Discordの画面共有がiOSとAndroid端末でも可能に

超人気のチャットアプリDiscord(ディスコード)で、待望のモバイル画面共有機能が米国時間12月16日から提供される。

その名称が示すようにモバイル画面の共有機能では、ユーザーはスマートフォンのディスプレイ上のすべてのものをキャプチャして配信し、それを友人のグループにストリーミングできる。Discordによると、特に画面上の動きが多いときにうまく動作するように注力しており、ゲームストリーミングやYouTube / TikTokのリモート視聴パーティーなどで、高いフレームレートと低いレイテンシを実現している。

モバイルデバイスのディスプレイをストリーミングするということは、スマートフォンの画面上のすべてのものを共有することを意味する。ランダムなテキストが途中でポップアップして欲しくない場合は、スマートフォンのDo Not Disturbモードをオンにすべきだ。

Discordは2017年に初めてスクリーン共有機能を導入(未訳記事)し、ビデオチャットと一緒に展開している。ただし、画面共有にはデスクトップまたはノートパソコンが必要だった。今回のアップデートでは、iOSとAndroidデバイスが加わった。モバイル版の画面共有ストリームは最大50人の視聴者に同時に配信でき、同一チャネル内で画面共有できるユーザ数に制限はない。

この機能は本日から公開されるはずだが、すぐに利用できなくても驚くことはない。計画通りにローンチされれば、すべてのユーザーが米国時間12月7日の終わりまでに利用できるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ゲーム以外でも広く使われるビデオチャットDiscordが最大7280億円の評価を受け資金調達ラウンド完了へ

ラウンドに関して知る情報筋によると、Discord(ディスコード)が新しい資金調達ラウンドを間もなく完了する。同社の価値は最大70億ドル(約7280億円)とみられる。DiscordはMUD(マルチユーザーダンジョン)ルームに関して21世紀の答えを提供した通信サービスだ。

同社を35億ドル(約3640億円)で評価した1億ドル(約104億円)の投資から今回の新しい資金調達までわずか数カ月しか経っていない。Discordの企業価値の倍増は、新型コロナウイルスのパンデミックに米国が一貫して不適切に対応したために、バーチャルソーシャルネットワーキングの場を創り出すビジネスの採用と成長が加速し続けたことが要因だ。

その動きはDiscordの爆発的な成長に表れている。2020年の月間アクティブユーザー数はほぼ2倍の1億2000万人に達し、同社は1日あたり80万件のダウンロードを記録した。また大人気のゲーム「Among Us」(The New York Times記事)のおかげで、人気議員であるAlexandria Ocasio-Cortez(アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏から絶大な支持(未訳記事)を受けている。

Discordはゲーム業界で最初の成長を遂げた。若いゲーマー世代(現在、世界中で数十億人を超える)のオンラインの溜まり場として、初期のソーシャルネットワークに取って代わったマルチプレイヤー、マルチプラットフォームゲームの台頭によるものだ。

だが同社の創業者が直近の資金調達ラウンド発表時に指摘したように、Discordの用途はゲームコミュニティをはるかに超えている。

「多くの人にとって、それはもはや単にビデオゲームに止まらないということがわかりました」と、共同創業者のJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏とStanislav Vishnevskiy(スタニスラブ・ビシュネブスキー)氏は、直近の資金調達を発表した7月のブログ投稿で書いた。

2人は自身の会社を「あなた自身のコミュニティや友人と心地良さの中で話し、ぶらぶらするよう設計された場所」として捉えている。同社は、「話し合う、何かを学ぶ、アイデアを共有するなど、本物の会話をし、人々と充実した時間を過ごす場所」だと彼らはいう。

それがインターネットの初期のユーザーにとって馴染みがあるように聞こえるなら、それはそのものだからだ。WWW(ワールドワイドウェブ)の黎明期に、MUD(マルチユーザーダンジョン)は任意の数のサブカルチャーの実行者が、オンラインで互いを見つけ、共有する嗜好の対象についてチャットする方法を提供していた。

