3300円の中国製ワイヤレスイヤフォンの実力は?

2019年はワイヤレスイヤフォン主流になった年だった。もちろんこのカテゴリーは昔から存在していたし、Apple(アップル)が3年前に最初のAirPodsをリリースして状況を変えてしまっていたが、売上が爆発したのは2019年になってからだ。 新しい調査によれば、このカテゴリにおける前四半期の出荷台数は、前年比で183%増加している。

このカテゴリは引き続きアップルによって牽引されており、現在同社は市場の43%のシェアを占めている。そして、AirPod Proの登場によりこの数字はさらに増加するだろう。だがその近い将来は低価格競争に左右されるように思われる。アップル、Samsungサムスン)、ソニーそしてGoogle(グーグル)が市場のハイエンドを目指して戦っている中で、他のプレーヤーたちは価格で競争に打ち勝つ決意だ。

フルネームを入力するのはこれが最初で最後になる思われるが、価格29ドル(約3300円)のJLabGo Air True Wireless Earbudsこの低価格カテゴリを代表するXiaomi(シャオミ)AirDotsに迫る商品だ。この中国のメーカーは市場の約7%を占めており、サムスンのより高級な製品より少し多い。同社は、フィットネスバンドで達成したシェアの成功を繰り返すことができる絶好な位置にあるようだ。

さてJLabはどこに落ち着くのだろうか?まあ、市場はたくさんある。より多くのスマートフォンメーカーが、たとえミッドレンジの機種でさえもヘッドフォンジャックを避けるようになっているため、低価格のワイヤレスイヤフォン向かう流れができている。Go Airは、まあ、そうした流れがなければどうというものでもない。その特徴を定義するのは価格である。そして正直なところ、それで何の問題もないのだ。

ここに1つの事実がある。いまでは私はAirPods Proを耳に入れて、さまざまな場所に出歩いている。オリジナルのAirPodsのときはそうでもなかったが、こちらのAirPods Proに関しては、カテゴリーの製品として本当に正しく作られているものだと感じている。しかし、Proと今回の低価格製品を比較するのは公平ではない。Proに支払う金額で、83分の1個のペアを購入することができるが、価格帯も、マーケットも、そして消費者も異なっているからだ。

またJLabがすでに、さまざまなモデルで市場を飽和させる方向に進んでいるのは事実だが、いずれも低価格が決定的な特徴である。同社は、米国における100ドル未満のワイヤレスイヤホンのトップメーカーであると主張しており、Go Airsはその中でも最も低価格の製品だ。カタログスペックだけみるならば、それは確かにかなりお得な製品である。イヤホンは軽量で、1回の充電で5時間、さらにケースから充電することで15時間も使用できるうえ、耐汗性がある。

私はある日それらを試してみたのだが、少々不満を感じた。音は「良い」と思えるものではない。実際のところ、これは米国のディスカウントスーパーですあるウォルグリーンズで急場しのぎに買った10ドル(約1100円)のイヤホンを連想させる。イヤホン本体と充電ケースのどちらも安さを感じさせる。そして、どのくらい持つかは予想できないが、通常ならUSB-CまたはmicroUSBポートであるべきコネクタはハーフUSB(端子が剥き出しのスリムなUSBタイプB)になっている。

また、ほとんどのモデルとは異なり、このイヤフォン耳から離れても自動的に音楽再生は止まらない。とはいえ、それは一部の人にとってはバグというよりもむしろ優れた機能かもしれない。だが多くの場合、携帯電話で再生を一時停止することを忘れないようにしなければならない。ヘッドフォンは互いに独立して動作するため、一度に1つのイヤーピースだけを使うことができる。

正直なところ、私がここで述べている不満には、巨大で真っ赤な「これはたったの30ドルなんだぞ」という注意書きが貼られている。他に何も特徴がないとしても、少なくともこの製品はこうした製品が高級品から日常品へどれほど迅速に変わっていったかを示している。正直に言えば、ちょっとどうかしていると思う。プレミアムヘッドフォンが必要な場合は、もちろん他の製品を見るべきだ。Go Airsは、何よりも安価でとにかく使えるものを提供している。

小売店に並ぶのは3月の予定だ。

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(翻訳:sako)

Amazon Echo Budsはノイキャンワイヤレスの価格破壊

Echo Budsが、なぜもっと早く登場しなかったのか、むしろ不思議なくらいだ。ワイヤレスイヤフォンは、Alexaを屋外でも使えるようにするための最もストレートな方法だ。Amazon(アマゾン)は、今のところスマートフォンのカテゴリーに割って入ることができていない。発売から5年が経ったFire Phoneはもはや歴史的な遺物に過ぎないが、Google(グーグル)やApple(アップル)は、その間に強固なモバイルの基盤を築き上げ、それぞれ独自のアシスタント機能を展開している。

Amazonのモバイル対応と言えば、AndroidとiOS用にダウンロード可能なAlexaアプリを用意し、同様の機能をFireタブレットにも搭載している。昨年同社は、Alexa Mobile Accessory Kitを発表した。これは、より多くのデバイスでAlexaが使えるように設計されたもの。確かに、独自のアシスタントを開発するためのリソースを持っていなかったり、そもそもその気がないようなサードパーティのパートナーにとっては理にかなった方策だろう。最新のFitbit Versaは、このような協力関係が実を結んだ好例だ。

ただし、純粋なユーザー体験の観点からすれば、ヘッドフォンやイヤフォンとして実現するのが、理屈に合った導入策と言える。マイクを使って入力する音声コマンドを発する口に最も近い位置にあり、Alexaの応答を直接耳に伝えるものだからだ。市場がどのような反応を見せるかを観察しながら、Amazonは潜在的な市場シェアを明け渡していたことになる。

