グーグルらが実店舗を簡単にオンライン化するインドのDotPeに約30.1億円投資

Googleのインドにおける最新の投資は、企業のオンライン化を助けるスタートアップだ。

現地時間3月26日、創業1年でグルガオンに拠点を置くDotPeが、シリーズAで2750万ドル(約30億1000万円)を調達したことを発表した。ラウンドをリードしたのはPayUで、これまでの投資家であるInfo Edge VenturesとGoogleが参加している。

この今や約9000万ドル(約98億7000万円)の価値が付く若きスタートアップは、路上の実店舗がオンラインでも販売を行い、デジタルで決済できるようにする。

インドの多くのスタートアップが現在解決しようとしている問題だが、DotPeにはさらにいくつかの魅力がある。これにより、販売業者は在庫をスキャンし、オンラインで迅速にログを作成できる。

カタログが用意できたら、店はWhatsAppでそれを公開し、顧客に届ける。WhatsAppはインドで人気最大のスマートフォンアプリで、ユーザーは4億5000万人以上いる。DotPeは、ユーザーの商業者がGoogleの検索結果にも出るようにする。

PayUの元共同創業者でマネージングディレクターのShailaz Nag(シャイラズ・ナグ)氏が共同設立したこのスタートアップは、近所の店が来店客から支払いを集めることを可能にし、顧客のエンゲージメントを高めるためにポイントや割引を提供するツールを備えている。

「この新しいパートナーシップにより、企業はより発見しやすくなり、ビジネスの道が広がり、これまでにない商取引を行うことができるようになります」とナグ氏はいう。「パンデミックであろうとなかろうと、私たちはオフラインビジネスのあり方を再考し、すべての起業家にデジタル革命をもたらすためにここにいます」。

画像クレジット:DotPe

DotPeの場合、店はアプリをインストールしなくてもよいため、これまでの6カ月で500万を超える事業者が利用した。それらの店では、リピーターからのオーダーの38%がオンラインからになっている。

インドPayUのCEOであるAnirban Mukherjee(アニルバン・ムカルジー)氏は「DotPeはその非の打ち所のないプロダクト体験とイノベーションで、非常に短期間に将来性に富む商業者ベースを獲得しました」と述べている。

Google India担当の副社長で、国別ではインドのトップであるSanjay Gupta(サンジェイ・グプタ)氏は声明で、同社のDotPeへの投資は「万人の利益になるさらに包括的で差別のないデジタル経済を作るという目標を、インドのスタートアップのエコシステムと一緒に実現する」というGoogleのポリシーを表している、と述べている。

Googleは2020年、ユーザー数では最大の市場であるインド向けの100億ドル(約1兆960億円)のファンドを発表した。AndroidのメーカーでもあるGoogleは、インドで他にも数社のスタートアップに投資しており、その中にはハイパーローカルなデリバリー企業Dunzoや、InMobi GroupのGlanceやDailyHuntがいる。

DotPeによると、同社は新しい資金を、同社のサービスがインドのもっと多くの商業者に到達し、その技術スタックを需要の成長に合わせてスケールすることに充てたい、という。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:DotPeインドeコマースGoogle投資

画像クレジット:ANNA ZIEMINSKI/AFP/Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)