Boston Dynamicsのイヌ型ロボットがフォードの改修を重ね現状がわからなくなった工場のマッピングに採用

 
Ford(フォード・モーター)はトランスミッション工場の改修のためのマッピングにBoston DynamicsのSpotロボット2台を利用してテストを行うことを発表した(Fordリリース)。Spotはイヌに似た四脚で移動するロボットで重量は32kgだ。

フォードの説明によれば、この工場は建設されて以来、新型トランスミッションを製造するために何度も改修を重ねているため、現在フォードが計画している改修計画が現状に整合しているかの確認が困難になっているのだという。Spotはレーザースキャナーなどの視覚センサーを備えており、極めて詳細で精密な地図を作成することができる。フォードではこのバーチャルマップに基づいて工場の近代化計画を立てる。

Spotを使用して工場をマッピングすることには大きなメリットがある。従来、こうした作業は多くのポイントに三脚を設置し、レーザースキャナーによって周囲をマッピングしていた。しかしこれは非常に時間のかかるプロセスだ。イヌ型ロボットのSpotなら移動しながら連続的に周囲のスキャンを続けることができ、作業時間を最大で50%も削減できるという。

Spotはレーザースキャナーに加えて5台のカメラを装備しており、時速4.8kmほどで連続2時間作動可能だ。 Spotが収集したデータと広範囲のデータを総合することで工場全体のマッピングできる。さらにSpotは小型で軽快であるため、人間が入り込めないような場所を動き回って計測を行うこともできる。

今回のプログラムはテストであり、使われる2台のSpotはフォードがBoston Dynamicsからリースしたものだ。しかしロボットがフォードが期待するとおりの性能を発揮できた場合、他の様々な用途に採用されるようになることは容易に想像できる。

画像クレジット:Ford

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(翻訳:滑川海彦@Facebook