Webサイトのパフォーマンス向上/最適化のための各種サービスを提供するCloudFlareが、Fidelityがリードするラウンドにより1億1000万ドルを調達した。このラウンドに参加したのは、Baidu、Google、Microsoft、Qualcommなどテク業界の大物揃いだ。完了したのは昨年12月だが、公表は今日(米国時間9/22)まで延ばされた。これで同社の資金調達総額は1億8000万ドルあまりとなる。
この急成長を続けているスタートアップは、今では30か国以上で操業し、本誌TechCrunchが得た情報によると、インターネットの全トラフィックの約5%を処理している。同社はこの前、2013年の後半に、5000万ドルのラウンドを確保した。
CloudFlareがローンチしたのはTechCrunch Disrupt SF 2010で、いわばわれわれが毎年…今年も…力を注いでいるイベントの同窓生だ。同社は財務状況に関して気持ち良いぐらいオープンで、黒字に転じたのは2014年、今の粗利率は75%だそうだ。
これほどの利益を上げている企業が、国際展開を急ぐのは、おかしいかもしれない。でも同社は、グローバルな成長も著しく、しかも必要とする資金がいつでも得られるという、超健康な体質だ。
今度の新しい資金調達は、テク業界のバブルがささやかれている時期に行われた。今では多くのジャーナリストがバブルを口にし、投資家たちを不安がらせている。しかし1億1000万ドルは大金だが、Uberの10億ドルクラスの調達を見れば、バブルというよりも正常の範囲内だろう。
同社の国際展開にはいつも、ある種の要件が伴っている。たとえば今回Baiduからの投資を受け入れたことは、偶然ではない。中国はWebにとって巨大な市場だが、そこでビジネスをするのは、そのほかの国ほど単純ではない。だから政府の受けの良い地元の巨大テクノロジ企業とのパートナーシップは、悪い戦略ではない。
先週CloudFlareが発表したように、同社はBaiduとのパートナーシップにより中国市場に参入する。今ではCloudFlareは中国のBaiduの17のデータセンターにプレゼンスがあり、その数は2016年にはさらに増えるという。
CloudFlareのCEO Matthew Princeはプレスリリースの中で、“ビジネスには不可避なものがある”、と言っている。Webは今やデスクトップのインターネットだけでなく、膨大な量で成長しているモバイルもあるから、それもある意味当然だが、ここで言われている不可避性は、ビジネスよりもむしろ市場を指している。CloudFlareは競合の渦中にあり、今の成功のみが明日の成長を支える、と。
絶えず成長していなければならない、という厄介な問題。
CloudFlareは明日((米国時間9/23)のDisruptのステージに登場するから、財務や成長、拡張の計画について詳しく聞いてみよう。同社は国際展開とモバイルを成長の方向性として強調している。彼らにとってインターネットは今や、グローバルだ。