Paidyが総額150億円の大型調達、オンライン決済で大型加盟店との取引拡大目指す

後払いサービスを提供しているPaidy(ペイディー)は10月31日、総額150億円を調達したことを発表した。内訳は、シリーズCエクステンションによる第三者割当増資で90億円、デットファイナンス(借入金)での66億円となる。同社はこの資金を使って、大型の加盟店との取引拡大のほか、2020年までにユーザーを1100万アカウントまで増やすことを目指す。

第三者割当増資の引き受け先は、PayPal Venturesのほか、Soros Capital ManagementやJS Capital Management、Tybourne Capital Management、および匿名の投資家が含まれる。デットファイナンスは、Goldman Sachs Japan(ゴールドマン・サックス・ジャパン)やみずほ銀行、三井住友銀行、住友三井信託銀行からのものだ。

Paidyによると、今回の資金調達は国内のフィンテック企業への最大の投資で、同社への総投資額は累計156億円になる。同社によると、シリーズDではなく昨年のシリーズCのエクステンション(増額)を選んだのは既存の投資家の株式保有率を維持するためであり、そのために前の投資ラウンドと同じ優先株を発行した。

2014年に創業したPaidyは、日本の消費者の多くがeコマースの決済にクレジットカードをあまり使わないことに着目。日本のクレジットカードの普及率は比較的高いものの、ネットでの買い物は代引きや、コンビニのような受け取り場所を使う人が多い。消費者にとってはそのほうが楽だが、売る側はまだ代金が払われていない商品を送る必要があるほか、配達事故にも対応しなければならない。

ネットショップがPaidyでの決済対応していれば、消費者はそのストアのアカウントを作成や、クレジットカードの登録が不要で商品代金を支払える。利用者は、携帯電話番号とメールアドレスを入力するだけでOKで、SMSや音声で送られるコードで認証する仕組みだ。商品の代金はPaidyが払い、毎月決められた日に顧客に請求される。Paidyは機械学習の独自のモデルを使ってユーザーの信用を計り、未払い事故を減らす。またコンバージョン率や平均購買単価、それにリピート購入が増える。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

企業の財務分析の「脱Excel」を目指すThinknumが$1Mを調達、プライベートスペースとポートフォリオツールをローンチ

21世紀の企業の財務分析をMicrosoft Excelから卒業させたいと、決意したフィンテック(fintech, financial tech)スタートアップThinknumが、同社の将来に賭ける投資家Pejman Mar Venturesが率いる投資ラウンドにより100万ドルのシード資金を獲得した(同VCはこれまで、DropboxZooskLending Clubなどのシードも担当した)。今回のラウンドに参加したそのほかの投資家は、Signature CapitalGreen Visor Capital500 Startups、645 Angels、そしてHKB Capitalだ。資金は主に、ソフトウェア技術者の増員に充てられる。

2013年にGregory UgwiJustin Zhenが創業したThinknumは、財務分析をスプレッドシートの縛りから解き放ち、経営を数値で把握するためのもっと良いツールを企業に提供したい、と考えている。それは、重要な財務データへのアクセス性が良くて、しかも、スプレッドシートをあっちこっちやりとりすることに比べて、ずっと良質なコラボレーションや情報共有が可能なツールだ。また、グローバルな投資コミュニティとは無縁な途上国の企業にも、優れた財務分析ツールを提供していきたい、と願っている。

 

 

本誌は今年の3月にThinknumを比較的詳しく紹介したことがある。

しかしその後同社はユーザインタフェイスを一新し、企業のためのプライベートな(非公開、外部アクセスなし、社内コラボレーションのみの)ワークスペースを月額200ドルでローンチした。またその一方、数千にものぼる公開企業の業績や財務状況を分析し比較できるポートフォリオツールもリリースした。それらの分析モデルにはユーザが作って提供しているものも多く、今では合衆国の公開企業の92%をカバーしている。

Zhenはこう述べる、“GregとぼくがThinknumを始めたのは、自分たちがウォール街のアナリストでありながら、ユーザが独自のデータを作ったり分析できる、柔軟性が大きく視界の広いツールがどこにもないことに気づいたからだ。今は、専門家のトレーダーやアナリストでさえも、スプレッドシートの即席の曲芸でモデル作りをやっている。ThinknumはWeb上で財務モデルの制作や操作ができる初めてのツールだ。財務データの市場は250億ドル規模の市場だが、それをディスラプトしたい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. <A H