Amazon Unlimitedに出版ビッグ5が参加しない理由

Amazon Unlimitedは、本のNetflixと評された。これは、Netflixが、低予算インディーズ作品の山と、いくつかの主要小スタジオの作品からなるという意味である限りは正しい。実は、Amazonの新しい9.99ドル読み放題サービスには、「商業出版社ビッグ5」の本が含まれていない。Amazonが口をつぐんでいる話題だ。

私はAmazoに説明を求めているが未だに回答はない。しかし、Unlimitedのリストにある人気作品を見渡せば、いずれも、小さな出版社 ー 「小さな」は相対的表現 ー あるいは独立系作品であることがわかる。例えば、 Life Of Piの発行元は、Mariner Booksで、ここは教育系出版社、Houghton Mifflin Harcourtの傘下だ。Michael LewisのThe Flash Boysは、W. W. Norton & Companyから出ている。そして目玉作品のHarry Potterは?これを所有するのはPottermore Limited、J K Rowlingのビジネスベンチャーだ。要するに、大物たちは参加していない。

実際、主要出版社の多くは、他のパートナーの開発と投資に必死だ。 例えば、Oyster Booksは、このアンチAmazon感情の恩恵に預かっているし、Zola Booksのように、出版インサイダーらが出資した会社もある。これらのサービスが実を ー 現金を ー 成らせられるかどうかは、別問題だ。

インディーズ作家の一人として私は、Amazonがロングテールのためにしていることは重要だと知っている。自分の本を[試して」みる人たちからお金をもらえるのはすばらしいことだ。しかし、Amazonの行動にまつわる騒動はまだ終わっていない。Hachetteとの戦いは収まる様子がなく、今やビッグ5は、Amazonが味方であるより、はるかそれ以上に敵であることに気づき始めている、全体的に見て、Unlimitedの人気作品に関する見通しは明るくない。しかし、Netflixが実証したように、少数の大ヒット作品を前面に掲げ、そこそこ人気のタイトルを無限リストに加えることは、堅実なビジネスモデルだ。

ついでだが、Unlimitedは電子デバイスでの読書を探求したい子供たちにとって、実に有難いサービスだ。例えば私の息子は、Minecraftの電子書籍をすでに数十冊ダウンロードしており、著者はロボットか小学生らしい。一冊など、全編がインターネットから集めてきたMinecratf用語から成っていた。ちなみに、彼はまだハリーポッターを読もうとしない。無料なのに。

この事実は、ビッグ5をためらわせるにちがいない。もしAmazonが一儲けすることができなければ、富は広く分散されることになり、Oprah Book Club受賞作品の著者たちも実入りは少なくなるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazon、月額$9.99で読み放題サービスを提供するKindle Unlimitedを正式スタート

Amazonが公式にKindle Unlimitedの開始をアナウンスした。電子書籍およびオーディオブックの「食べ放題」サービスだ。

これはまさに「書籍版Netflix」といったサービスで、KindleおよびKindleの動作するデバイスにて60万点にものぼる電子ブックや、あるいはAudibleのオーディオブックを楽しむことができる。

さまざまなベストセラー作品が対象に含まれていて、Diary of a Wimpy Kidシリーズやハンガー・ゲーム三部作、フラッシュ・ボーイズなども読むことができる。

また『灯台へ』や『猫のゆりかご』といった古典作品や、Kindleオンリーで提供されるさまざまな作品群もサービスの対象となっている。

オーディオブック化されているものについては、読んでいる位置を同期しながら文字と音声を切り替えて楽しむことができるのも大きな魅力だ。

何冊でもライブラリに加えることができるようになっていて、Amazonのサイトでは「Read for Free」という新しいボタンが表示される。著者との間でのロイヤリティの割り振りなどについての情報はまだ入っていない。

これはビデオ見放題のサービスであるAmazon Prime Videoとも似たところのあるサービスだ。有名なベストセラー作品も多く対象となってはいるが、対象作品となっているものの多くは、Unlimitedにて新たな読者開拓を狙う、ニッチな作品が多い。ただしメジャー出版社であるいわゆる「ビッグファイブ」も、いくつかベストセラーや有名作品をUnlimitedの対象作品として提供している。出版社との間での利益配分がどうなっているのかにも興味がわくところだ。Unlimitedサービスには多くの人が登録するものと思われ、出版社としてもそれなりの利益配分を求めているはずだ。

ちなみにOysterなどにとっては悪夢のような出来事と言って良いかもしれない。Amazonのような業界リーダーが読み放題サービスに参入することで、小規模な競合サービスなど蹴散らされてしまうことが予想される。そうしたある意味での「問題点」はともかく、たとえばインディーライターとの関わりを考えても、Unlimitedサービスは大いに注目に値するだろう。

訳注:英文オリジナル記事の方には、プレスリリース文書も添付されています。

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(翻訳:Maeda, H