米国で1日早く家庭用新型コロナ検査キットの注文を受け付け開始

米国の人々は、予想より1日早く、米国郵政公社(USPS)のウェブサイトから無料の家庭用新型コロナ検査キットを注文できるようになった。先にバイデン政権は、米国時間1月19日から注文をすることができるようになると述べていた。発表の時点では、COVIDtests.govはプレースホルダ・サイトだった、現在はUSPSにユーザーを誘導して、そこで注文をするようになっている。

各家庭では、4種類の迅速抗原検査をそれぞれ1セットずつ申し込むことができる。USPSは2022年1月末からキットの発送を開始し、通常、注文から7日から12日以内に発送する予定だ。

CNNのホワイトハウス特派員Kaitlan Collins(ケイトラン・コリンズ)氏によると、このサイトはベータ版の一部として1日早く公開された。政府関係者は、サイトのトラブルシューティングを行い、1月19日の正式な立ち上げがスムーズに行われることを望んでいる。案の定、この記事を書いている時点では、サイトの読み込みに問題がある人もいるようで、すぐに注文ができないかもしれない。
COVIDtests.govのサイトでは、テストに関するいくつかの詳細な情報を提供している。30分以内に結果が出るはずで、どこでも受けられる。いつテストを受けるか、また、結果に基づいて何をすべきかについてのガイダンスも提供されている。また、検査会場や自宅での検査に対する保険の払い戻しに関する資料も掲載されている。

バイデン政権は、米国人に配布するために、家庭用の迅速な新型コロナ検査キットを10億個購入すると発表した。そのうちの半分は今週中に注文できるようになる見込みである。ホワイトハウスは、その目的は、特に検査の需要が高く、しばしば店頭で見つけるのが難しいことを考えると、誰もが必要なときに検査が利用できるようにすることであると述べた。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のKris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Kris Holt、翻訳:Yuta Kaminishi)

米政権、1月19日より自宅コロナ検査キットをオンライン注文で無料配布

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミックを宣言してから1年10カ月と8日後、米国人は政府から無料で簡易検査キットを注文できるようになる。米国時間1月19日から、COVIDTests.govにアクセスしてオンラインで注文することができ、検査キットは自宅に郵送されるという。

今のところ、このサイトには英語とスペイン語のランディングページしかない。また、送料も無料だと書かれている。

バイデン政権は、家庭用の簡易検査キットを10億回分購入し、米国居住者に無料で配布するとしている。この目的は、すべての人が必要なときに検査を受けられるようにすることだ。ホワイトハウスによると、1月19日には5億回分のテストが提供可能になるとのこと。当初は、1つの住所につき4回分の検査キットを注文することが可能となる。

ウェブサイトにアクセスできない人でも注文できるよう、電話回線を設置しているとも。政府は、国や地域の組織と協力して、リスクの高い、大きな打撃を受けたコミュニティの人々が検査キットを確保できるように努力していると述べた。

注意すべき点は、検査キットは通常、注文から7〜12日以内に発送されるということだ。そのため、新型コロナの症状が出ている人や、陽性者と濃厚接触した場合、すぐに使える家庭用検査キットが手元にないため探している人にとってはあまり意味がない。

しかし、簡易検査キットの需要の高さを考えると、これらの無料キットをストックしておく価値はあるだろう。売り切れている新型ゲーム機を人々が見つけるのを支援することで知られるTwitterアカウントでも、最近は新型コロナ検査キットの在庫アラートを行っているぐらいだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Kris Holt(クリス・ホルト)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

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(文:Kris Holt、翻訳:Aya Nakazato)

人気の家庭用新型コロナテストに検査結果を改竄できるバグ

あるセキュリティ研究者が、人気の家庭用新型コロナウイルステストに、結果を自由に変更できるBluetoothの脆弱性を発見した。

F-Secure(エフセキュア)の研究者Ken Gannon(ケン・ギャノン)氏は、個人がウイルスに感染しているかどうかを確認するために使用できる自己投与型の抗原検査であるEllume (エルム)のCOVID-19 Home Testに、すでに修正された欠陥を発見した。この検査は、検査施設にサンプルを提出するのではなく、Bluetoothアナライザーを使ってサンプルを検査し、その結果をEllumeのモバイルアプリを通じてユーザーと保健当局に報告するというものだ。

しかし、ギャノン氏は、内蔵のBluetoothアナライザーを騙すことで、Ellumeアプリがデータを処理する前に、ユーザーが証明可能な結果を偽造できることを発見した。

ギャノン氏はこのハッキングを実行するために、ルート化したAndroid端末を使い、テストがアプリに送信するデータを分析した。そして、ユーザーが新型コロナの陽性か陰性かをモバイルアプリに伝える役割を担っている可能性が高い2種類のBluetoothトラフィックを特定し、陰性の結果を陽性にうまく変えることができるスクリプトを2つ作成した。

Ellumeの家庭用新型コロナウイルステストの偽造された結果(画像クレジット:F-Secure)

