Appleは1999年以来、折りに触れ新しいWi-Fiルータをリリースし続けてきた。AirPort ExpressとAirPort Extreme(日本の国内では商標の都合上AirPortではなくAirMacという名前で売られている)にはアップデートが必要なのだが、どうやらそれを待っても仕方がないようだ。ブルームバーグからの新しいレポートによれば、同社はワイヤレスルーターに取り組んでいたチームを解散したということだ。エンジニアたちは既に、他のプロジェクトに取り組んでいる。
おそらくAirPortの製品ラインは、それほど多くの収益を挙げていない。そしてAppleはより人気の高いプロダクトに注力していくように見える。同社は似たようなことを他のプロダクトにも行ってきた、外部ディスプレイに関してはサードパーティーメーカーに頼っている。
しかし、Wi-Fiルーターに関しては、Appleが新しいものに挑戦しないことが少々悲しい。特に最初のAirPort Expressは私のお気に入りの1つだ。それはコンセントに直接差し込む小さなデバイスだった。そこには3つのポートがあって、それぞれ、インターネット接続のためのイーサネットポート、ハードドライブやプリンターのためのUSBポート、そしてスピーカーに接続するためのヘッドフォンジャックだった。
そして、iTunesの中の曲を再生し、他の部屋にあるスピーカーに対してストリーミングを行うことができたのだ。そのときのコンピューターはBluetoothを使っていなかった — 2004年のBluetoothは音楽ストリーミングにおいては、とても満足できる代物ではなかったのだ。コンピューターはロスレスオーディオファイルをストリーミングし、そしてAirPort Expressは小さなデジタル/アナログコンバーターを内蔵していた。
当時、Appleはこの技術をAirTunesと呼んでいた。そして、それは現在Apple TV、Mac、そしてiOSのデバイスでポピュラーに使われている、ビデオとオーディオためのストリーミングプロトコルである、AirPlayへの道を開いたのだ。
Appleはまた、Time Capsuleでは、Wi-Fiルーターにハードドライブを搭載した。こうすれば、Time Machineがデータをバックアップしてくれたのだが、このときハードドライブをラップトップに接続する必要はなかったのだ。統合があまりにもシームレスだったので、バックアップのことについて忘れてしまう程だった。もちろんこれは、iCloudやDropboxがまだ始まったばかりの頃の話だ。
いまやEeroやGoogle Wifiを発表したGoogleといった会社たちが、再び無線ルーターを面白くしようとしているが、Appleには2つの可能性があった。新しいAirPortデバイスに投資するのか、それともマーケットから撤退するのか。どうやらAppleは後者を選んだようだ。
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(翻訳:Sako)