Facebookが子供たちの安全に焦点を当てた「保護者向けポータル」をローンチ

世界で18億人が利用しているソーシャルネットワーキングアプリFacebookは、18歳未満(かつ理論的には13歳以上)の未成年者がどのくらいの割合を占めているかの数値を公表していない。しかし、Facebookからの発表を思えば、いまやそれが相当な数に上っていることは間違いない:このたびFacebookは新しい「保護者ポータル」を立ち上げた。その目的は大人たちがFacebookのソーシャルメディアの風景の中で子供たちをナビゲートすることを助けることである。

はっきりさせておきたいが、これは親たちに若者言葉を教えたり、子供たちが世界やFacebookに何を望んでいるのかに関する洞察を与えたりするようなガイドラインではない。ましてや子供たちのアカウントを監視したり削除したりする方法を指南するものでもない(Facebookがかつて述べたように、プライバシー関連法はそれを禁じている)。

そうではなく、これは初めてのFacebookユーザー、特にサインアップしてFacebookを使い始めたいと思っている若いユーザーを支援するための安全ガイドラインとリソースだ。

「Facebookでの安全」セクション(それ自身10月に更新されている )の中のいじめ防止のためのガイドラインの直下に「保護者ポータル」は置かれている。

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ここにはFacebookにはじめて登録する方法、連絡先をインポートする方法、タイムラインに投稿する方法などの基本的な情報が含まれている。また、安全なパスワードを作成する方法、コンテンツをブロックする方法、およびコンテンツを報告する方法など、いくつかの基本的な安全上のヒントも提供する。13歳未満のユーザーのアカウントを報告するためのリンクも用意されている。

さらに、親たちがFacebookを育児の世界で扱うためのヒントとなる、べしべからず(dos and don’ts)をまとめ、一般的なオンラインの安全性について触れた保護者向けのポイントセクションもある。また提供されるリンクの中には、子供のオンラインアクセスに関するポリシーの策定と実施に焦点を当てているインターネットセキュリティ団体へのものも含まれている。

保護者向けポータルは50の言語で展開されている、そしてFacebookはこの取り組みの一環として、世界中の支援団体に参加して貰おうとしているように見える。

保護者向けポータルをオープンする動きは、同社にとっては興味深い時期と重なっている。

Facebookは利用している若者の数について公表していないが、最近の調査では、Facebookは10代の若者の中で最も人気のあるアプリではないことがわかった。

しかし、それは明らかにFacebookが(すべての広告ベースのオンラインメディア同様に)より多くのユーザーと利用を求めて取り込みたい年齢層である。

Lifestageアプリ(Facebookが作った10代専用アプリ)のような、Facebookが若いユーザーにすり寄ろうとする他の試みは、失敗に終わっている。今年初めにローンチしたそのiOSパージョンは、App Annieによれば全米で945位にランキングされていて、一方Androidバージョンは、ランキングにかすりもしないままだ。一方、SensorTowerによれば、アプリ全体のダウンロード数は1万5000回に満たないという。

Facebookの主な目的は、未成年者のためのガイドラインをすべて1か所に集めることである(これまでFacebookは、サポートとヘルプページのさまざまな場所でいくつかのアドバイスを提供していて、参照すべき中心となる場所は提供されていなかった)。しかし、保護者向けポータルは間接的に、より若いユーザーを招く別の手段でもある:親たちに対して、13歳以上の子供をどのようにソーシャルネットワークに触れさせれば良いかを教えることで、それは恐れるべきものではないということを示す。その結果、Facebookはプラットフォームにより多くの若者たちを招き入れる扉を開けることができるのだ。

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(翻訳:Sako)

Spotifyが学習コンテンツで子ども向けカテゴリーを一新

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Spotifyは今朝(米国時間8月15日)、小さな子どものいる家族向けサービスの変更について発表した。今回の変更で子ども向けカテゴリーに語彙や言語学習に焦点をあてた新たなプレイリストが追加され、さらに曲の間に挿入されたボイスオーバーが、一緒に音楽を聞いている親と子どもの交流を促進する。

同社によれば、子どもが生まれてから特に0〜3歳の期間に、(一緒に歌うことを含めて)音楽を聞かせることで、脳や言語機能の発達を促すことができる。Spotifyはこの考えに基いて「子どもと家族」セクションを一新し、特に乳児・幼児にフォーカスすることを決めた。

新しい子ども向けプレイリストは、寝るときやお風呂の時間、車での移動といった日常生活に関する内容を中心に作られている。しかし、Spotify上にあるその他の選びぬかれたプレイリストと異なるのは、親子間の会話の促進を狙って曲間に挿入された、台詞や会話のきっかけとなるようなものの存在だ。

例えば、「次はどんな曲がいいでしょうか?」と尋ねる台詞が再生され、それを聞いている親子に対して、寝る前に聞くようなゆったりして落ち着いた曲を一緒に選ぶよう勧めるのだ。その他にも、親子に間抜けなダンスを作らせたり、子どもがリズムに合わせてジャンプしたり、手を叩いたり、体をくねらせたり、足を踏み鳴らしたりするよう促す台詞が挿入されるかもしれない。また、赤ちゃん言葉の子どもと親の会話を促し、会話の最初のステップをとるよう提案するような台詞もあるかもしれない。

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たくさんの有名人がボイスオーバーを担当しており、Spotifyの発表によれば、FantasiaやSarah Michelle Gellar、Wiz Khalifa、Tyler Perry、Juanes、Diego Torres、Frankie J、Laurie Berkner、Busy Philipps、Ashley Williamsなどが参加している。

また、準備されているプレイリストの内容も多岐に渡り、親が幼少期に聞いていたような「不朽の」名曲もあれば、Spotify上で他のリスナーに人気の最近の曲や、小さな子供だけでなく家庭で人気の曲も登録されている。

なお、ボイスオーバーとプレイリストは英語とスペイン語に対応している。

この新しい機能は、The Clinton FoundationとThe Opportunity Instituteの共同イニシアティブであるToo Small to Failに加え、Bezos Family FoundationのイニシアティブVroomより提供された研究結果に基いて、脳や言語機能の早期発達を促すために作られたとSpotifyは語る。Vroomは脳の発達に関する情報提供やプレイリスト内のアクティビティに関するアドバイスを行い、プレイリストの構築に携わった組織の名前は各プレイリストの情報内に記載されている。

さらに現在Spotifyは、Univision、the GRAMMY Museum、VH1 Save the Music Foundation、Fatherly、The Bump、Carnegie Hall、Gerber、ZERO TO THREEといった団体と協力しながら、継続的に子ども向けテーマ別プレイリストの作成にあたっている。

さらにSpotifyは、子ども向けカテゴリーのリニューアルを、同社にとって2つ目となる「社会貢献」イニシアティブに結びつけようとしている。イニシアティブの中でSpotifyは、Family Independence Initiativeとタッグを組み、プログラムのフィードバックを同社のネットワーク上の家族から集め、歌や音楽に関連したイベントを開催したい人に対して補助金を交付する予定だ。

「子どもと家族」セクションの改訂以外にも、Spotifyはユーザーベースの拡大に向けた取り組みの一環として、最近数多くの微調整や新機能の追加を行っていた。

例えば、今月Spotifyは初となるオリジナルビデオを発表した他、ゲームのサウンドトラックやその他の関連プレイリストを備えた新たなゲームセクションを追加していた。しかし、子ども向けセクションの一新で、Spotifyはより直接的にApple Musicに対抗しようとしている。というのも、SpotifyはAppleの「Frozen Radio」や「Lullabies」のように家族で楽しめるプレイリストを用意するだけではなく、子どもの早期学習に関連したコンテンツを提供しようとしているのだ。

新しい「子どもと家族」セクションにはspotify.com/singからアクセスできる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter