これで自分の感情を表現するのがもっと簡単になるかもしれない。現実の複雑な状況や感情を単純化しすぎるものだという批判も出るだろう。
今日(米国時間4/9)、Facebookは自分が現在やっていることやムードをアイコン(エモーティコン)で表現するオプションを近況アップデート窓に追加した。ドロップダウン・メニューからさまざまなエモーティコンが選択できる。
Facebookがこのオプションをテストし始めたのは今年の1月だが、これまではスクリーンショットしか公開情報がなかった。現在アメリカで一般ユーザーへの公開が始まっているが、おそらく他の地域にも拡大されるのだろう。[アップデート:Facebookは私の問い合わせに対して「われわれはこの機能をアメリカで一般ユーザーに公開中だ」と確認した。] この件に関するネットへの投稿はほとんどはアメリカ居住者からで、昔のMyspaceのムード共有機能に似ているという声が多い。
この機能が公開されたユーザーの場合、デスクトップでもモバイルでも、「写真を追加」と「プライバシー設定」のアイコンの間にニコチャン・マークのアイコンが表示される。
このエモーティコンは「今のどんな気分? 何を見ている? 聴いている? 飲んでいる? 食べている?」から選べる。それぞれクレリックするとサブメニューが開く。自分で補足入力もできる。共有するとそのエモーティコンが投稿に表示される。あるいはゲームをしているならそのページへのリンクが表示される。
エモーティコンを利用すると小さいポップアップが開き、「この機能を利用した情報はプロフィールその他のFacebookのページにも表示されます」という注意書が表示される。つまりFacebookページの推薦やグラフ検索、そしてFacebook広告として公開される可能性があるということだ。この機能のビジネスの側面についてはこの機能が一般ユーザーに広く公開されてから研究することにしたい。
Facebookがわれれわれの感情まで正確に把握できるようになれば、悲しいときやコーヒーを飲んでいるときに、それに応じてアルゴリズが調整されてティッシュペーパーの広告が表示されるようになるかもしれない。しかし同時に、この機能はソーシャルメディアにおけるコミュケーションに2つの側面で重要な影響を与えそうだ。われわれは今自分が何をしているか語るのが好きだ。どんな音楽を聴いているか、どんなテレビ番組を視ているか、どんな場所で酔っ払っているか、等々だ。そういった情報を分類しタグづけして簡単に共有できるようになれば、ソーシャルな会話はいっそう緊密になるだろう。
最近の私のお気に入りのミュージシャンはRobert Delongだが、いちいちその名前で検索しないでも、「今何を聴いている」のドロップダウンから自動補完で簡単に共有できる。私の友達はこの投稿をクリックしてDelongのFacebookプロフィールページを訪問し、再生ボタンをクリックすれば好みのストリーミング・サービスで楽曲の再生が始まる。いちいち検索してYouTubeのリンクを投稿にコピペする必要がない。すべて近況アップデート窓の中だけですむ。
感情のエモーティコンはやや微妙な問題をはらんでいるかもしれない。感嘆符や罵り言葉を多用するタイプのユーザーにとって感情ははっきりしている。 ワンクリックで感情が表現できるのはこういうユーザーにとっては便利だろう。しかし表現するのが難しい感情を持つ場合も多々ある。退屈しているのでなければびっくり仰天しているといった2分法が不適当な場面も多いだろう。
しかし事前に用意されたエモーティコンがあれば、以前より感情の表現が容易になる場合もある。Facebookにとってはそれで十分ということだろう。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)