Echo Budsについては、2、3年前から、このカテゴリに投入されるのではないかという噂が絶えなかった。しかしこのカテゴリは、家電製品の中で最も動きの速い分野。Samsung(サムスン)、ソニー、Apple(アップル)/Beats(ビーツ)といった会社が、優れた製品を投入している。AmazonはAlexaをハードウェアメーカーに開放しているだけに、サードパーティ製品がやがてEcho Budsを上回るものになることも確かだろう。

Amazonは、最初の製品としてかなりうまくまとめ上げてきた。Echo Budsの素晴らしさを1つだけ挙げるとすれば、それはカスタマイズ性の高さだ。まず、耳に装着するイヤホンとしてユーザーが交換できるシリコン製のイヤーチップは、当然ながらそれを耳の中で正しい位置に保つためのウィングを備えている。私は硬いプラスチック製のウィングは好きではないが、そこに被せる柔らかいシリコンカバーの感触はなかなかいい。

イヤーチップには、3つのサイズが用意されているので、ピッタリするサイズのものを選べばいい。適切なものを選んでセットすれば、周囲の不要なノイズを排除する、確かな遮音効果が得られるはずだ。ただし、私個人の感想としてはやはりPowerBeats Proが、現在市場で入手可能なものの中で最高のフィット感を実現している。オーバーイヤーのデザインは、長時間使用しても耳への負担がかからない。とはいえ、Amazonのソリューションもかなり洗練されたものだ。

カスタマイズ性の残りの部分は、そしてそれが大部分を占めるわけだが、アプリによって実現される。独自のOSを持っていないだけに、Echo Budsのペアリング操作は、それぞれのOSメーカーの純正品となるAppleやGoogleのイヤフォン並に簡単というわけにはいかない。しかし、アプリをダウンロードすればペアリングもスムーズだ。そして、他のEchoデバイスも併用する人にとって、すべてのEchoデバイスを1カ所で設定できるのは、評価すべきポイントと言えるだろう。

このアプリでは、タッチジェスチャもカスタマイズできる。標準設定では、左右どちらかのイヤホンをダブルタップすると、アクティブ・ノイズリダクション(完全なキャンセリングではない)モードと、パススルーモードが切り替わる。長く押し続けるとAlexaが起動する。この設定では、Alexaが偶発的に起動してしまうことがない。その点は、Galaxy Budsに対して私が感じているの最大の不満だ。ちょっと位置を直そうとして触っても起動してしまう。またこのアプリは、スライダーによって低音、中音、高音を調整できるイコライザーと、パススルーモードの環境音を5段階のレベルで調整できるスライダーも備えている。

密閉状態を確保して、好みの設定に調整すれば、この価格にしては優れた音質が得られる。ソニーは、音質と、アクティブ・ノイズキャンセリング性能の両方に注力しているが、価格はこのAmazon製品の2倍近くにもなる。近いうちに、Appleの製品との比較も可能となるだろうが、やはり、価格設定が重要な要素となる。私は、アイディアとしてはパススルーモードが気に入っているが、実機の実装はいまひとつだ。ユーザーが周囲に気を配れるようになる、というコンセプトは素晴らしい。ただ、この周囲の音を聴く機能では、マイクから拾った音がじゃかん大きすぎるように感じられる。レベル調整は、4段階のうちの1以外の設定はお勧めできない。エアコンのノイズのような音は、嫌になるほど増幅される傾向がある。

一方Alexaそのものは、今のところホームアシスタントとしての性格が強い。もっと利用を推進するためには、Amazonはさらに改良を重ねていく必要があるだろう。このEcho Budsの初期の実装には、最初の製品にありがちなバグが散見される。ニュースを要求しても、AlexaはうまくNPRに接続できない。その代わりに天気予報を知らせてくれた。ノイズリダクション機能をオンにするよう、アシスタントに依頼しようとしても、何回かはうまくいかなかった。ただし、最終的にはニュースもノイズリダクションも得ることができた。全体としては、このマイクは、コマンドの認識に関して良い仕事をする。

イヤホン本体のデザインは、かなり一般的なのものだが、それはまったく問題ない。充電ケースも、そこそこコンパクトで、AirPodsのデンタルフロス用のような小さなケースと、かさばるPowerBeats Proのケースの中間くらいといったところ。ポケットに入れて持ち運ぶのにも十分小さい。Beats製品の場合、他の点は素晴らしいのに、そこだけが大きな問題となる。材料は、やはりちょっと安っぽい。また、2019年にもなって充電ポートがmicroUSBなのは、Amazonがコストダウンを最重要視して懸命に取り組んでいることを伺わせる。

この130ドル(約1万4000円)という価格は、標準充電ケース付きのAirPods 2より30ドル安くなっている。Amazonが低価格化に全力を尽くしたとすれば、もしかすると99ドルという価格も可能だったかもしれない。もしそうなっていれば、とてつもない訴求力を発揮しただろうが、130ドルでも、他社の高級イヤホンよりかなり安い。それでも、まだノーブランドの製品よりはだいぶ高価だが、安心できるメーカーと、アシスタント機能が使えることは、Amazonで買い物をする人を納得させるはずだ。そして、市場の多くの製品が、150ドルから250ドルの間に落ち着いていることを考えれば、これはかなりお買い得と言える。

Amazonでは、この製品を大量に販売するつもりに違いない。そしてAmazonだけに、ホリデーシーズンには、それなりのディスカウントが待っているものと期待できる。それ以前に、Appleが最近になって249ドル(日本では2万7800円)のAirPod Proを発売したことで、この130ドルという価格が、さらにずっと魅力的なものに見えてきた。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)