2013年はアジア企業が世界のインターネット文化に明確に影響を与え始めた最初の年として記憶されることになるかもしれない。たとえば、去る1月に、MGSieglerは「Samsungが世界的に重要なテクノロジー企業ではないという主張はますます間違ったものになりつつある」とTechCrunch読者に警告した。
まさにそのとおり、Samsungは今や世界最大のモバイル・デバイス・メーカーの一つだ(その急成長も最近やや頭打ちになっているが)。ソフトウェアやサービスの部門でもアジア発のメッセージ・システムのLineがソーシャル・プラットフォームとしてFacebookやPathと並ぶ存在になりつつある。
TencentはSnapchatのファウンダーがモデルとした。中国の新興スマートフォン・メーカー、Xiaomi(小米)はGoogleからAndroidのトップエンジニア、Hugo Barraを引き抜いた。
アジアのトレンドを検討するのは世界市場における未来を予測する賢明な方法だ。 Googleの アジアにおける2013年のトップ検索キーワードには来年、世界の消費者が関心を抱く可能性の高いゲーム、アプリ、バイラルビデオが先取りされている。
Googleの検索キーワード・リストの中でも最大のヒットは日本のテレビ・アニメ、進撃の巨人(Attack of Titans)だ。このキーワードは日本だけでなく、香港、台湾、韓国でもトップ10に入っている。アジアでの全検索件数を合計するとマッドメン(Mad Men)とホームランド(Homeland)の全世界での検索件数の合計より多い。今年アメリカでハリケーンに乗ってサメの大群が町を襲うSharknadoやパシフィック・リム(“Pacific Rim)がヒットしたことを考えると、皮膚のないヒューマノイド型の怪物が悪役になるアニメ・シリーズの進撃の巨人にも大いに国際的な成功の可能性がある。
一方、アジアでもっとも人気のあるゲームはパズル&ドラゴンズ(Puzzle and Dragons)だ。発祥の地の日本だけでなく香港でもトップ10に入っている。Puzzle And Dragons’の英語版はまだこれというほどの成功を納めていないが、アジアでの絶大な人気のおかげでメーカーのガンホー・オンライン・エンタテインメント(GungHoOnline Entertainment、TechCrunchのKim-Mai Cutler記者が6月に紹介している)の株価は1兆5460円に高騰し、一時は任天堂の時価総額を抜いたほどだ。台湾ではMMORPGのFantasy Frontierが大ヒット中だ。英語版のAura Kingdomも近く公開される。
カンナム・スタイル(Gangnam Style)が驚異的なバイラル・ヒットになったことは記憶に新しいが、そのサイ(Psy)のカンナム・スタイルの次作Gentlemanも6億ビューを記録している。前作、カンナム・スタイルの19億ビューに比べれば小さいが、それでもYouTubeの2013年の再生回数のトップになった。.
サイの成功にヒントを得たのかどうか、韓国の女性歌手ハリ(Hari)が歌うキヨミ(Gwiyomi)は手の動きがキュートなダンスで催眠術的効果を挙げ大人気となっている。同じく韓国の女性5人のグループ、Crayon Popも韓国の検索トップ10入りした。
Googleのトップ検索リストはアジアのユーザーのスマートフォンに対する考えについても重要な情報を明らかにしている。たとえば、Appleが公式に否定したにもかかわらず、アジアでは多くのユーザーがiPhone 5cはAndroidに対抗できるくらい安い価格になると期待していた。結局iPhone 5cはフラグシップモデルのiPhone 5sに比べてさほど変わらない価格になった。このことは急成長中の市場で、人気が5cより5sに集中している背景として参考になる。たとえばフィリピンではiPhone 5sはトップ10検索に入っているが5cは入っていない。
深刻なテーマでは、Googleのデータで自然災害の際に市民がますますインターネットの情報を頼りにする傾向が確認された。たとえば、今年Haiyan台風が襲った際には、昨年のBopha台風のときと比べて検索トラフィックは5倍にも増えた。このことは政府や救援活動組織は災害の際に市民に対して緊急インターネット接続を提供する必要があることを示すものだ。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)