DxOMarkのピクセルピーパー(pixel-peeper, デジタルフォト技術者/マニア)たちが、スマートフォンの写真の人工的なぼけの質を判定するおもしろい測度とテクニックを紹介している。ぼけの評価自体も難しいが、彼らはそのやり方を体系化したのだ! 彼らのガイドはベテランの撮影者にも、計算機が作り出すぼけと、そのさまざまな違いについて、いろんなことを教えてくれるだろう。
ふつうこの効果は、良いレンズをつけたSLRの絞りをいっぱいに開いて撮ると得られる。背景がなめらかにぼけて、しかしライトポイント(光が当たってるところ)の形はよく分かる。
最近では各メーカーの主要機種にほとんど必ずある、背景の人工的なぼけの利点と不利は、デュアルカメラという技術に起因している。一つのシーンを二つのカメラで撮ると、その情報を使って深度マップを捉えることができ、そうすると一定の距離よりも向こうをぼかせられる。そしてSLRの撮影効果の、まあまあのシミュレーションが出来上がる。
しかしもちろん、そのやり方には巧拙がある。この人工的な方法を採ったことの証拠がいくつかあり、DxOMarkのチームはそれらを見つけて評価に使っている。証拠のいくつかは当然あるもの。しかし、やや意外なのもある。彼らのクレージーなテストのセットアップは、それらの‘異状’をすべてあぶり出す。
たとえば、たぶんご存知と思うが、この人工的ぼけシステムは、ぼかしてはならないものをぼかすことがある。髪の毛やそのカール、植物の近くの手、など。それはもちろん的外れだが、しかし背景の本物のぼけは焦点の前後にかけてなめらかに大きくなり、焦点近くのものはわずかにぼける程度、そして遠くのライトは単なる円形のにじみになってしまう。
スマートフォンがそれをシミュレートするためには、シーン内のあらゆるものの深度マップを計算する必要がある。そしてそれに基づいて、漸進的にぼかしていく。しかしそんな処理は時間と電池を食うから、実際にそれをやっている機種はほとんどない。ではなぜその光学的現象を模倣するのか、というと、そうしないといけないトレンドだからだ。そしてDxOMarkは、その努力の結果を格付けする。
この記事では、ほんの少しのことしか書けなかったが、詳しくはこれを読んでいただきたい。そうすると次にこのサイトのレビューを見たとき、その点数の理由が分かるだろう。