ウェブが進化するにつれて、会話が行われる場所とスペースの数も進化した。現在、ユーザーがウェブ内で互いを見つける多様な方法があるが、Discordは他のほとんどの方法を上回っているようだ。

アナリストのJohn Koetsier(ジョン・クーツィール)氏が2019年にフォーブスで述べたように、すでに2億5000万人のDiscordユーザーが1日に3億1500万件のメッセージを送信していた。これは同社のパンデミック前の数値であり、どの基準に照らしても印象的だ。

ウェブ上で人気が高まっている他のプラットフォームと同様に、Discordに弱点がないわけではない。同社は3年前、多数の極めて人種差別的なユーザーを追い出そうとしたが、プラットフォームを利用して悪意ある表現を広める動きはしつこく続いている(Slate記事)。

2019年半ばまで、白人至上主義者らはこのサービスを十分かつ快適に利用して、Daily Stormer(デイリーストーマー、極右ウェブサイト)の創設者であるAndrew Anglin(アンドリュー・アングリン)氏の声高な主張を正当化することができた。同氏は仲間にサービスの使用をやめるよう促した(archive.today投稿)。

「Discordは極右グループにとって常にそこにある存在であり、利用可能でもあります」とData & Society Research Instituteのメディア操作担当主任研究員であるJoan Donovan(ジョアン・ドノバン)氏は、2018年にSlateで語った。「極右グループが晒しや嫌がらせキャンペーンを組織的に行っている場所です」。

Crunchbaseによると、これまでにDiscordはGreylock、Index Ventures、Spark Capital、Tencent、Benchmarkを含む投資家グループから3億7930万ドル(約400億円)を調達した。

2020年初めに調達した資金に加えて、Discordは新しいユーザーエクスペリエンスを強化し、ユーザーがより簡単にコミュニケーションできるように(そしてZoomと競争できるように)ビデオ機能を追加した。ユーザーがサーバーを作成するテンプレートも提供される。同社は音声とビデオの容量を200%増やした。

このプロダクトにおける新たな取り組みの一環として、Discordは同社が「セーフティセンター」と称するものを立ち上げた。そこで同社の規程や規制、またヘイトスピーチや乱用にサービスが使われているかを監視・管理するためにユーザーが行使可能なアクションを明確に定義している。

「私たちは、白人至上主義者、人種差別主義者、その他の悪用目的でDiscordを利用しようとする人々に対して断固たる行動を取り続けます」と創業者は6月に書いた。

当時TechCrunchが報じたように、Index Venturesの共同創業者であるDanny Rimer(ダニー・ライマー)氏は、Discordのより広いビジョンの提唱者だった。同氏はDiscordの直近の1億ドル(約104億円)の現金注入に応じた投資家グループを率いた。

「私はDiscordがプラットフォームの未来だと思っています。なぜならDiscordは、責任を持ってキュレーションされたサイトが、共通の関心を持つ人々に安全なスペースを提供する方法を示しているからです」とライマー氏は声明で述べた(Index Ventures投稿)。「Facebook(フェイスブック)のように生のコンテンツをあなたに投げかけるのではなく、あなたとあなたの友人に共有体験を提供します。我々はやがて、Slackが職場で起こる会話に対して行ったことと同様に、Discordがソーシャルな会話に対して行ったことを評価するようになるでしょう」。

どうやら、投資家らはその評価に賭けようとしているようだ。

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(翻訳:Mizoguchi

ゲーマー向けチャットサービスのDiscordでの迷惑行為通報が昨年から倍増

Discord(ディスコード)が今年前半6カ月の透明性レポートを発行した。最大の注目は、通報数がほぼ倍増したことで、新型コロナウイルスの感染蔓延中にユーザーが急増し、月間アクティブユーザー1億人を超えたことが主な理由だ。ゲーマー、ストリーマー向けメッセージチャットプラットフォームであるDiscordは、現在評価額35億ドル(約3740億円)程度と言われている。

同レポートによると、Discrodは2020年1~6月の間に23万5000通の通報を受け取り、前回報告した2019年6~12月の12万8000通を2倍近く上回った。

