The Sandboxがイーサリアム基盤のデジタル不動産オークションによりユニセフ暗号資産ファンドに寄付

The Sandboxがイーサリアム基盤のデジタル不動産オークションによりユニセフ暗号資産ファンドに寄付

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年12月13日~12月19日の情報から。

中国・香港拠点のゲーム開発会社「Animoca Brands」(アニモカブランド)は12月18日、ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」において、NFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)にあたるデジタル不動産を販売するチャリティーオークションを開催した

収益は、UNICEF(ユニセフ。国連児童基金)暗号資産ファンド(UNICEF CryptoFund)に寄付され、UNICEF Innovation Fundを介し子どもや若者に影響する可能性があるオープンソース技術・デジタル公共財への資金提供に使用される。

チャリティーオークションは、12月18日午後10時(日本時間)より3日間開催。The SandboxのユーティリティトークンSANDのみの入札に限定されており、最終的に70万SAND相当のデジタル不動産が落札された。落札時点のSAND相場価格で換算すると、落札価格は約3万2373米ドル(334万円相当)になる。

The Sandboxは、ブロックチェーン基盤のメタバース(仮想空間)にあたる、コミュニティ主導型ゲームおよびゲーム作成プラットフォーム。すでに過去に仮想空間内のLANDを販売する複数回のプリセールが行われており、The SandboxのLANDは人気のNFTとなっている。今回のチャリティーオークションでは、Animoca BrandsがNFTマーケットプレイス「OpenSea」(オープンシー)と提携し、12×12(144個)のLANDで構成されたエステート(土地)と呼ばれる区域を出品した。土地はThe Sandboxの中心にあたる人気かつ需要の高いロケーションが出品された。

オープンソース技術とデジタル公共財の開発を支援する、UNICEFの暗号資産ファンドおよびイノベーションファンド

今回のチャリティーオークションの収益はすべて、UNICEFの暗号資産ファンドに寄付され、UNICEF Innovation Fundを介して世界中の子どもや若者に影響する可能性があるオープンソース技術やデジタル公共財への資金提供に使用されるという。

UNICEFは暗号資産ファンドを2019年に設立。この2020年6月などにも新興国のテクノロジー企業に法定通貨と暗号資産による投資を実施しているものの、ブロックチェーン技術を基盤としたNFTを慈善事業に活用するのは今回が初の試みという。

UNICEF フランスのエグゼクティブディレクターSebastien Lyon氏は「UNICEFは暗号資産ファンドを持つ最初の国連機関であり、最先端の技術を活用し、慈善事業に役立てています。Animoca Brandsのようなパートナーと、世界中の子どもたちの生活を向上させる手段として、オープンソースで革新的なソリューションを生み出す暗号資産を利用できることを誇りに思っています」と語っている。

The Sandboxとデジタル不動産「LAND」

The SandboxのユーティリティトークンSANDは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン上で発行されたERC-20準拠トークンで、メタバースにて利用できる主要トークンとなる。暗号資産取引所BinanceのIEOプラットフォームBinance Launchpadを通じ、300万ドル(約3億1700万円)相当のSANDが販売され、すでに上場も果たしている。

これらによりThe Sandboxユーザー(コンテンツ制作者)は、アセットを使用しゲームを作ったり、他人の作ったゲームをプレイしたりできる(ゲーム体験)。また、所有する土地(LAND)やキャラクター、アイテムなどデジタルアセットについても、NFTとしてマーケットプレイスにて売買可能(収益化可能)となっている。

LANDは、Ethereum上で発行されたNFT(ERC-721)。The Sandboxにおけるデジタル不動産であり、プレイヤーはその上にエクスペリエンス(デジタルアセット)を構築するために購入できる。発行上限が16万6464LANDと決まっており、すでに多くのLANDがプレセールによって販売済みになっている。

より早くプレセールに参加してLAND所有権を得たユーザーは、The Sandbox内の限られたLANDの中でも人気のロケーションを確保可能。LAND所有者は、The Sandboxでゲームプレイに参加できるほか、自分のLANDにおいて他のプレイヤーに対して独自のゲーム体験を提供できる主催者になれる。さらに、LANDの一部を他のプレイヤーにレンタルをしてSANDを稼ぐことも可能という。

また、メタバースガバナンスに参加できるといった様々な権利を得られるほか、それら権利をNFTマーケットプレイスなどで売買できる。

プレシーズン0のリリース予定を変更、具体的な開始日を2021年1月に発表予定

なお、The Sandboxは現在開発中で年内にローンチ予定だったが、公式ブログにおいてプレシーズン0のリリースを2021年の初めに行うと、予定を変更した。具体的な開始日は、2021年1月に発表するという。

