Dropbox、2015年のダイバーシティー・レポートを発表。黒人は2%でヒスパニックが5%

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Dropboxがブログ上で2015年版のダイバーシティー・レポートを発表した。高いポジションの女性が増えたと、同レポートでは主張している。VP職に占める女性の割合は25%になっているとのことだ。ただし会社全体でみると女性の割合がむしろ下がっているのは気になるところだ。昨年は海外拠点を含めた前者ベースで女性の占める割合は33.9%となっていた。これが今年は32%に低下しているのだ。

また、黒人やヒスパニックの割合についてみると、確かに数は増えているものの、とてもとても、まったく不満足なレベルにあるといって良い状態だ。昨年、米国Dropboxでの黒人構成比はわずか1%で、ヒスパニックは3.7%に過ぎなかった。今年は多少増えたとはいえ、しかし黒人が2%でヒスパニックが5%にとどまっている。米国Dropboxの技術部門では黒人の割りあいが0.3%から1%に伸び、またヒスパニックは2%から3%となってはいる。

「会社全体でみても、技術部門でみても黒人およびヒスパニックの割合は増えています。確かにいまだに割合としては小さなものですが、しかし進歩しているところを見ていただきたいのです」と、DropboxのCEOであるDrew Houstonおよびダイバーシティー部門でGlobal Headを勤めるJudith Michell Williamsは記している。「もちろんまだまだ改善の余地があることはわかっています。女性やマイノリティーを増やそうとする試みは継続中であり、採用プロセスにてマイノリティーを忌避するようなバイアスは一切ありません」。

意思決定を行えるポジションについてみると、73%が白人となっている。アジア系が15%で、黒人およびヒスパニックはそれぞれ2%に過ぎない。また混血の人の割合は、意思決定の行えるポジションで8%となっている。

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(翻訳:Maeda, H

多様性レポートの欠陥:具体的目標がなく、説明責任を果たしていない

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再び多様性レポートがやってきた。昨日Yahooは、社員の多様性データが悲しいほど昨年と変わっていないことを報告した最新のIT企業となった。

昨年Googleの取り組みに触発されて、主要IT企業は揃って多様性レポートを公開した。昨年最初のレポートを公開したことは、テク業界にとって重要な第一歩だった。その結果業界は、多様性問題の影響範囲を認識し、これに間する公開議論も巻き起こった。透明性と説明責任に対する第一歩を踏み出したことについて企業は賞讃されるべきだ。

しかし一年が過ぎて第2回の多様性レポートが公開された今、どうやら説明責任の部分が欠落しているようだ。

記者たちは口を揃えてこれらの企業が未だに多様化していないことに驚きを表している。企業の反応は、人材輩出のしくみに今も残る性別や人種に関わる長期的問題改善への取り組みを、漠然と約束するだけだ。約束は重要だが、まだ十分ではない。

毎年同じ多色グラフを量産する代わりに、企業は短期的な雇用目標を公表すべきだ。どの会社も、ある年に女性と少数派を何人雇う予定かの内部目標を持つ、いや持つべきである。こうした目標を達成したかどうかが公になれば、株主や消費者は各社が約束を実行しているかどうかを理解しやすくなる。

Yahooの最新レポートを見てみよう。これによると、分布の内訳は昨年から殆ど変わらず、女性社員の割合は昨年と同様で、民族分布もほぼ変わっていない。同社は、管理職チームの24%が女性であることを強調しているが、これは昨年の23%と比べてごくわずかな改善でしかない。

しかしこうした数字は殆ど何も語らない。今年Yahooは女性と少数派を何人雇用したのか? 何人失ったのか? 同じ分析を見せるのではなく、Yahooや他の多様性レポート第2ラウンドを発表する企業は、今年女性と少数派を何人欲しがっていて、結果的にそれを超えたか届かなかったかを公表すべきだ。

多様性レポートの目標は、いつかシリコンバレーの内訳が国全体の労働力分布を映し出す日を迎えるためだ。しかしそれまでの間、企業はもっと具体的な目標を示し、その過程を順調に進んでいるか否かをわれわれに見せる義務がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

PandoraおよびIndiegogoもダイバーシティー(従業員の多様性)レポートをリリース

PandoraおよびIndiegogoが、ダイバーシティーレポート(多様性レポート)をリリースした。これを見ると、双方ともにアフリカ系アメリカ人の割合が低くなっている。レポートのリリースは、同様のレポートを公開している他のテック系企業に追随するものとみて良いだろう。

まずPandoraについていえば、1300名の従業員中、3%がアフリカ系アメリカ人で、4%がヒスパニックとなっている。ちなみにPandoraが拠点をおくオークランドでは、人口の28%がアフリカ系アメリカ人であり、25%がヒスパニックとなっている。さらに幹部職および技術職については、アフリカ系アメリカ人の占める割合はさらに低くなり、それぞれ1.1%および2.8%となっている。尚、ヒスパニックは幹部職にてむしろ割合を増やし、6.3%を占めている。

Indiegogoの従業員は100名ほどだが、アフリカ系アメリカ人の割合は2%となっている。そして幹部職および技術職にはアフリカ系アメリカ人がいないのが現状だ。

アメリカ人口全体でみると、アフリカ系アメリカ人は12.9%を占めているが、従業員中での割合が、人口構成比程度になっているテック企業は多くないようだ。たとえばTwitterFacebook、あるいはGoogleなどでも、従業員中にアフリカ系アメリカ人が占める割合は2%に過ぎない。

このように、人種的な多様性については日常世界から大きく離れているようにみえるものの、今回取り上げている両社にては男女ギャップが小さいようだ。双方のレポートでも、そのことを強調しようとしている。

Pandoraでは、全従業員の約半数が女性であり、幹部職でも40%を女性が占める。Pandoraクラスの規模の会社としては非常に珍しい数字だと言うことができる。但し、技術職に占める女性の割合は低く、18%となっているようだ。

またIndiegogoの方は技術職にても33%を女性が占めるとしている。これは、他にダイバーシティーレポートを公開しているさまざまな企業よりも高い割合となっている。

比較のためにみておくと、Twitterの技術職中で女性が占める割合は10%となっている。この数字はSnapchat(15%程度)、Facebook(15%)、そしてGoogle(17%)など他社でもさほど上がっていない。PinterestおよびeBayでは技術職の20%以上が女性であるとしている。しかしIndiegogoの30%超にせまる数値を見つけることは難しい。

但し、こうしたデータを見る際には、Indiegogoの従業員数の少なさも意識しておくべきだろう。人数にすれば、女性技術職は30名ほどに過ぎないのだ。しかしIndiegogoとしては、企業規模を拡大しながらも男女に等しく門戸を開き、従業員の多様性を維持していきたい考えであるとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H