Discordによると、スパムに関連する事象の65%に対して何らかの措置を行い、その結果アカウント400万件を削除した。ハラスメントの事例は13%だった。スパム行為は明確に識別できるが、ハラスメントのような主観的事象は通報の中で「最も行動をとりにくい」部類に入るとDiscordは説明する。

2020年1~6月に対応した通報の割合(画像クレジット:Discord)

それでもDiscordは、ほかのどの通報種別よりもハラスメントに関して多くのユーザーに警告を与えていると語った。Discordは害を与える可能性のある行為に対して、いきなり削除するのではなく警告を発してユーザーを教育している。ほとんどの場合、警告は成功しているようだ。ハラスメントに関する警告を行ったユーザーのうち「削除されるのは3%に過ぎない」とのこと。

Discordは、無断で他人の写真を載せるなど、悪質コンテンツを投稿した16万2621アカウントを削除したとも言っている。なお同社の以前のレポートで、事前のアカウント削除について情報公開していなかったことを人権団体が批判していた(ADL記事)。

ほかにも、搾取的コンテンツの投稿やハッキング、詐欺行為などで5000以上のサーバーを排除したとDiscordは話した。合意を得ていない画像を共有していたネットワークに属していたサーバー700カ所を削除したと同社は言った。「我々のプラットフォームに合意なきポルノの居場所はない。今後もそのようなコミュニティーやそのメンバーに対して迅速な行動を起こしていく」とのことだ。

他のテック企業と異なり、Discrodは警察当局から受けた要求の数を公開していない。

関連記事:評価額3700億円超のDiscordがビデオゲーム縮小の方針でさらに100億円超を調達

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

評価額35億ドルのDiscord、ビデオゲーム縮小の方針でさらに1億ドルを調達

Discordは今後単なるゲーマーのための場としてだけでなく、Slackのソーシャルライフ版として大成するべく取り組んでいる。

新たな1億ドル(約107億円)の資金調達ラウンドが完了し、35億ドル(約3760億円)の評価額となった同社は、新しい売り込み内容と共にゲーマーのための場所(および白人ナショナリストのためのバーチャルな集いの場)としての過去を払拭しようとしている。

現在同社はユーザーベースを監視したり、同社のサービスがゲーマーのためだけのものではないというイメージを促進したりするための自由な資金を手に入れた。「多くのユーザーにとって、弊社のサービスはもはやビデオゲームのためだけのものではないことがわかりました」と、共同創設者のJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏とStanislav Vishnevskiy(スタニスラフ・ヴィシュネフスキー)氏はブログにて述べている

二人の創設者は同社を「自分のコミュニティや友達と共に遊び、話し合うためにデザインされた場所」であり、かつ「何かを学んだりアイデアを共有するなど、人々と共に誠実な会話を交わし質の高い時間を過ごせる場所」だと説明している。

同社のサービスはこれまでもずっとこのような場であったわけではない。3年前、同社は多くの人種差別主義ユーザーを追放しようと試みたのだが、ヘイトスピーチを広めるためにプラットフォームを使用するユーザーは依然として根深く残り続けた。2019年半ばまで白人ナショナリストたちは、極右ネオナチサイトDaily Stormerの創設者、Andrew Anglin(アンドリュー・アングリン)氏のメッセージを正当化するためにこのサービスを存分に利用しており、アングリン氏が彼のフォロワーに向けて同社のサービス使用を止めるよう促したほどである

Data & Society Research Instituteのメディア操作主任研究員であるJoan Donovan(ジョアン・ドノヴァン)氏はオンラインマガジンSlateにて「Discordは常に極右グループの中に存在しています。彼らがドクシングや嫌がらせのキャンペーンの組織化を行う場所となっているのです」と述べている。

Discordによると、これらのユーザーは同社のユーザーベースの中でもごく一部であり、次第に人数も減少していると言う。今ではゲーマーの他、Black Lives Matterの主催者、ソーシャルメディアのインフルエンサーも含まれるようになったとのことだ。

