機械学習スタートアップ9社がシアトルで行われるMicrosoft Acceleratorでピッチを競う

Seattle Skyline

Microsoft AcceleratorのMachine Learning Demo Day(機械学習デモデー)が、6月2日木曜日からシアトルのShowbox SoDoで開催される。

The Microsoft Acceleratorは3週間から6週間の集中的なプログラムで、起業家たちの会社興しと顧客開拓、そしてグローバルな成長を支援する。アクセラレータは、バンガロール、北京、ベルリン、テルアビブなど世界の7都市で展開される。多くはエンタープライズをターゲットとするスタートアップが対象だが、シアトルのデモデーは機械学習を利用する企業が対象だ。

投資家たちやプレスを前に、天然ガスのパイプラインやオンデマンド医療など、9社がピッチ(売り込み)を行う。デモが行われるのは太平洋時間午後5:40-6:40pmで、本誌もライブで実況する。

[出場順]

OneBridge Solutions — 天然ガスなど有害な液体のパイプラインの予測的分析を行う。

Agolo — ニュースとドキュメントと企業のデータを組み合わせてリアルタイムでサマリーを作る。

simMachine — データ分析の結果を今後の予測や取るべき対策と共に分かりやすく視覚化する。

DefinedCrowd — データサイエンティストたちのためのデータ収集を自動化高速化し、AIの研究者たちとデベロッパーを助ける。

Knomos — 法律知識の管理を強化する。

MedWhat — 仮想医療アシスタント。

Plexuss — 大学の学生募集活動に革命をもたらす機械学習プラットホーム。

Affinio — 関心グラフを利用して今日の消費者文化を理解し、マーケティングインテリジェンスを充実強化する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

本誌Disruptからの成長企業CloudFlareが$110Mの巨額を調達、Microsoft、Google、Baidu、Qualcommが投資に参加

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Webサイトのパフォーマンス向上/最適化のための各種サービスを提供するCloudFlareが、Fidelityがリードするラウンドにより1億1000万ドルを調達した。このラウンドに参加したのは、Baidu、Google、Microsoft、Qualcommなどテク業界の大物揃いだ。完了したのは昨年12月だが、公表は今日(米国時間9/22)まで延ばされた。これで同社の資金調達総額は1億8000万ドルあまりとなる。

この急成長を続けているスタートアップは、今では30か国以上で操業し、本誌TechCrunchが得た情報によると、インターネットの全トラフィックの約5%を処理している。同社はこの前、2013年の後半に、5000万ドルのラウンドを確保した

CloudFlareがローンチしたのはTechCrunch Disrupt SF 2010で、いわばわれわれが毎年…今年も…力を注いでいるイベントの同窓生だ。同社は財務状況に関して気持ち良いぐらいオープンで、黒字に転じたのは2014年、今の粗利率は75%だそうだ。

これほどの利益を上げている企業が、国際展開を急ぐのは、おかしいかもしれない。でも同社は、グローバルな成長も著しく、しかも必要とする資金がいつでも得られるという、超健康な体質だ。

今度の新しい資金調達は、テク業界のバブルがささやかれている時期に行われた。今では多くのジャーナリストがバブルを口にし、投資家たちを不安がらせている。しかし1億1000万ドルは大金だが、Uberの10億ドルクラスの調達を見れば、バブルというよりも正常の範囲内だろう。

同社の国際展開にはいつも、ある種の要件が伴っている。たとえば今回Baiduからの投資を受け入れたことは、偶然ではない。中国はWebにとって巨大な市場だが、そこでビジネスをするのは、そのほかの国ほど単純ではない。だから政府の受けの良い地元の巨大テクノロジ企業とのパートナーシップは、悪い戦略ではない。

先週CloudFlareが発表したように、同社はBaiduとのパートナーシップにより中国市場に参入する。今ではCloudFlareは中国のBaiduの17のデータセンターにプレゼンスがあり、その数は2016年にはさらに増えるという。

CloudFlareのCEO Matthew Princeはプレスリリースの中で、“ビジネスには不可避なものがある”、と言っている。Webは今やデスクトップのインターネットだけでなく、膨大な量で成長しているモバイルもあるから、それもある意味当然だが、ここで言われている不可避性は、ビジネスよりもむしろ市場を指している。CloudFlareは競合の渦中にあり、今の成功のみが明日の成長を支える、と。

