Googleの持ち株会社であるAlphabet傘下のLoonは、今年中に初の商用テストを行う準備中だが、純粋な性能面でも新たな記録を打ち立てた。米国時間7月2日、同社が回収したバルーン飛行システムP-496は、連続飛行時間最長記録を達成した。
P-496は、2018年11月18日にプエルトリコを出発し、成層圏を計223日間飛行した。その間同機は世界を一周し、その半分以上の期間(連続140日間)を南アフリカ共和国の西海岸沖の定位置に滞在し、比較的固定された位置を長時間維持する試験を行った。これは、高速携帯通信ネットワークサービスの行き届いていない地域をカバーするというLoonの最終目標にとって不可欠な能力だ。
223日という数字は、Loonがこれまで持っていた198日間という記録を1カ月近く上回るもので、システムの効率をいっそう高めようという同社のミッションにとって大きなニュースだ。これまで通信環境が貧弱あるいは皆無だった地域にサービスを提供する商業的可能性を証明するうえで、効率は非常に重要だ。
成層圏バルーンの商用化を目指す会社はLoonだけではない。スタートアップのWorld Viewは、さまざまな商用サービスを開発するクライアント向けに高高度バルーンを提供しようとしている。同社の 連続飛行記録はLoonと比べると見劣りするが、これは純粋に同じ土俵での比較ではない。Loonが高高度飛行ネットワーク基盤に特化しているのに対して、World Viewは高高度撮影を中心にその他の応用もターゲットにしており、成層圏ツアーの可能性も視野に入れている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )