地理的データの視覚化をデータサイエンスの知識技能のない人でも簡単にできるCARTO

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マドリッドで2012年に創業されたデータ視覚化企業CartoDBが、分析ツールCARTO Builderの発売を機に、社名をCARTOに変え、これまでもっぱらデベロッパーだけだったユーザー層を、企業の一般社員やノンプログラマーにも拡大しようとしている。

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元々CartoDBは、SQLができるデータのスペシャリストを助けて、彼らが位置データの分析をできるようにするのが、本業だった。また、データの視覚化は大好きだがコーディングはできない人びと、たとえば一部のジャーナリストなどは、同社を利用して対話的なマップをスクラッチから(はじめから、ゼロから)作ることができた。そしてこれからの同社は大企業にデータ分析ツールをCARTO Builder提供して、彼らのビジネスの意思決定や、消費者トレンドの予測などを助けていく。

CARTOのCEO Javier de la Torreはこう語る: “CARTO Builderはどんな業種でも利用できるが、当面は金融と通信方面に営業を注力して、彼らのいろんな分野に対する投資のリスクを、予測するサービスを提供していきたい”。

CARTO BuilderはWeb上(ブラウザー上)で使うドラッグ&ドロップ方式の分析ツールで、いろんな公開プラットホームから集めたさまざまなデータシートもある。今のバージョンには新たに、ウィジェットと予測ファンクションという二つの機能が加わった。どちらも、コーディングの知識がなくても使える。

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ウィジェットは、データセット中のとくに関心のある項目を指定すると、それらに関する分析をインスタントにやってくれる。ウィジェットには4つのタイプがあり、それらは、(1)カテゴリー、(2)ヒストグラム、(3)フォーミュラ、(4)時系列、だ。マップの色を、使用するウィジェットごとに指定できる。

たとえば、アメリカのすべての列車事故の平均被害額を知りたい、としよう。すべての事故と、それら個々の被害額を羅列したデータが、手元にある。そうするとユーザーは、“フォーミュラ”ウィジェットで正しいパラメータを指定するだけだ。マップが即座に、列車事故の平均被害額を表示してくれる。

“こんなのは昔は、JavaScriptをたくさん書かないとできなかった”、ニューヨーク市の事業開発マネージャーJeff Ferzocoが、CARTOでそう言った。

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CARTO Builderはコーディングの知識を必要とせず、データ中にパターンを外挿するスキルも要らない。CARTO Builderのエキスパートユーザーは前と同じくSQLを使ってデータベースの操作ができるが、専門家でない一般ユーザーはこのツールの“Analyze and predict”へ行ってパラメータを指定するだけだ。そこでユーザーにできるのは、(1)点のクラスターを計算する、(2)アウトライアーとクラスターを検出する、(3)トレンドとボラティリティを予測する、のどれかだ。

“CARTO Builderのおかげで、それまではデータサイエンティストがやっていたたくさんの仕事を、今ではデータアナリストでない人でも容易にできる”、とFerzocoは語る。

1万行のデータベースをCARTO Builderに分析させると1分30秒かかる。5000万行だったら、たぶん40分だろう、とFerzocoは言う。“実際にやってみたことはないけどね”。

De la Torreによると、CARTO Builderのベーシックバージョンの料金は月額149ドルからだ。“エンタープライズバージョンを使う企業が多いけど、それなら年額1万ドルからだ”、と彼は言う。

同社によると、CARTO Builderの展開は7月7日から始めて、その後段階的に進めていく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

データを地図上に落として視覚化するCartoDBが、誰にでもそれができる新機能をローンチ

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ビジネスインテリジェンスをオンラインで地図上に落として理解に導くサービスCartoDBは、地図を使うコミュニケーションを誰もが容易にできることを、目指している。今日同社が発表した新しい機能、One-Click Mappingは、ユーザがデータをアップロードすると、その情報を視覚化して見せる地図を、自動的に作ってくれる。〔上図: サンフランシスコ北東部チャイナタウン周辺のブロック別企業数〕

元々CartoDBは、地図作成者やデータサイエンティストのためのソフトウェアを提供していたから、統計学と地理空間的なデータには強い。またユーザの方も、地図化すべきデータを見極めることと、そのデータを視覚化するためのパラメータをはっきりさせることが重要だ。

でも今度の新しい機能では、誰でもデータをアップロードして、どんな地図にするかをサンプルから選び、何を視覚化すべきかをワンクリックで指定できる。

同社は2011年に、生物の多様性とその保護を研究している二人のスペイン人研究家がローンチした。二人は、自分たちの研究結果を多くの人に理解してもらうための、ツールを求めていた。その後いろんな分野で利用されたCartoDBは、これまで12万名のユーザが使用し、40万あまりの地図が作られた。中には、ビヨンセの最新アルバムに対する世界中のリアルタイムの反応とか、ネパール地震の被害地図などもある。

