イーロン・マスク氏がClubhouseに登場、ファンがYouTubeへライブストリーム、途中からRobinhood CEOへのインタビューに

米国時間2月1日の深夜、今、シリコンバレーで最もホットな音声SNS「Clubhouse」にElon Musk(イーロン・マスク)氏が現れた。その様子は現在(日本時間2月1日20時)でも、ここここで聞くことができる。

Clubhouseでのやりとりを要約すると、マスク氏はClubhouseを利用し、宇宙旅行や火星のコロニー、Bitcoinなどした暗号通貨など「彼のベース」となるものについて話をした。いくつかのテーマにおいてマスク氏は、彼の「オリタナティブ」な見解に関するいくつかの神話を覆すことができた。時折、いつもはミームで煽るTwitterのフィードよりもはるかにニュアンスのある発言をしたが、これはマスク氏がまじめだったからではなく、単にフォロワーと楽しんでいただけなのかもしれない。彼はほぼ「私は救世主ではない、ただのいたずらっ子だ」と言っているようだった。

これまで行われてきた火星での生活の可能性に関する説明とは対照的に、マスク氏はそれに対するバラ色のビジョンは描いていなかった。人類が火星で生存し続けることに価値はあるが、そこでの生活は厳しいと語った。

また、マスク氏はAIから新型コロナウイルスワクチンに至るまで、多くのテーマについて話した。

最後の4分の1になり、RobinhoodのCEOであるVlad Tenev(ウラジミール・テネフ)氏がステージに上がった時に、話は大きく転換した(明らかにマスク氏によるものだが、裏で調整が行われた気配があった)。

マスク氏は突然、インタビューアーになり、テネフ氏に人気株取引掲示板のWallStreetBetsの騒動で、最後に何が起こったのかを明らかにさせた。

その後、Clubhouseのroomは、Robinhoodに大口投資家であるa16zによる大規模なPR行為と呼ばれるものに変わった。5000人の参加者、何百人ものジャーナリスト、そしてYouTubeのライブストリームの視聴者は期待の熱いイベントに集まった。テクロノジーに関する公の議論の中でジャーナリストたちのの間に割って入ろうとするa16zの新しいメディア「定刻」が広がり始めている姿を私たちは目の当たりにすることができた。

【TechCrunch Japan編集部】
Clubhouseにおけるイーロン・マスク氏の発言やRobinhoodのCEOであるウラジミール・テネフ氏へのそれぞれ質問は、US記事で読むことができる。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ClubhouseSNSイーロン・マスクRobinhooda16z

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(文:Mike Butcher、翻訳:Katsuyuki Yasui)

口コミで大流行の顔交換ビデオアプリRefaceにa16zなどの有名投資会社が約6億円を出資

Reface(リフェイス)は、ボタンをタップするだけで、自分のセルフィーを不気味なほどリアルな有名人のビデオクリップに変えて有名人気分を味わえるエキサイティングな顔入れ替えビデオアプリだ。そのRefaceがシリコンバレーのベンチャー投資会社Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)の目に留まり、a16zは米国時間12月9日、このテック系エンタテイメントスタートアップのために550万ドル(約5億7200万円)を調達するシードラウンドをリードすると発表した。

リフェイスによると、今年1月の創設以来、RefaceアプリはiOS版Android版合わせて7000万ダウンロードを記録しているという。ちなみに、今年8月に同社の共同創業者7人のうちの1人にインタビューしたときは2000万ダウンロードだった。また、米国を含む約100か国中でトップ5に入るアプリとして評価され、Google Playの年間最優秀アプリ賞も獲得している。2020年は同社にとって忘れられない年になった。

このように口コミで急拡散するビデオクリップは、多方面で注目を集めている。リフェイスはシードラウンドのリードとしてa16zの支援を得ているだけでなく、ゲーム、ミュージック、映画・コンテンツ制作、テック業界の著名なエンジェル投資家の多くからも資金を引き出している。

