Google、「ペイデーローン」の広告を禁止へ

shutterstock_192086159

Googleは今日(米国時間5/11)、ペイデーローン(給料担保金融)の広告を禁止すると発表した。こうした融資の高い利息と短い支払い期間が、借り手の負債を増しているためだ。

ペイデーローンは、低所得者に手軽な現金を提供するが、借り手はその後短期間に借金を返す必要がある。返済できなければ、法外な利率によってたちまち借金地獄に追いやられる。

「ポリシーを見直す際に調査した結果、この種の貸付けは、返済不能と高い貸し倒れ率を招いていることがわかった」とGoogleのグローバル製品ポリシー責任者、David Graffが、ポシリー変更を発表したブログ記事で言った。「この変更は、われわれのユーザーを詐欺的で有害な金融製品から保護するためである」。

Googleは過去にも様々なカテゴリーの広告を禁止している ― 違法ドラッグ、銃、タバコ、その他Googleが推進する家族に優しいイメージから外れる製品の広告は許していない。ユーザーにとってリスクのある広告も禁止している。昨年だけで、詐欺やフィッシングに関連する広告を7.8億件以上禁止したと同社は言っている。

Googleはペイデーローン広告の定義を、返済期間60日以内、年利36%以上の貸し付けを行うものとしている。同ポリシーは2016年7月13日に有効となるが、住宅ローンや学生ローン等、他の金融広告には影響を与えないとGraffは書いている。

以前からGoogleにこうした修正を求めてきた擁護者たちは、この発表を歓迎している。

「お金に困った人がインターネットに助けを求めた時、1000%の利子を要求するペイデーレンダーの広告に遭遇すべきではない」と、ジョージタウン大学ローセンター、Center on Privacy and Technologyのエグゼクティブディレクター、Alvaro Bedoyaは言う。「今日、世界最大の検索エンジンが、『われわれはその片棒をかつぎたくない』と宣言した。この種の広告をGoogleが禁止することで業界標準が作られ、他のインターネット会社も後に続くだろう」

人権グループらは、ペイデーローンに反対して政府や民間業界にロビー活動を行い、有色人種を不釣り合いに標的とし、経済的困難にある人々を食い物にしていると糾弾してきた。米国の約1/3の州が、ペイデーローンを禁止する法を定めている。

BedoyaはGoogleの決定を人権の勝利であるの観迎しており、Yahoo、Microsoft等の主要検索エンジンがGoogleに追従することを望んでいる。

現在GoogleのAdWordsは、ユーザーが「ペイデーローン」等の関連ワードを検索した場合に、ペイデーローンの広告を表示している。しかし、7月の禁止以降は完全に排除される。ペイデーローンの情報は、通常の検索結果に表示されるが、広告はなくなる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

T-Mobileの顧客情報1500万件が漏洩

t-mobile

T-Mobileが木曜日(米国時間10/1)に発表したところによると、同社顧客の個人情報1500万件が盗まれた。同携帯通信会社の信用調査を受け持つExperianという会社がハックされたためだ。

この侵入によって、9月1日から15日の間に新機種購入のために信用調査を必要とした新規入会者が影響を受ける。Experianによると、この侵入による消費者信用データベースへの影響はない。

ハッカーは暗号化された情報を入手しており、その中には社会保障番号、運転免許証番号およびパスポート情報が入っている。名前と住所も含まれるが銀行情報や支払いカード番号は盗まれていない。

「このデータ侵略には大きな怒りを覚えており、Experianとの関係を徹底的に見直すつもりだが、たった今最も重要であり最優先すべきなのは影響を受けた顧客の支援だ」とT-Mobile CEO John Legereはブログに書いた。「私は当社顧客および見込み顧客のプライバシーを〈極めて〉深刻に捉えている。これはわれわれにとって小さな問題ではない」。

2013年後半に起きたTargetストア顧客財務情報大量流出以来、数週間おきに主要なハック事件が起きている。Home Depotから保険会社のAnthemから人事局に至るまで、安全な分野はない。

Experianによると、同社は侵入を発見した直後に、影響を受けた可能性のある顧客に通知し、サーバーの安全を確認した上で調査を開始すると共に当局に通報した。さらに同社は顧客に対して個人認証サービスを2年間無料で提供する。

全体的に見て、Exeprianはハッキングが起きた後にすべきことをすべて行っている。この事件は、企業が侵入を未然に防ぐためにはさらに努力が必要であることを改めて強調した。

T-MobileとExperianの両社は、被害にあったと思われる人々に対して、事件の関係者を装う者に個人情報を知らせないよう警告している。財務情報は被害にあっていないため、影響を受けた顧客が銀行口座やクレジットカードを停止する必要はない。なりすまし犯罪のリスクは高まっている。

Experianは、現時点で犯人の目星はついていないが、当局と協力していると話した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook