歯科医療者向けSNSの「1D」が3500万円の資金調達、歯科材料通販大手と提携し会員獲得基盤を強化

歯科医療者向けのSNS「1D」提供のワンディーは6月17日、歯科医院向け通販を手がけるフィードと資本業務提携を締結し、同社を引受先とする3500万円の第三者割当増資を実施したと明かした。

昨年TechCrunch Japanが主催したイベント「TechCrunch Tokyo 2018」内のピッチコンテスト「スタートアップバトル」のファイナリストであるワンディーにとって、今回が初の資金調達となる。

2017年1月設立のワンディーは2018年7月に1Dをリリース。1Dは歯科医療者が臨床知見や顧客から受けた相談内容をシェアするプラットフォーム。歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士など歯科医療者が集まるSNSとなっており、これまでに8000名以上の歯科医療者が会員登録し、1000件以上の症例がシェアされた。当初はウェブ版のみだったが、現在はiPhone版ならびにAndroid版もリリースされている。

ワンディーいわく、「日本の歯科医院は『ひとり開業医』が多く、臨床知見の共有に課題が生じていた」。そのため、「オンラインで症例をシェアする場を作ることで、歯科医療者みんなで作るナレッジベースの構築に取り組んでいる」。

ワンディーは他にも「世界の歯科スタートアップ最前線」と題された記事などを発信する歯科医療ニュースメディアの「1Dニュース」、歯科国試に向けた勉強用アプリ「1D歯科医師国家試験」、歯科衛生士国家試験の対策アプリ「1D衛生士国試」なども展開している。

「全国の歯科医院の90%以上を顧客に持つ」というフィードとの資本業務提携により、ワンディーは会員獲得基盤をより強化し、歯科医院向けの新規事業を創出していく。「歯科医療の業界特化スタートアップとして株式上場を目指す」そうだ。

ワンディー代表取締役の松岡周吾氏いわく、同社は調達した資金をもとに、開発体制を強化し、コンテンツの拡充を目指す。1月には1Dにイベント機能が実装されたと発表されたが、今後は辞書機能の「ライブラリー」などを追加する予定。また、フィードの扱う商品を「レビュー」できるようにしていく。

TechCrunch Tokyo 2018スタートアップバトル、グループC出場企業を発表

11月15日、16日に開催するスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo  2018」。なかでも注目の、創業3年未満のスタートアップによるピッチイベント「スタートアップバトル」の出場企業を紹介しよう。グループAグループBの出場企業はすでに発表しているので、過去記事を確認してほしい。

グループCの出場企業は、HiCustomer、JobRainbow、ワンディー、タイミー、Smart Tradeの5社だ。

HiCustomer

HiCustomerは、顧客の離脱兆候やアップセル(顧客単価の向上)の可能性検知を行い、受注後の売上最大化を目的としたカスタマーサクセス管理プラットフォームを提供している。2018年4月よりクローズドβ版を提供開始。これまでに上場企業含む数十社の導入実績を持つ。2018年7月には500 Startups Japanなどから6000万円を調達している

JobRainbow

LGBT求人情報サイトや企業や行政機関向けのLGBT研修・コンサルティングを行うのがJobRainbowだ。求人サイトは現在、月間約11万人が利用しているという。代表取締役の星賢人氏は、東京大学大学院に在学中に起業した学生起業家。Forbesが発表したForbes 30 under 30 in Asiaには日本人で唯一、社会起業家部門で選出されている。2018年7月にはジェネシア・ベンチャーズなどから5000万円を調達した

ワンディー

ワンディーは、歯科医療者が臨床知見や顧客から受けた相談内容をシェアするプラットフォーム「1D 」を運営するスタートアップだ。2018年7月ローンチ。これまでに、2000人を超える歯科医療者がサービスに登録、プラットフォーム上に掲載された症例は500件以上だという。

タイミー

タイミーは、“今すぐ働けて今すぐお金がもらえる”単発バイトアプリ「タイミー」を提供するスタートアップ。ちょっとした隙間時間と、店側の人手の足りない時間をマッチングする。ユーザーは応募も面接もなく働くことができるのが特徴だ。2018年8月のリリース以降、これまでに100社以上に導入されているという。また、同月には5600万円の資金調達も発表している。

Smart Trade

Smart Tradeは、株式のシステムトレードに利用するアルゴリズムのマーケットプレイスなどを提供するスタートアップ。ユーザーは、第三者の開発者が構築したアルゴリズムを購入して自身のトレードに利用できるほか、それらのアルゴリズムを利用した資産運用をSmart Tradeに委託することもできる。

チケットは以下のリンクから購入できる。現在、一般チケット(4万円)、5人以上の一括申し込みが条件の「団体チケット」(2万円)、創業3年未満(2015年10月以降に創業)のスタートアップ企業に向けた「スタートアップチケット」(1万8000円)、学生向けの「学割チケット」(1万8000円)を販売中だ。

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