先ほどは決済サービス「AnyPay」の正式ローンチに関するニュースが流れたが、スマホ・タブレット向け決済サービスを提供するコイニーも昨日、今日と決済サービスに関する発表を行っている。
同社は8月31日、決済ページをネット上で簡単に作成できるサービス「Coiney(コイニー)ペイジ」と開発者向けの「CoineyペイジAPI」を発表。9月1日には、中国・テンセント提供のモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」とのアクワイアリング(加盟店獲得・契約・管理業務)契約を締結したことを発表した。
リアルとオンラインの決済をまとめて管理
まずはCoineyペイジについてお伝えする。コイニーではスマホ・タブレット専用の決済端末を利用した、実店舗向けのモバイル決済サービス「Coiney」を提供してきたが、オンラインショップも運営する加盟店からは「リアルとオンラインの決済をまとめて管理したい」との要望が多かったという。コイニー代表取締役の佐俣奈緒子氏は「事業者にとって分かりやすく、簡単に代金徴収方法の幅を広げられる仕組みを作りたかった」と話す。
Coineyペイジでは、オンラインショップの機能の中でも請求・決済に特化。管理画面から商品名やサービス名と金額を入力するだけで決済用のページが作成でき、顧客へメールなどでURLを送信することで請求が完了する。デザインの簡単なカスタマイズは管理画面から行えるが、ショッピングカートや予約機能などとの連携は、CoineyペイジAPIを利用して行うことになる。
想定される利用シーンについて、佐俣氏は「Coineyを既に利用している工務店の場合、これまではリフォーム施工後にCoiney端末を使って客先で決済をしていたのが、今後はCoineyペイジを使った事後決済も可能になる。今までオンライン販売は銀行決済のみに対応していた家具店もあるが、Coineyペイジで決済ページを作ってURLをメールで送ることで、海外からの受注にも対応できるようになる」と例を挙げた。
年内にはWeChat Pay対応も
また、コイニーは9月1日、中国のテンセントが提供する、アプリを利用したモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」のアクワイアリング(加盟店獲得・契約・管理業務)契約を締結。一般公開に先駆けて、東急カードにWeChat Payサービスの提供を始める。
WeChat Paymentは、中国で人気を集める(月間アクティブユーザー(MAU)7億6000万人以上)メッセージングアプリ「WeChat」の決済機能。ユーザーがあらかじめ銀行口座を登録しておけば、ユーザーもしくは店舗がWeChatのQRコードを提示し、もう一方がそのコードをスキャンするだけで、キャッシュレスで決済が完結する。日本の銀行口座には対応していないため馴染みがないが、中国ではさまざまなシーンで日常的に利用が進んでいるという。
コイニーでは幅広い決済手段を提供することで、Coiney導入店舗の訪日外国人対応を強化する。例えば宿泊施設などであれば、事前予約のオンライン決済はCoineyペイジで行い、施設訪問時や利用後の決済であればWeChat PayアプリやCoiney端末でのクレジット払いができるようになる。先行する東急を除いては、年内にサービス受付開始を予定している。
「より多くの決済、お金の流れに関わるサービスを提供したい。加盟店にリアルの店舗を持っているのが我々の強み。そこへさらにネットの決済もつなげていくことで、お店の人のお金の管理をもっと簡単に、楽にしていきたい」(佐俣氏)