Lyftのドックレス電動自転車シェアリングが紆余曲折を経てサンフランシスコにやってきた

テック企業が自治体を告訴するとき、テック企業の流行り廃りが早いことを考慮しても、解決をみるのは稀だ。たとえ一時的なものでもだ。Lyftは6月初めに、サンフランシスコ市がLyftに与えるはずだった自転車シェアリングプログラム展開の独占的な権利の10年契約を反故にしたとして市を訴えた。

そして今、サンフランシスコ市はLyftにドックレスの電動自転車を展開する暫定的な許可を与え、他のオペレーターへの許可は控えている。Lyftは公式には7月19日に展開を開始した。

「新しい電動自転車をサンフランシスコの利用者と共有できることに興奮している」とLyftのマイクロモビリティポリシーの責任者であるCaroline Samponaro(キャロライン・サムポナーロ)氏は声明文で語った。「我々は今日から自転車の提供を開始する。SFMTAの許可を辛抱強く待っていたライダーに感謝したい」。

訴訟では、Lyftは仮の差し止めや、市がドックレス自転車シェアリングレンタルの操業許可を発行するのを阻止する保全処分を模索した。裁判所がLyftの保全処分の求めを却下した一方で、一時的にサンフランシスコ市交通局がドックレスの許可をLyft以外の事業者に発行するのを差し止めることを認めた。ただし、Lyftに最初に申し込みをするチャンスを与えてはいない。

サンフランシスコ市交通局によると、「Right of First Offer(第三者に優先して申し込みができる権利)」と呼ばれる全体的なプロセスは数カ月を要する。だからこそLyftに、かつてFord GoBikeとして知られていたステーションベースのサービスを通じて提供されていた従来の自転車に加えてドックレスでハイブリッドの電動バイク最大1900台を展開する暫定的な許可を出すことに決めた。

「これらの新しい自転車は、Lyftが4月に電動バイクを除去してからBay Wheelsが直面している利用可能な自転車がないという深刻な問題を解決することにつながる」とサンフランシスコ市交通局はブログ投稿に書いている。「必然的に暫定許可は将来の拡大の可能性に向けてLyftと交渉する中で従来のシステムを機能的にすることになる」。

訴訟は、サンフランシスコ市がステーションなしの自転車を展開する許可を模索する事業者の申し込みをさらに受けるかもしれない、と発表したことに端を発している。しかしながらサンフランシスコ市は、契約はドックレスの自転車シェアに適用されるのではなく、ステーション型の自転車シェアのみに適用されると言っている。結局、裁判官は「合意はドック型・ステーション型とステーションなし・ドックレス自転車の相違点を明らかにしていない。それゆえに原告であるLyftは契約期間中は、ステーション型だろうがステーションレスだろうが『従来の』自転車を無条件に展開できる」としてLyftの側に立った。

裁判はまだ続行中である一方で、サンフランシスコ市交通局はより確かなサービスを確保しようと、最大500台のステーションレス自転車を展開するJUMPの許可を延長した。

TechCrunchはUber/JUMPにコメントを求めていて、反応があり次第アップデートする。

イメージクレジット: TC/MRD

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(翻訳:Mizoguchi)

パリ市がキックスクーターや自転車のシェアリング企業に課税の方針

パリ市によると、市内には電動スクーターや自転車、オートバイのようなキックスクーターなど、あらゆる形態のシェアリング用の乗り捨てタイプの乗り物が1万5000台あるのだという。そしてパリ市は今日、乗り捨てシェアリングサービスを展開している企業に、展開規模に応じて課税する方針を発表した。

計画通り進んだ場合、自転車シェアリングサービスを運営している企業は自転車1台あたり年間20ユーロを支払わなければならなくなる。キックスクーターの場合だと、1台につき年間50ユーロ(約6300円)、オートバイのスクーターは年間60ユーロ(約7560円)だ。

Le Parisienによると、段階システムになっていて、一定のラインを超えるたびに、さらに払わなければならない。どういうことかというと、例えば500台目から999台目は支払額が10%増え、1000台目から2999台目までは20%増し、3000台目以降は30%増しとなる。

パリ市は小さな街だ。面積でいえばサンフランシスコよりも小さい。駐車したり、運転したりするのはかなり困難だ。だからこそ、パリに住む多くの人が車を所有しない。地下鉄や他の交通手段を利用する方がずっと速く移動できて安上がりだ。

それゆえに、自転車やキックスクーター、オートバイがもてはやされている。路上を走る車が少ないのは素晴らしいが、ここへきて予期しなかった問題が出てきた。

パリ市の自転車シェアリングシステムがネットワークのアップグレード期間中ほぼ使えなかったとき、自転車シェアリングサービスは大繁盛した。 GoBee BikeoBikeOfoMobikeなどこれらすべてがパリでサービスを開始した。しかし、結局すべて失敗に終わった。GoBee Bikeサービスを停止しOfoの自転車は数台まだあるがチームはいないMobikeは国際展開を縮小している。

これは乗り捨てのサービスにとって芳しくないスータートで、その結果、壊れた自転車が多くパリの路上でゴミとなっている。一方、ドック型の自転車シェアリングシステムVélibが現在展開されているが、ステーションは1200カ所以上あり、毎日数万もの利用があるなどうまくいっている。Vélibの自転車は街の至る所で見かける。

キックスクーターに関しては、現在パリでは9社がサービスを展開している。そう9社もだ。いずれもおかしな響きの名前ばかりだ。Lime、Bird、Bolt、Wind、Tier、Voi、Flash、Hive、Dott。

これらのサービスはかなり人気がある。というのも、パリには多くの自転車走行レーンがあるからだ。多くの人がいまだにヘルメットを着用せず、怪我も多い(しかしこれは別の問題だろう)。

他の都市と同様、キックスクーターが歩道を走行することについては、多くの人が苦情を言っている。もしあなたが車椅子やベビーカーの利用者だったり、視覚障害を抱えていたりすれば、このところ歩道を歩くのに困難に感じているかもしれない。

パリ市はそうしたシェアリングサービスを展開している企業に責任を持ってほしいと考えている。企業は実際に稼働しているキックスクーターの数を最大化するためにスクーターを管理する必要があり、壊れたスクーターは回収しなければならない。今後、この分野で事業の統合や破産が出てくるのはほぼ間違いないだろう。

オートバイに関しては、CityscootCoupがサービスを展開している。もちろん課税対象外となる理由はない。それらのオートバイが時々、自転車用の駐輪スペースを占領している。例えば以下の通りだ。

パリ市の対策がシェアリングの自転車やスクーターの散らかりを防ぐのに有効かどうかは、今後明らかになる。乗り捨てサービスは環境に大きく影響を及ぼしている。キックスクーターは数週間しかもたず、すぐに新しいものに代える必要がある。次々とキックスクーターを投入する、というのは解決策にならない。

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(翻訳:Mizoguchi)