苦闘中のDropbox、Mailboxを来年2月、Carouselを3月に閉鎖―生産性ツール開発に全力

2015-12-08-dropbox-biz1

ファイルのクラウド・ストレージを提供して4億人のユーザーを集めているDropboxだが、どうやら100億ドルの評価額を維持するのに苦闘しているようだ。 投資家メディアが見守る中、同社はビジネスのいくつかを閉鎖して運営の効率化を図る模様だ。DropboxはメールサービスのMailboxと写真共有サービスのCarouselを閉鎖することが明らかになった。

情報源によると、同社はコアビジネスに資源を集中し、 Paper(プライベート・ベータ中)などのようなビジネスに役立つ生産性ツールの開発に全力を挙げるということだ。

Mailboxは2016年2月26日、Carouselは3月31日にサービスを停止するという情報を得た。 Carouselの閉鎖が遅れるのは、ディスク容量の節約、写真共有など機能の一部をDropbox本体に移す作業があるためだという。DropboxではMailboxのユーザーをGmailにスムーズに移行させる計画なので、実害は出ないだろう。

われわれはこの情報を会社にごく近い筋から得た。またMailboxのアカウントはあちこちで閉鎖されている。Dropboxもついに今日(米国時間12/7)の同社のブログ記事で閉鎖を認めた。.

Dropboxの共同ファウンダー、Drew HoustonとArash Ferdowsiはブログ記事で「CarouselとMailboxにさようなら」という記事で、「これは容易な決断ではなかった。しかしここ数ヶ月、われわれのチームは…共同作業ツールの開発に次第に重心を移してきた。こうした状況に照らして、われわれはCarouselとMailboxを閉鎖するという困難な決定に達した」と書いている。

しかし今日になってもDropboxのサポート担当者はユーザー向けに「まだ何も決定されていない」というメッセージを送っている。

多数の問い合わせに感謝します。長期間にわたりアップデートが行われないことに不満を感じることは理解できます。しかしMailboxは放棄されたわけではなく、ユーザーにとって最良の方向が検討される間、開発は続けられています。…ただし正確なそのロードマップについては私自身、まったく知らないためお知らせできません。

Mailboxは7月からまったくアップデートされていない。Dropboxのユーザー・フォーラムには多数の質問がユーザーから寄せられているがほとんどは回答がない。Carouselは9月にマイナー・アップデートが行われているが、2014年のリリース以来、機能の実態はほとんど変わっていない。

アプリの調査と分析を提供するApp Annieによれば、両アプリともリリース以後、長期的に維持可能と思われる数のユーザーを獲得できていない。 アメリカのiTuneストアの「生産性アプリ」部門でMailboxは現在233位だ。Carousel同じく写真部門で271位だという。【略】

両サービスとも残念な結末ということになりそうだ。Mailboxが2013年にスタートしたときにはメディアで大評判となったものだ。ひとつには当初提供されるアカウントの数が少なく、待機リストに載ったユーザーが正式アカウントを入手しようと大騒ぎしたせいでもある。当時として、Mailboxアプリはシンプルでよくできたインターフェイスを備えていた。

一方、Carouselはいくつかのスタートアップを買収した結果生まれたサービスで、やはり当初は有望なモバイル写真アプリとみられていた。Mailboxの共同ファウンダー、Gentry Underwoodは早い時期にDropboxを離れている。もう一人の共同ファ、Scott Cannonは短期のアドバイザーとしてDropboxに残っている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Dropbox、ユーザーの写真すべてを保存・共有するアプリ、Carouselを発表

Dropboxは今朝(米国時間4/9)、サンフランシスコで開催したプレスイベントでユーザーが2億7500万人に達したこを明らかにする同時に、Carouselという野心的なアプリを公開した。これは写真とビデオのアーカイブと共有のためのプラットフォームで、この分野の新たなデフォールト・サービスとなることを狙っている。

アプリはiOS版とAndroid版が用意され、どちらもCarousel.comからアクセスできる。Dropboxによると、このアプリはユーザーが契約しているDropboxの容量の限界まで、いくらでも写真やビデオを保管でき、デスクトップからもiOS、Androidデバイスからも自由にアクセスできる。

Mailboxのファウンダーで、Dropboxの幹部であるGentry UnderwoodがCarouselの発表プレゼンを行った。Underwoodによれば、このアプリを使えば非公開で写真やビデオを共有する場合にメールの添付ファイルのサイズ制限を気にする必要がないという。Carouselアプリの共有ツールはメールアドレスだけでなく電話番号も認識する。また受け取り相手はDropboxのアカウントを持っている必要がない。

DropboxはCarouselを「すべての思い出を一箇所に保存できる」サービスだとしている。アプリから写真を読み出すスピードはデバイスのオリジナルの写真ギャラリーより高速なぐらいだという。

Carouselは非常に巨大なビジネスになりそうだが、一方、高い技術力を持つ巨大企業が写真の保管と共有アプリの分野にはいくつも存在する。CarouselのリリースでDropboxはFacebook、Yahoo、Googleなどのライバルとの直接対決に踏み出したことになる。

アップデート:この記事ではCarouselのストレージ容量について「それぞれのユーザーのDropboxのストレージ容量を上限とする」という意味の記述を加えた。

写真:Flickr Lloyd Morgan CC by-SA 2.0 license

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