拡張現実(augmented reality, AR)の実用的な用途は画面にPokémonを出すことだけではない、ということにやっと誰かが気づいたようだ。オークションの大手Ebayが今日(米国時間3/19)導入したAR応用機能は、売り手が自分の商品を発送するのに最適のボックスを見つけるお手伝いをする。同社によると、商品はバックパックでもキッチン用品でも自動車部品でも何でもよい。とにかくUSPS(≒“郵便”)の定額料金でそれを送れるのに最適な箱を早く見つけて、時間を節約してくれる。
Ebayによると、これにより売り手は、いちいち郵便局へ行って正しいサイズの箱を探す必要がなくなり、送料も発送作業の現場で分かる。
この機能は、GoogleのARCoreを使った初期のアプリのひとつで、現在はARCoreに対応しているAndroidデバイスでしか使えない。
ARCoreはAppleのARKitに対抗するGoogleのAR SDKで、今年の2月に一般公開され、今ではその1.0を全世界に1億台あまりあるAndroidデバイスが利用できる。その主な機種は、Pixel, Pixel XL, Pixel 2, Pixel 2 XL, Galaxy S8, S8+, Note8, S7, S7 edge, LGE’s V30, V30+(Android Oのみ), ASUS Zenfone AR, OnePlus 5などだ。
このARを利用した発送機能は、スマートフォンの距離計機能や地図機能を利用して現在地を知り、移動した距離や方向を知ることもできるそうだ。
使い方は、このアプリを開いたら“Selling”をタップし、次いで“Which Box?”をタップ、するとアプリは、品物を反射のない平らな面の上に置け、と指示する。テーブルや床の上でよいだろう。次に、その品物のまわりに仮想ボックスを作って、どの箱が合うかを見つける。緩衝材の必要な品物なら、そのぶんのスペースも考慮する。
品物に仮想のボックスをかぶせたら、その状態で箱の上下や左右を見て、はみ出しがないかチェックできる。
Ebayによると、このAR利用の発送機能は、同社の例年のハックウィークのときに作られ、今年いくつかあったAR応用作品の中で唯一採用された。iOS版も今作っているそうだが、スケジュール等は未定だ。