CartoDBのCSO(Chief Science Officer) Andrew Hillはこう言う: “何かを理解してもらうために地図がとても有効であることが、心に浮かばない人が圧倒的に多いね。でも情報を地理空間的なデータに結びつけることができたら、急にその情報のリアルな意味が伝わってきたりするんだ”。

ユーザがデータをアップロードしたら、CartoDBはそれらを分解して地理空間的なデータを取り出す。次にそのほかのデータも分析し、どの地図フォーマットを使うかをユーザに選ばせる。フォーマットは、ユーザが部分的に変えることもできる。

データを地図化することは、大量のデータの意味を理解するために、とくに企業にとって便利だ。たとえば大手の銀行はCartoDBを使って、クレジットカードの使用を都市の地図に落とし、その都市の地区別の消費パターンを理解する。たとえばスペインの銀行BBVAのために作ったこの地図では、今年バルセロナで行われたMobile World Congressの経済的インパクトを視覚化している。

昨年ミズーリ州ファーガソンで起きた銃撃事件では、TwitterがCartoDBを使って、全世界のその事件の報道のされ方、報道の広がる様子を地図化した(下図)。

データをCartoDBの自動地図化プラットホームに放り込む企業が今後どんどん増えれば、地図化すべきデータ(そして無視すべきデータ)を判断するアルゴリズムの精度も、どんどん向上するだろう。

“最初は、地図を作るというサービスだったけど、今では一歩踏み込んで、ユーザに地図化できるデータについて教えている。今では企業が、自分では分析し理解する余裕がなかったデータをうちにアップロードして、それらを地図化して従来よりも早めに理解している”。

CartoDBは昨年の9月にシリーズAで800万ドルを調達した。ラウンドのリーダーはベルリンのEarlybird Venture Capitalだった。同社はすでに利益が出ており、ユーザ数も売上も最近の1年で300%増加した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

文章と画像と動画だけではパンチが足りないと感じられる情報表現には、CartoDBのOdyssey.jsで対話的な地図を加えてみよう

どんなことにも、それが起きる“場所”があるはずだ。この論理をコンセプトとするオープンソースのツールOdyssey.jsは、地図を利用してデータを対話性のあるマルチメディアに変える。このツールは、プログラミングのスキルのない人でも使える。

Knight Prototype Fundから35000ドルの助成金をもらった、クラウドコンピューティングのプラットホームCartoDBの作者たちは、このオープンソースツールのベータを今日(米国時間7/8)リリースした。

CartoDBは、このツールによってストーリー展開の技法が拡大することを期待している。これまでのように、テキストと写真(〜静止画像)とビデオだけに限定されずに。

Knight Foundationのメディアイノベーション担当Chris Barrによると、この財団が作られたのは1年半前だ。財団の基金は、最新のテクノロジやイノベーションを目指す実験的プロジェクトに交付される。そのペースは1年に約1億ドルで、内3000〜4000万ドルはジャーナリズムとメディアのイノベーション事業へ行く。

Barrはこのプロトタイプファンドのトップでもあり、彼によると、助成金交付のペースを速めることによってジャーナリストやパブリッシャーたちが使う新しいツールを迅速に作っていきたい、という。

“これからの人びとは、毎日自分たちの前に現れる大量の情報やデータを、よりよく理解するためのツールやサービスをますます必要とするだろう”、と彼は語る。

CartoDBは地図作成技術を開発している。たとえば、何かのイベントやブランドについて述べているツイートを、対話性のある地図で視覚化するのだ。たとえばこの地図は、ワールドカップのブラジル/クロアチア戦のときのツイートをを表している。

Barrによると、CartoDBが考えているのは、ストーリーを語ることを地図の利用によってより豊かな体験にすることだ。そこで、テキストをHTML化するツールMarkdownJavaScriptを使い、Knight Foundationから得た資金でOdyssey.jsを作った。

CartoDBのそのツールは、CMSへの埋め込みも容易にできる。だからWordPressなどを利用しているパブリッシャーが対話的な地図を自分のサイトに加えて、ストーリーを展開するのも簡単だ。Odyssey.jsのJavaScriptライブラリは、誰もが自由に利用できる。

その目標は、メディアの大きなイノベーションだ、とBarrは言う。CartoDBの Odyssey.jsライブラリのような新しい表現ツールの登場で、情報の視覚的表現がTIV(text, image, video)という伝統的な三種の神器に縛られなくなり、あらゆるWebサイトは読者を増やし、読者の関心をより強く捉えるようになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))