理の稼働分析、不良品やダウンタイムの削減などが可能なIoTデバイスを開発できるそうだ。

Adansons(審査員賞)

2019年6月設立の東北大学発AIベンチャー。独自のAI技術「参照系AI」(AI‐R)を活用した情報解析、導入支援、APIによる提供などを行っている。災害や製造現場などでの異常検知、画像処理、音声処理など応用範囲は多岐にわたる。

既存のAI解析サービスに比べ、データ数と計算時間が10分の1で済み、高品質であることが特徴だ。具体的には、音声による咳の疾患推定や重・移動解析による運転の疲労度推定などが可能。

グッドツリー

さまざまなシニア向け情報サービスを提供。独自開発した介護ソフト「ケア樹Free」を介護施設無償提供している。介護ソフトとは、介護事業者が介護保険の報酬請求を効率化するためのプロダクト。既存のソフトは使用料が高価なうえ使いづらい、蓄積したデータを生かしづらいといった不満があったことから、ソフトのコア機能を無償提供。まずは多くの介護施設に自社開発のソフトを無償で使ってもらい、iPadのへの記録や伝送、写真撮影・保存など必要な機能を有料オプションとして販売している。

今後はケア樹Freeなどで蓄積されたデータを解析したサポートサービスに力を入れる。その1つである「ケア樹たのむ」では、ケアプランの作成や行動変容の促し、生活リズムの可視化などが可能になるという。

ヘラルボニー(オーディエンス賞)

福祉施設に所属する障がいを持つアーティストとともに、新たな文化をつくるアートメゾンブランドを運営。福祉施設からアート作品を借り受け、デジタルデータの管理や契約手続き代行、イベントなどの企画などの事業を通じて、福祉施設とアート作品を制作したアーティストにアート使用料を還元する。

クライアントや代理店からは、アート作品を利用した企画提案や運営など請け負い、企画費やアート使用料を徴収する。現在、2000点ほどのアート作品のデジタルデータを保有している。直近ではJR東日本スタートアップの採択企業となり、JR品川駅構内でアートTシャツを販売している。

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ストーリーライン

コーヒーの生産加工、コーヒーの輸入販売、コンサルティング、ブランディングプロモーションなどを手掛ける。カフェインレスコーヒー、いわゆるデカフェコーヒーを未来のコーヒーのスタンダートと位置付け、東北大学との共同研究により生まれた「超臨界CO2抽出」の技術を使うことで安価かつ高品質なデカフェコーヒーを製造する技術を擁する。

従来のデカフェコーヒーは手間と時間がかかるため、コストを抑える目的で通常のコーヒーよりも品質の劣る豆を使うことも多く、味もいまひとつ。超臨界CO2抽出の技術を使えば、収穫したコーヒー豆を二酸化炭素で洗い流すことでカフェインを除去できるという。今後は仙台に「CRAFT DECAF LAB」を設置して実証実験を進めていくという。契約農場のあるルワンダでコーヒー前の栽培・収穫・加工まで行い、2023年には世界に輸出販売していく計画もある。

なお「TGA Festival 2020」の全セッションは以下ですべて視聴可能だ。

JR東日本スタートアップが品川駅にSTARTUP_STATIONをオープン、nanoblock版高輪新駅やリサイクルTシャツを展示

JR東日本スタートアップは2月17日、JR品川駅中央改札口付近の駅構内に「STARTUP_STATION in 品川駅」を2月23日までの期間限定でオープンした。JR東日本グループのビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム2019」の採択企業である、日本環境設計とヘラルボニーの作品を展示している。

日本環境設計は、衣類やプラスチックなどのリサイクル開発を手掛ける2007年1月設立の企業で、日本マクドナルドとのリサイクルパートナー契約を結んでいる。マクドナルドでは、全国のマクドナルドからハッピーセットに含まれるおもちゃを回収してトレイなどに再生するリサイクル企画「マックでおもちゃリサイクル」を実施中で、2019年度は回収期間を拡大したことで、2018年度の127万個の約2.7倍となる約340万個の回収に成功している。

日本環境設計では、マクドナルドが回収したこれらのおもちゃからリサイクルされたnanoblockを活用して、3月14日にJR山手線の品川〜田町間に暫定開業する高輪ゲートウェイ駅のジオラマをSTARTUP_STATION in 品川駅に展示。

さらに同社は、再生ポリエステルによるコットンライクな生地を使ったオリジナルTシャツを来場者が制作できるイベントも同時開催する。

また、知的障がいを持つアーティストのデザインを取り入れたヘラルボニーの「SDGs Tシャツ」(2500円)も購入可能だ。なお、SDGs Tシャツの売上の一部はアーティストに還元される。