同社によると、今ではこのサービスを利用するアクティブユーザーは1億人を超え、670万台のアクティブサーバーで40億分が会話に費やされていると言う。

Discordの成功は、ソーシャルゲームとソーシャルメディアの急速な成長がもたらしたものである。同社のサーバーはゲームプラットフォーム間でのリアルタイムのコミュニケーションを可能にし、世代を超えたプレーヤーにとっての主要なソーシャルエクスペリエンスの場となった。また、さまざまなソーシャルメディアプラットフォームのインフルエンサーが、ファンとより直接的な関係を持つことができるようにしたのだ。

Taylor Lorenz(テイラー・ローレンツ)氏が、ソーシャルメディアの起業家や有名人の間でDiscordが新たに獲得したファン層について次のような記事を書いている

昨年3月、世界で最も人気のあるビデオゲームライブストリーマーの1人であるNinja(ニンジャ)が、フォートナイトをプレイしながらDiscordの使い方をラッパーのDrake(ドレイク)に教えました。Philip DeFranco(フィリップ・デフランコ)氏、Grace Helbig(グレース・ヘルビッヒ)氏、Try Guys(トライガイズ)などのYouTubeの大物は皆独自のサーバーを持っており、「The Bachelor」や「The Real Housewives」についての話し合いに特化されたサブレディットにも独自のDiscordグループがあります。2億人以上がこのサービスを利用しているのです。

「我々は単に話しをするためにDiscordをデザインしたのです。延々とスクロールしたり、ニュースフィードを見たり、いいねを集めたりするためのものはありません。表示すべきものを算出するアルゴリズムもありません。コミュニティや友人と一緒に過ごす、という感覚や経験を再現するためにDiscordを設計したのです。自分のサーバーに自分が招待した人を集め、個人的な空間を作り出し、自分が設定したトピックについて話し合うのです」と創設者らは言う。

より親切でフレンドリーになったDiscordは、同社の社名とルーツを良い意味で裏切るものとなった。これは投資家の認識をシフトし、潜在的な新ユーザーをサービスに呼び込むための努力の証である。

新たな資金に加え、同社は新しいユーザーエクスペリエンスを強化し、ユーザーがより簡単にコミュニケーションできるようにするためサーバービデオを追加した。ユーザーがサーバーを作成する際に役立つテンプレートを揃え、また音声と動画の容量を200%増やしている。

Discordは製品における新たなフォーカスの一環として、同社の規則や規制を明確に定義し、ヘイトスピーチやスペースの乱用が生じた際にサービスの使用を監視、管理するためにユーザーが実行できるアクションを明確にした「Safety Center」と呼ばれる取り組みを開始した。

「私たちは白人至上主義者、人種差別主義者、そして悪のためにDiscordを使用しようとする人々に対して断固たる行動をとります」と創設者らは述べている。

Discordへの最新の1億ドル(約107億円)の資金注入のため投資家グループを率いたIndex Ventures(インデックスベンチャーズ)の共同創設者であるDanny Rimer(ダニー・ライマー)氏は、Discordがビジョンを広げたことに対し賛同の意を表明している

「Discordはしっかりと責任を持って管理されたサイトなら、共通の関心を持つ人々に安全なスペースを提供できるということを示しており、これこそがプラットフォームの未来であると感じています。Facebookのように単に生のコンテンツを投ずるのではなく、自分と友人が共に体験できるものを同社は提供しています。Slackがプロフェッショナルな会話のために作り出されたものなら、Discordはソーシャルな会話のために生み出されたものだと認識しています」とライマー氏は声明を出している。

Slackと同社の類似点は興味深いもので、両社は共に通信サービスに転換する以前にゲームスタジオとして事業を開始したという背景がある。

ライマー氏はIndex Venturesの最新の投資について説明した文中で、「今年フランスでは、政府公式の試みが失敗した後にDiscordが遠隔学習の主要なアプリとして採用されました。その結果、同社はフランスで3月にアプリダウンロード数のトップ10に達し、現在でもアメリカとイギリスではトップ50に入っています。Discordは次の成長段階に向けた計画を立案中です。今後同社は新たなユーザーやコミュニティにとってさらに包括的で快適なものとなり、また当初から発展に寄与してきたユーザーによって引き続き導かれていくことでしょう」と言及している。

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