現在、The Sandboxはプラットフォームの一部として3Dボクセル(ブロック)アセットを作成できる「VoxEdit BETA」と、VoxEditで作成されたゲーム内アセットを取引できる分散型マーケットプレイスを公開。メタバース内で3Dゲームを作成できるビジュアルスクリプトツールボックスGame Makerのアルファ版も提供している。

プレシーズン0へのアクセスは、LAND所有者のみの限定公開となる。開始タイミングは事前登録をすることでメール通知を受けることができ、事前登録をしたLAND所有者に対して、順次アクセスを可能にしていくという。

プレシーズン0では15日間のイベントが開催され、プレイヤーは$SAND賞品のほか、NFTを含むその他の限定賞品を獲得できる。

また、ソーシャルハブ、派閥レベル、ギャラリーやGame Makerファンドで制作された「UGCゲーム」40以上が公開され、プラットフォーム制作、戦闘、謎解き、調査、探検、タイムアタック、収集など、ゲーム性を持った体験もプレイ可能という。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Animoca BrandsNFT(Non Fungible Token)オープンソース / Open Source(用語)The Sandboxブロックチェーン(用語)メタバースUNICEFUNICEF Innovation FundUNICEF CryptoFund中国(国・地域)

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.8.2~8.8)

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、重要かつこれはという話題をピックアップし、最新情報としてまとめて1週間分を共有していく。今回は2020年8月2日~8月8日の情報をまとめた。

ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」がBinanceで約3億1700万円相当のSANDトークン販売

中国・香港を拠点とするゲーム開発会社Animoca Brands(アニモカブランド)は8月5日、暗号資産取引所Binanceが提供するIEOプラットフォームBinance Launchpadを通じ、ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」のSANDユーティリティトークン300万ドル(約3億1700万円)相当の販売を発表した

ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」がBinanceで約3億1700万円相当のSANDトークン販売

The Sandboxは、Animoca Brandsの子会社TSB Gamingが開発するブロックチェーンベースの仮想空間(メタバース)で、コミュニティ主導型ゲームおよびゲーム作成プラットフォーム。いわばブロックチェーン版のマインクラフトといったところ。SANDは、暗号資産Ethereum上で発行されたERC-20準拠トークンで、メタバースにて利用できる主要トークンとなる。The Sandboxにおいてコンテンツ制作者は、ゲームのアセットやゲーム体験を収益化することが可能になる。

SANDトークンセールは、Binance Launchpadにて8月13日より開始、SANDの総供給量の12%にあたる3億6000万SANDトークンが販売される予定。

The Sandboxゲームシリーズは、2012年に携帯電話向けに開発されたゲームプラットフォームで、その後、Windows版などが登場した人気のシリーズ。ブロックチェーンベースのThe Sandboxは2020年後半にローンチ予定で、現在開発中。一部、3Dボクセル(ブロック)アセットを作成できる「VoxEdit BETA」と、VoxEditで作成されたゲーム内アセットを取引するための分散型マーケットプレイス、無料で3Dゲームを作成できるビジュアルスクリプトツールボックス「Game Maker」のアルファ版が公開されている。

ユーザーは、アセットを使用しゲームを作ったり、他人の作ったゲームをプレイしたりできる。また、所有する土地(LAND)やキャラクター、アイテムなどデジタルアセットについても、NFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)としてマーケットプレイスで売買可能。アセットは、その希少性に応じてERC-721またはERC-1155規格のNFTになるという。

The Sandboxは、すでに仮想空間内の土地(LAND)を販売する4回のプリセールを行い、1万以上のLANDを売却し、数千ETHを超える資金を調達、売り出されたLANDおよびアセットはすべて完売している。

TSB Gamingは、ゲーム業界からも注目されている。2019年7月から9月の期間、SANDユーティリティトークンの発行およびSAFE債(将来株式取得略式契約スキーム)による資金調達を実施。スクウェア・エニックス、True Global Ventures、B Cryptosら複数の投資家を引受先として、現金83%、BitcoinおよびTetherの暗号資産17%からなる総額201万ドル(約2億1200万円)の出資を受けたことを発表している

