ウェブデザインから退屈な「調整」の繰り返しをなくすFigmaの「Auto Layout」機能

Index Ventures、Sequoia、Greylock、Kleiner Perkinsなどの投資家から、8300万ドル(約90億円)近くを調達したデザインツール開発会社のFigmaは、米国時間12月5日にデザイン作業から退屈な「調整」の繰り返しをなくす「Auto Layout」という新機能を発表した。

デザイナーなら、コンポーネントのコンテンツサイズを手動で変更しなければならない煩わしさを、嫌というほど味わっているだろう。例えばウェブページ用に新規でボタンを作成する場合、デザイナーはテキストがボタン内に収まるように手動でサイズ変更する必要がある。もしテキストやサイズが変わった場合、それに応じてすべてを調整しなければならない。この問題は、コンポーネントが多数ある場合には最悪のものとなる。そのすべてを手動で調整しなければならないからだ。

Autl Layoutの設定は、オンかオフか2択だ。オンにすれば、Figmaはデザイナーに代わってすべての調整を行い、コンテンツはコンポーネントの中央に配置される。また、もし新しいコンテンツが追加されたら、それに合わせてコンポーネントが自動調整される。フレーム内のアイテムのサイズが変更されたり、アイテム自体が変更されれば、周りにあるコンテンツはそれに合わせて動的に調整される。

Auto Layoutでは、リストに含まれるアイテムの向きをまとめて垂直から水平に変更したり、元に戻したりすることもできる。リストに含まれる個々のコンポーネントのサイズを調整したり、ワンクリックでリスト内のコンポーネントの順番を並び替えたりすることも可能だ。

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これは自動操縦でデザインするようなものだ。Auto Layoutは、コンポーネントシステム内でも機能するため、デザイナーは記号やコンテンツを切り離すことなく、元のデザインを微調整できる。その変更は他の部分のデザインにも反映される。

FigmaのCEODylan Field(ディラン・フィールド)氏は「この機能に対する顧客からの要望が非常に強かった、ユーザーテストなどに向けて、微妙な変更を繰り返す必要がある場合でも、この機能により作業が行われるようになればいい」と語る。

新機能の発表に加えて、Figmaは初めて社外取締役を迎えたことも明らかにした。Danny Rimer(ダニー・リマー)氏、John Lilly(ジョン・リリー)氏、Mamoon Hamid(マムーン・ハミド)氏、Andrew Reed(アンドリュー・リード)氏からなるFigma取締役会に、新たにLynn Vojvodich(リン・ヴォイヴォディッチ)氏が加わる。

ヴォイヴォディッチ氏は、IT業界の経営者として豊富な経験を持ち、Salesforce(セールスフォース)では、EVPおよびCMOを務めていた。彼女は名門VCのAndreesen Horowitzのパートナーだったこともあり、彼女自身の会社であるTake3を10年間経営してきた。また同氏は、Ford(フォード)、Looker、Dellといった大企業の取締役会にも参加している。

「私は素性がはっきりわかっていない投資家を招き入れたことはありません。これまでに成功した会社でも、そうではなかった会社でもです」とフィールド氏は言う。「優れた取締役会は会社を成長させますが、何か問題を抱えた取締役会は、会社の前進を妨げます」。

フィールド氏によれば、Vojvodich(ヴォイヴォディッチ)氏と話し合うたびに、経験から導き出された明確な回答と優れた洞察によって、彼女はチームにバリューを提供し続けているという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)