アップルの類似機能Sidecarの登場を受け、AstropadがLuna DisplayのWindows版を発表

今年6月、Luna Displayの開発元であるAstropadは自社のブログに「アップルにSherlockされる(類似機能をOSや純正アプリ、サービスに取り込まれること)ことが災い転じて福となる理由」と題した記事を投稿した。アップルがmacOSにSidecar搭載した1年後のことだった。SidecarはMacユーザーがiPadをセカンドディスプレイとして使える機能で、それはLunaの機能が不要になることを意味していた。

その楽観的な投稿には、この会社が業種を多様化することでピボットする計画について詳しく書かれていた。Lunaの場合は、Windowsバージョンを公開するという意味だった。「この夏我々は、Astropad Studioの無料公開ベータ版をWindows向けに公開する」と同社は公表。「その後すぐにKickstarterでHDMIバージョンのLuna Displayのキャンペーンを開始する」ことも明らかにした。

そして米国時間9月30日、同社はKickstarterでWindowsバージョンのキャンペーンを開始した。オリジナルのMacドングルのクラウドファンディングから2年後だ。提供予定日は2021年5月に設定されている。アーリーバード支援者は49ドル(約5200円)から、一般販売価格は80ドル(約8500円)でドングルを入手できる。

ドングルはiPadをWindowsパソコンのセカンドディスプレイに変えることが可能で、ワイヤレスでも有線でも使える。USB-CとHDMIの2種類があり、パソコンで使えるポートに応じて選べる。接続したiPadは、タッチスクリーンの拡張モニターにもなり、マイクロソフトがどれほどタッチ入力に最適化してきたかを考えれば、Windows 10でうまく使えるはずだ。

私はオリジナルのLuna for Macのファンだった。しかし、多くの人たちと同じくアップルがSidecarのネイティブサポートを発表してからは興味が減少してしまった。Windows対応が公開されると、オリジナルのMac用ドングルを持っている人はWindowsパソコンにも使えるようになる。Luna DisplayはMacからiPadへ、WindowsからiPadへ、MacからMacへ(一方をセカンドディスプレイとして使う)と接続できるほか、「Headless Mode」(ヘッドレスモード)として、iPadをMac miniまたはMac Proのメインディスプレイとして使うこともできる。

画像クレジット:Astropad

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

古いMacもセカンドディスプレイ化してしまうLuna Display

Apple(アップル)が、最新のmacOS Catalina(カタリナ)にSidecar(サイドカー)を組み込んだことで、セカンドディスプレイ機能を提供する会社はどこもまんまとアップルに「シャーロッキング」されてしまった。正直に言ってこの機能は、最新のmacOSの中でも飛び抜けて最高のもの。すでに多くのサードパーティのデベロッパーが何十年にも渡って経験してきたように、最初に自分が開発した機能でも、いったんアップルに実現されてしまえばそれと競うのはかなり難しい。

Duet Display(デュエット・ディスプレイ)の場合、存在意義を確保するにはAndroidタブレットをセカンドディスプレイとして利用できるようにサポートを追加する必要があった。一方、Luna Display(ルナ・ディスプレイ)のメーカーであるAstropad(アストロパッド)は、ユーザーが古いMacを引っ張り出す方に活路を見出そうとしている。米国時間10月17日にリリースされるアップデートは、他のMacを利用できるようにする機能を、同社独自のドングルを利用した技術に追加する。

新しいLuna Displayでは、MacとMacを接続して、古いMacをセカンドディスプレイとして利用できるようになる。例えば、MacBookをMac mini、iMac、あるいは別のMacBookにワイヤレスで接続できる。たぶん、ほとんどのユーザーにとっては、シンプルにiPadに接続するより、使い勝手はよくないだろう。それでも、古いマシンを活用できることにはそれなりの意味があるはずだ。Astropadのために言えば、アップルが次のアップデートで、同じような機能を実現しないことを願うばかりだ。

Astropadの説明は以下のとおり。

例えば、職場のオフィスにiMacがあり、職場と自宅の間でラップトップを持ち運んでいる人なら、職場にいるときにはラップトップとiMacをペアリングして、両方のデバイスを活用できます。あるいは、主に自宅で仕事をしている人なら、ラップトップをiMacやMac Miniとペアリングし、快適なソファに座ったまま、デスクトップ型Macのパワーを利用することもできるでしょう。キッチンでおやつにありついている時でも、同僚がかわいい犬のGIFを送ってくれたら、乗り遅れることなく楽しめます。可能性は無限にあるのです。

メインのMacでは、El Capitan(エル・キャピタン)以降のmacOSを走らせている必要がある。セカンドディスプレイとして利用するMacは、Mountain Lion(マウンテン・ライオン)以降が対応する。接続には、有線またはWi-Fiが利用できる。Astropadでは、本日10月17日から数日間、Lunaを25%割引で販売する。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)