さらにAnimoca Brandsは8月4日、以前よりパートナーシップ契約を結ぶビデオゲーム界の老舗メーカーAtari(アタリ)との契約を拡大し、70年代から80年代の名作ゲーム「Pong」「Asteroids」「Centipede」「MissileCommand」など全15種類のタイトルについて、ブロックチェーンやNFTなどを含む開発および流通(公開)の権利を取得したことを発表している

中国国営商業銀行がデジタル通貨ウォレットアプリの大規模テストを開始

ロイターおよび中国広東省下の国営経済情報紙21st Century Business Herald(21世紀経済報道)によると、中国の主要な国営商業銀行が、デジタル通貨(数字貨幣)ウォレットアプリの大規模内部テストの実施しているという。

21世紀経済報道は、「深センを含む都市の州の銀行の従業員が送金と支払いを行うためにアプリの内部テストを開始した」という情報筋による証言を引用している。

中国国営商業銀行がデジタル通貨ウォレットアプリの大規模テストを開始

中国政府が人民元の中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行に積極的な態度を示していることは知られている通りだ。21世紀経済報道によると、この動きは中国人民銀行(PBOC) デジタル通貨研究所が2020年4月中旬に公開した情報に沿ったものという。現在インターネット上で流通している、デジタル通貨電子決済(DC/EP)の情報は技術開発に関するクローズドテスト情報で、デジタル人民元が正式に公開されるわけではないと強調している。

また中国人民銀行 デジタル通貨研究所は、同じく4月の発表で、深セン、蘇州、雄安新区、成都の4都市でDC/EPシステムの内部閉鎖試験を実施しており、将来の北京冬季オリンピック会場でシステムを試験運用すると明らかにしたことも報じられている。

中国人民銀行は、2019年8月に開いた2019年後半の業務を確認するテレビ会議で、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発および暗号資産発展の研究を重要なタスクであることを明示している。CBDCの分野では、中国は先駆け的な存在になっている。中国は2017年に中国人民銀行デジタル通貨研究所を設立し、2018年6月には同研究所の100%子会社として深セン金融科技を設立するなど、積極的な活動を行っている。すでに、中央銀行デジタル通貨研究所は、CBDCに関する多くの特許を申請している。

ディーカレットと関西電力がブロックチェーンによる電力P2P取引決済自動化の有効性を確認

暗号資産取引所DeCurretを運営するディーカレットは8月5日、2020年3月より関西電力と実施していたデジタル通貨に関する実証実験について、その有効性が実証されたことを報告した

ディーカレットは両社の実証実験において、自社が開発するブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォームを活用し、関西電力向けに実験用の独自デジタル通貨を発行し、電力P2P取引における決済処理の自動化について有効性を確認することができたという。

ディーカレットと関西電力がブロックチェーンによる電力P2P取引決済自動化の有効性を確認

現在、電力業界における電力供給システムは、大規模集約型から個人や企業が電源を保有する分散型への移行期間にあるという。将来、分散型の電力供給システムにおいては、自身で発電した電気の余剰分を売電する生産消費者(プロシューマーという)と電力消費者は、専用プラットフォームを介し、電力が直接取引(P2P取引)される可能性があると見られている。

電力会社は、電力のP2P取引来歴を明確にするのは今後必須であり、取引来歴には耐改ざん性に優れ、透明性の高いブロックチェーン技術の活用が期待される状況であるという。来歴管理のブロックチェーン活用は、すでに国内外で多く実施されており、ディーカレットはデジタル通貨を用いて、プロシューマーと電力消費者のP2P取引と同時に発生する決済処理の自動化について実証実験を実施した。

実証実験では、プロシューマーと電力消費者の間で電力取引が行われると、スマートコントラクトがそれを記録し、取引量に応じた料金が電力消費者のウォレットからプロシューマーのウォレットへ送付されることを確認する。同時に取引手数料がプロシューマーウォレットからプラットフォーマーウォレットへデジタル通貨で送付される仕組みについて検証を行ったところ、その有効性が確認できたという。

実証実験に用いられたディーカレットのデジタル通貨プラットフォームは、利用企業が自身のブランドでデジタル通貨を発行できる機能を備えている。プラットフォームは、スマートコントラクトを利用した処理の実装も可能で、今回はP2Pによる電力取引まつわる一連のプロセスを実装した。

ディーカレットは同プラットフォームを活用し、商品やサービスの価格を需要と供給のバランスに合わせて変動させる価格戦略(ダイナミックプライシング)やリアルタイム決済といったブロックチェーンの特性を活かした幅広いサービスの展開を支援していくとした。今後、ディーカレットはプラットフォームの事業化を目指していく。

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