ゲーム業界からは、Supercell(スーパーセル)のCEO Ilkka Paananen(イルッカ・パーナネン)氏、Unity Technologies(ユニティ・テクノロジー)の創業者David Helgason(デイビッド・ヘルガソン)氏がラウンドに参加している。ミュージック業界からは、Scooter Braun(スクーター・ブラウン)氏(TQ Ventures(TQベンチャーズ)のマネージングパートナーで、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)やAriana Grande(アリアナ・グランデ)などの一流ポップスターのマネージメントでも知られる)とAdam Leber(アダム・リーバー)氏(Britney Spears(ブリトニー・スピアーズ)とMiley Cyrus(マイリー・サイラス)のマネージャーでUber (ウーバー)にも投資している)が参加している。

映画・コンテンツ制作業界から参加したエンジェル投資家として、Matt Stone(マット・ストーン)氏、Trey Parker(トレイ・パーカー)氏、Peter Serafinowicz(ピーター・セラフィノヴィッツ)氏(以上3名はDeep Voodoo(ディープ・ブードゥー)経由)、K5 Global(クライアントにBruce Willis(ブルース・ウィルス)、Jesse Eisenberg(ジェシー・アイゼンバーグ)、Eric Stonestreet(エリック・ストーンストリート)がいる)の創業者であるBryan Baum(ブライアン・バウム)氏とMichael Kives(マイケル・カイブス)氏、およびモデル、女優で慈善家でもあるNatalia Vodianova(ナタリア・ヴォディアノヴァ)氏がいる。

また、テック業界からは、Josh Elman(ジョッシュ・エルマン)氏(Greylock (グレーロック)の前投資パートナーで、Medium、Operator、Musical.ly、Jellyの取締役)とSriram Krishnan(シュリラーム・クリシュナン)氏(投資家でマイクロソフト、フェイスブック、スナップ、ツイッターの前製品開発リーダー)といったのエンジェル投資家が参加している。

これはまさに、ノーコードやバイラルソーシャルビデオなどのホットなトレンドが広まるときに業界を超えて発生する、あの熱狂的な反応だ(少なくとも、ノーコードの定義をRefaceのプッシュボタンにまで拡大するなら、Refaceはプロ仕様コンテンツ制作用AIツールと言えるだろう。ノーコードという用語は通常、アプリ構築を単純化するB2Bツールを指すが、どちらにも共通しているのはプログラマ以外の人間でも簡単に使える高い利便性である)。

アーリーステージの支援者に上記のようなそうそうたる面々を揃えたリフェイスのウクライナ人創業者たちは、ディープテックが、諦めずに追究する価値のある分野であることを証明している。今年の夏に書いた記事で取り上げたように、リフェイスの創業者のうち3人は、ほぼ10年前に共同作業を始め、大学卒業後すぐに機械学習の才能に磨きをかけていった。彼らの不屈の精神は今、確実に実を結びつつある。

アンドリーセン・ホロウィッツのConnie Chan(コニー・チャン)氏は今回の出資を発表する声明の中で次のように述べている。「リフェイスは非常に洗練された機械学習テクノロジーを、気構えることなく使え、友人とシェアして楽しめるコンシューマーエクスペリエンスという形に作り変えた」。

「彼らのコア・テクノロジーは、コンシューマー、エンタテイメント、マーケティングなど、広範なエクスペリエンスに応用できる潜在力を備えており、Refaceアプリはその発端にすぎない。リフェイスのチームは、そうした未来を形成できる創造性と専門知識を兼ね備えている」と同氏は付け加えた。

「リフェイスは、映画、スポーツ、ミュージックビデオ、その他人々が熱狂するさまざまな分野のゲーミフィケーション(参加者の意欲をかき立てるためにゲームの手法を応用すること)を実現する次世代のパーソナライゼーションプラットフォームとなる潜在性を備えていると確信している。リフェイスが成長し、人々がお気に入りのコンテンツを通して、アーティストとつながったり、お互いにアクティブな個人的つながりを形成したりできるコミュニティへと発展することを期待している」。

リフェイスの共同創業者Denys Dmytrenko(デニス・ドミトレンコ)氏、Oles Petriv(オレス・ペトリブ)氏、Ivan Altsybieiev(イワン・アルツィービーイエブ)氏、Roman Mogylnyi(ローマン・モジリニ)氏、Yaroslav Boiko(ヤロスラブ・ボイコ)氏、Dima Shvets(ディマ・シュベッツ)氏、Kyrylo Syhyda(キリオ・シャイダ)氏(画像クレジット:Reface)