絶えず成長していなければならない、という厄介な問題。

CloudFlareは明日((米国時間9/23)のDisruptのステージに登場するから、財務や成長、拡張の計画について詳しく聞いてみよう。同社は国際展開とモバイルを成長の方向性として強調している。彼らにとってインターネットは今や、グローバルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

テルアビブやロンドンに続いて東京で拠点設置の可能性は? Microsoft Venturesに聞いた

Microsoft Venturesは現在、世界6拠点でアクセラレータープログラムを走らせている。ロンドン、パリ、北京、バンガロール、テルアビブ、ベルリンの各都市だ。元々「BizSpark」という名称でスタートアップ向け支援をしてきたし、2年前からはテルアビブにはMicrosoft Acceleratorを開始していたMicrosoftが、技術やビジネス面でスタートアップ向けの支援をするために2013年に新たなブランディングで開始したのがMicrosoft Venturesだ。

アクセラレータープログラムは3カ月から4カ月、3人のMicrosoftの社員を入れて運営する。1度に10社から20社を一気に顧客開発やマーケ面で支援する。Microsoft Ventures自体は、対象とするスタートアップの幅は広くて、シード期から始まってシリーズA、Bと成長するスタートアップのライフサイクル全体を支援する。その範囲は技術支援のほか、資金提供やユーザー獲得、大企業とのパイプ作りまで幅広い。申請するには、最低限チームに技術者と戦略面の人がいること、しっかりしたビジョンがあること。Microsoftの技術を使っている必要はないそうだ。

このプログラムの発表時には上に上げた6拠点のうち、5拠点の名前があり、そのほかに拡大予定の都市として、ベルリン、モスクワ、リオデジャネイロの名前があがっていた。

では、東京でアクセラレータープログラムを開始する可能性はないのだろうか?

自社イベントのために来日中だったMicrosoft Venturesプリンシパルのアヤ・ズーク氏(Aya Zook)に聞いたのだが、「その地域のスタートアップがどういう状況かを見極めて決める」ということだ。実はズーク氏は、直前に札幌で行われていたInfinity Ventures Summit 2014 Spring(IVS)にも参加しており、日本のスタートアップシーンの成熟度を視察に来たという。「国境なきイノベーションと呼んでいるんですが、シリコンバレーに来ないと成功できないよという時代じゃないですよね」。

「その地域のスタートアップシーンが、ライフサイクルの辺りなのかというのを見ています。これから伸びるのではないかというところに入るのが、いちばんわれわれのバリューを出せる。たとえばインドなんかだと、2年前に始めた頃は、今のように、まだ外部から人が入っていませんでした」

「日本にはエンジニアのタレントが豊富。人材も資金も技術もあって、非常に成熟しています。札幌のイベントに行ってビックリしました。メンターもいる、VCもいる、後進を育てる姿勢の経営者もいる。じゃあ何が足りないのか? ポテンシャルが高すぎて、よく分かりません。ほかの都市と、あまりにも違うのですね。たとえばバンガロールだと、2年でこのぐらい行けるというのが分かりましたが、東京が今どういう段階にあって、何年でどうなるというのは分からない。アメリカだとシアトルがそうですが、リソースが豊富だと起業したりしないのかもしれませんね。そうやって成熟している一方、カルチャー面が追いついてないように思います。スタートアップ企業というのはコケてもいいんだ、というカルチャーが浸透していません」

シアトルはMicrosoftのお膝元。アマゾン本社や、大きなグーグルの拠点もあり、IT企業に勤める人の数は多いが、シリコンバレーのように起業家密度が高くない。

Microsoft Venturesでは、各都市で支援するにあたって地域のカラーを引き出すということを意識しているそうだ。「たとえばベルリンだと、金融やファッション、デザインが強い。そういう会社が集まってくる」

では、東京は?

「ロボティクスとAIが進んでいるような印象を受けている。人間が、この先コンピューターとどうかかわっていくのか、ということを日本人はすごく良く考えていると思う」

アヤ・ズーク氏は、実は父親がアメリカ人、母親が日本人で、日本語はほぼネイティブ。日本とアメリカの両方を見ているズーク氏にとって、日本はどう見えているのだろうか?

「日本はグローバルに何かを発信する実績がありますよね。技術面でも文化面でも、この規模の民族が与えた影響って、ほかにいないのでは。スタートアップという手段を使って、また世界をあっと言わせるようなものが出てくると信じています。リスクを恐れず頑張ってほしいと思います」