ギャノン氏によると、Ellumeから結果のメールが届いたとき、そこには誤って陽性と表示されていたそうだ。また、F-Secureは概念実証を完了するために、出張や出勤のための在宅新型コロナテストの認証のためにEllumeが提携している遠隔医療プロバイダーのAzova(アゾヴァ)から、偽造された新型コロナ検査結果の認証コピーを入手することに成功した。

ギャノン氏の書き込みには、陰性結果を陽性結果に変えることしか書かれていないが、彼は、このプロセスは「どちらにも有効」だと言っている。また、パッチが適用される前には「適切な動機と技術的スキルを持つ誰かが、これらの欠陥を利用して、自分自身や一緒に働いている人が、検査を受けるたびに陰性になるようにすることができただろう」とも述べている。理論的には、米国への再入国要件を満たすために、偽の証明書を提出することも可能だった。

F-Secureの調査結果を受けて、Ellumeは、偽造された結果の送信を検出・防止するためにシステムを更新したと述べている。

「また、保健所、雇用者、学校、イベント主催者などの当局がEllume COVID-19 Home Testの真正性を確認できるよう、検証ポータルを提供します」と、Ellumeの情報システム責任者のAlan Fox(アラン・フォックス)氏は述べている。「Ellumeは私たちのECHT検査結果の信頼性に自信を持っています。また、この問題を提起し、世界中の消費者、企業、組織を守るために日々活動しているF-Secureに感謝したいと思います」。

画像クレジット:Ellume

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(文:Carly Page、翻訳:Yuta Kaminishi)

在宅ヘルスケア大手Roが家庭用精子保存サービスDadi買収に向けて交渉中

ヘルスケアのD2CであるRoは今やユニコーンで、投資家たちの評価額は50億ドル(約5710億円)に達する。同社に近い筋によると、現在Roは家庭で精子を保存できるサービスのスタートアップDadiを買収するという。これはRoにとって、Workpath、KitそしてModern Fertilityに続き、過去12カ月で4度目の買収になる。

買収は完了に近いが、それでもまだ不安材料はある。額面は明かされていないが某筋によると1億ドル(約114億円)に近いという。RoとDadiにコメントを求めたが、返事はない。

Dadiは2019年に創業し、温度管理された家庭用不妊検査と精子採取キットを発売した。共同創業者でCEOのTom Smith(トム・スミス)氏によると同社は「不妊は女性の問題ではない、男性と女性双方の問題である」というミッションを掲げている。Crunchbaseによると、同社はこれまでfirstminute Capital、Third Kind Venture Capital、そしてChernin Groupなど著名なベンチャーキャピタルから1000万ドル(約11億円)を調達している。

Dadiと並ぶ競合他社のLegacyも、精子の検査と冷凍保存で同様にベンチャー資本を調達している。Legacyは2018年のTechCrunchTechCrunch主催Disrupt Berlin 2018のStartup Battlefieldで優勝し、これまでにFirstMark、Y Combinator、Justin Bieberなどから約2000万ドル(約23億円)を調達している。

この買収は、Roの社内で緊張が高まっている時期にやってきた。同社では今、以前の社員と現社員が問題を提起し、成長目標にこだわりすぎると不平を述べている。従業員の一部は会社を辞めたが、我慢が限界に達したのは、成長のための買収が立て続けに行われるようになったときだという。同社に長く在籍する者たちは、企業文化と仕事の改善が先決だと主張した。

最近辞めた社員がTechCrunchのインタビューに応じ、同社の買収の頻度について「得体のしれない買収ばかりだった。買収した企業との統合は何もなかった。会社は一体、何をしてたのだろう?買収のせいでフォーカスは変わってばかりいた。上司たちは『成長企業ってこういうものだよ』という」と語る。

しかしRoの最近の2つの買収は、戦略としてDadiと合いそうだ。Roが6月に買収したKitは在宅診断を提供する企業で、指を刺して採血する血液検査キットや体重測定ツールなど、カスタマイズできるプロダクトがいろいろある。同社はDadi同様、消費者が気楽な自宅で楽に、予防や早期発見のための検査を行なう。

Roの共同創業者でCEOのZachariah Reitano(ザカリア・レイタノ)氏は、Kitの買収について「ヘルスケアには細分化現象があり、ケアのプロバイダーは分断化したデータの全体を把握できません。そのため、私たちのようなところの仕事が増えますが、Kitはそんなインフラの中では重要で不可欠なピースです。同じ屋根の下の患者たちに、さらに多くのケアを提供できる」。

2億2500万ドル(約257億円)でModern Fertilityを買収したことが示すように、このところRoは不妊治療にも力を入れているようだが、Dadiはその方面でも貢献するだろう。Carly Leahy(カーリー・リーヒー)氏とAfton Vechery(アフトン・ヴェチェリー)氏が率いるModern Fertilityは、女性用の在宅不妊検査を提供し、妊娠と出産に関わる健康の問題に、個人化されたサポートを多数提供している。

そしてもちろんRoは、勃起不全(erectile dysfunction、ED)をターゲットとする男性の健康問題でも事業を拡大しようとしている。今やこのヘルステックユニコーンの売上の半分が、ED関連だ。

画像クレジット:Dadi

原文

(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hiroshi Iwatani)