ロボットの力加減を容易にする力触覚IC開発のモーションリブが総額1.8億円を調達

力触覚技術を搭載したICチップ「AbcCore」の開発元であるモーションリブは6月24日、慶應イノベーション・イニシアティブおよびDBJキャピタルを引受先とした第三者割当増資により、総額1.8億円の資金調達を発表した。

同社の力触覚技術は「リアルハプティクス」と呼ばれており、機械の力加減を簡単に操れるようにする、慶應義塾大学が開発した技術。具体的には、DC/ACサーボモータを細かく制御することで、産業用ロボットがなどが得意な正確な位置制御と柔軟な力制御を両立することで、機械やロボットのアームなどに力の加減を持たせることができる。モータ2台を運動同期することも可能だ。AbcCoreは、この力触覚の制御を実現するICチップとなる。

今回の資金調達により同社は、現在50件以上あるさまざまな業種の企業との共同研究開発プロジェクトを推進し、製品への実装を進めていくとのこと。すでに一部の企業では、最終製品へのAbcCore の実装・販売が始まっているそうだ。

インスタリムが3Dプリント義足事業をフィリピンで開始、総額8400万円の調達も

インスタリムは、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)およびディープコアへの第三者割当増資により、総額8400万円の資金調達を実施したことを発表した。今回の資金調達により、フィリピンのマニラ首都圏で設立した現地法人を通じ、3Dプリントによる膝下義足事業を本格開始する。また、3Dプリントによる大腿義足などの新製品の研究開発も進めるという。

3Dプリント義足「Instalimb」

インスタリムは、義肢装具の製作に最適化された3Dプリンタや独自のアルゴリズムによる形状レコメンド機能などを備えた3Dモデリングソフトなどを活用して、義肢装具の低コスト・短期間での量産を可能にするソリューションを開発している、2015年12月設立のスタートアップ。

同社のソリューションにより、従来の約10分の1となるコストダウンや納期短縮を実現できるという。大幅なコストダウンによって、新興国や開発途上国を含む多くのユーザーに義足を提供することが可能となる。なお、アルゴリズムについてはAIを用いた全自動モデリング機能を開発中で、これが完成すればさらななるコストダウンと納期の短縮も目指せるという。

今回のフィリピンでの事業開始は、フィリピン大学総合病病院と共同で3Dプリント膝下義足の実証実験進めてきた成果。被験者50名に対する実生活試用などの各種テストや製造プロセスの検証を完了し、製品化準備を完了させた。