先週の金曜日にヨーロッパ対Facebookというキャンペーン・グループがFacebookを標的とした新たな法廷闘争を開始した。このグループはアメリカとカナダ以外の地域に居住する成人の非商用Facebookユーザーに対し、集団訴訟に参加するよう呼びかけた。
今日、グループがTechCrunchに提供してきた情報によると、この集団訴訟にはすでに1万1000人が参加したという。国別にみると、約半数はドイツ語圏で、これにオランダ、フィンランド、イギリスが続く。
このグループは特に以下のような点をFacebookによる不法行為だと主張している。
- Facebookのデータ利用約款はEU法に照らして無効
- 多くのデータ再利用について実質的な同意を得ていない
- NSAのPRISM監視プログラムに協力した
- (「いいね!」ボタンなどのツールにより)Facebookサイト外でユーザーの行動を追跡している
- ビッグデータ処理によりユーザー行動を監視し、解析している
- 「グラフ検索」の導入は不法
- 同意を得ずにユーザーデータを外部アプリに引き渡している
この訴訟はFacebookのアイルランド子会社を被告としてオーストリアのウィーンの商事裁判所に起こされた。原告は「ヨーロッパ対Facebook」グループの代表であり、ウィーンを本拠にする弁護士、プライバシー活動家のMax Schremsだ。実際の訴訟活動を行うのはSchremsだけで、他の訴訟参加者はなんら義務を負わない。訴訟のコストはオーストリアの法律事務所、ROLAND ProzessFinanz AGが負担している(勝訴した場合、賠償額の20%を得る)。
賠償金額は1ユーザーあたり500ユーロと意図的に少額に抑えられている。しかし訴訟参加者の数が増えれば巨額になり得る。現在の1万1000人の参加者でも総額は550万ユーロ(7億5671万円)だ。
訴訟に参加するためにはFacebookのアカウントを持っていることと同時に住所、氏名、生年月日(成人であること)などかなりの個人情報が必要だ。また身元を証明するためにパスポートなど政府発行の身分証明書をアップロードする必要がある。こうした面倒な手続が必要であるにもかかわらず、わずか数日で1万1000人もの訴訟参加者が集まったのには驚かされる。
Schremsは訴訟の場所としてFacebookのヨーロッパ本部が置かれているアイルランドではなくオーストリアを選んだことについて「アイルランドはIT産業振興の点からFacebookに過剰に肩入れしているからだ」と述べた。
【後略】
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)