リフェイスは、今回のシードファンドで成長の波に乗れると考えている。Reface自体の偽物を検出できるツールを開発する取り組みも進んでいる。このツールの目的はRefaceアプリのテクノロジーが乱用されるリスクを軽減することだ。

今年始め、リフェイスはこの検出ツールは秋までには完成すると言っていたので、予定より少し時間がかかっているのは明らかだ。しかし、有名人ビデオの顔入れ替えで成長を実現したことで、優先順位が少し変わったことも理解できる。

秋に予定されていた、顔交換を使ったUGC(ユーザー生成コンテンツ)ビデオサイトの立ち上げもまだ完全には実現していない。

制作価値の高い有名人ビデオクリップを作成および共有することで現在発展しているコミュニティには、自分の顔と弟や祖父母の体と組み合わせることが自由にできるといったものとはまったく違った種類の「不気味なリアリティ」があるように思える(顔交換前の写真の品質管理を行わなければ広範なリスクが発生することは言うまでもない)。したがって、時間をかけてしっかりとした管理体制を築くことはビジネス的に大きな意味がある。また、コンテンツパートナーを満足させて、新しい有名人コンテンツでこのブームに拍車をかけることに注力することも重要だ。

リフェイスによると、UGCビデオサイトの立ち上げが遅れてはいるが、ユーザーは現時点でもGIFをダウンロードできるので、「部分的には立ち上がっていると言える」という。「今はまだ、コンテンツの乱用を防止するために、検出システム、モデレーション、ユーザーとのやり取りについてテストと改良を行っているベータ段階だ。ビデオについては、当社に直接コンテンツを提供してくれるたくさんのクリエイターたちがいる。このようにして、UGCの仕組みをすべてテストできる。第1四半期の終わりまでにはUGCオプションを公開する予定だ」と同社は述べている。

開発中の検出ツールについては、UGCと並行してリリースする予定だという。

「現在、検出のクオリティを最大限にするためモデルをトレーニングしている」最中で、2021年の4月には完成させたいとしている。

リフェイスにとっての最大の野心は、「パーソナライズされたコンテンツの最大プラットフォーム」を構築し、コンテンツ所有者および有名人とパートナー関係を築いて、人が思わず振り向くような「創造的なデジタルマーケティングソリューション」を提供して収益を上げることだ。

このパンデミックで面白いソーシャルコンテンツを使ってくれるユーザーがほぼ自宅監禁状態になっていることは、このミッションの実現を大いに後押ししている。同時に、Snapのようなソーシャルメディアのライバル企業も業績を伸ばしている。

今年は自宅でスマホをいじりながら退屈している子どもがたくさんいるため、ソーシャルメディア業界全体で成長の機会が生まれている(a16zは、リフェイスの他にも、オーディオベースのソーシャルネットワークClubhouse(クラブハウス)、子ども向けのソーシャルゲーミングプラットフォームRoblox (ロブロックス)など、多数のソーシャルメディア企業に出資している)。

2020年8月、リフェイスは口コミで急成長を遂げ、米国のAppStoreで1位に輝いた。一時的にではあるが、TikTokとInstagramを凌ぐ勢いだ。Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)Britney Spears(ブリトニー・スピアーズ)Joe Rogan(ジョー・ローガン)、Chris Brown(クリス・ブラウン) Miley Cyrus(マイリー・サイラス)、Dua Lipa(デュア・リパ)などの有名人が今年、自分たちの顔がRefaceで加工されたビデオをソーシャルメディアでシェアしていることも注目に値する。

今年、リフェイスはBieber(ビーバー)、Cyrus(サイラス)、John Legend(ジョン・レジェンド)などのエンタテイメント業界の有名人とパートナー契約を結んで新しいビデオの制作を促すと同時に、Amazon Prime(アマゾン・プライム)とも提携してプレミア作品『ボラット』も宣伝しており、数百万を超えるシェアおよびリフェイスを獲得している。

「アンドリーセン・ホロウィッツから出資を受けたことで、当社は現在の成長を加速させ、チームを新しい人材で強化し、テクノロジーを改良していくことができる。また、当社のAIテクノロジーの責任ある利用を保証するため、偽ビデオ検出ツールの開発も継続していく」と共同創業者のデニス・デミトレンコ氏は付け加えた。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:資金調達 a16z

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(翻訳:Dragonfly)