リモートで働く新入社員向けのハードウェア選択・配布を支援するFirstbaseが約60億円調達

Firstbase(ファーストベース)は米国時間3月25日、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)が主導するシリーズBラウンドの資金調達を発表した。TechCrunchが同社のシリーズAを取材したのは1年前、世の中のリモートワークシフトが本格化した頃だった。

現在、よりハイブリッドな世界で、大小の企業がオフィス内の社員と在宅勤務の社員のバランスをどのようにとるかを考えており、我々はFirstbaseがどのように将来計画を立てているかに興味があった。

このスタートアップは、遠隔地にいるスタッフの入社を支援し、必要なハードウェアを必要なときに受け取れるようにするための支援を行っている。パンデミック時に転職した人なら、テクノロジー製品を新入社員に届けるのは必ずしも簡単なプロセスではないことを知っているだろう。この問題は、オフィスと個人の物理的な距離が遠くなる程、より複雑になる。

前回話したときから、同社は機能の幅を広げている。Firstbaseは、現在も顧客の新入社員がハードウェアを選ぶのを手伝い、出荷や回収、管理を担当している。そして、その提供内容に融資が加わった。現在、Firstbaseは、顧客が通常料金で、新入社員のハードウェアや、家具など遠隔地にあるオフィス周辺機器の購入代金を支払うことができるようにしている。

ハイブリッド時代の成長

Firstbaseにとって重要なのは、部分的にオフィスに戻りつつある世の中にどう適合していくかということだ。2021年4月以降の16倍の収益成長、同様の期間での7倍の顧客増加など、最近の四半期でスタートアップ級の指標を掲げた後、市場はFirstbaseの遠隔従業員サービス製品を以前より歓迎しなくなるのだろうか。

創業者兼CEOのChris Herd(クリス・ハード)氏はTechCrunchに、ハイブリッドな労働力を持つ企業は、Firstbaseを、オフィス内の従業員だけでなく、自宅から働く従業員にもハードウェアを供給していると語った。TechCrunchは、平均的な企業がどこに向かっているのかをより良く把握するために、リモートファーストの企業とハイブリッドスタイルの企業の間の顧客分布について同社に尋ねた。ハード氏によると、Firstbaseの顧客構成はかなり均等であるが、ハイブリッド型と言われる企業の中には、依然としてリモートワークが大半を占めている企業もあるという。

仕事の未来はまだ流動的だ。

しかし、Firstbaseが構築しているものは、オフィスの世界にきちんと適合する可能性がある。このスタートアップは、米国、英国、ヨーロッパで倉庫を拡張することを計画している。この物理的なフットプリントによって、同社は従業員との間でのデバイスの流れを管理し、必要性から納品までのタイムラグを抑えることができる。世界的なチップ不足の中、重要なサプライチェーン業務を第三者に任せることは、より多くのオフィスなど現実世界での労働力を求める企業にとっても魅力的であることがわかる。

TechCrunchは、Firstbaseが現在の活動に加えて、モバイルデバイス管理(MDM)ビジネスに参入する計画があるかどうかに興味があった。Jamf(ジャムフ)のようなMDMは、現在公開されているが、デバイスの物理的な配送やケアに関わるよりも、デバイス上でより多くの仕事をする。ハード氏は、2年前、MDM機能の構築は検討事項であったと述べている。しかし、その間にFirstbaseは、顧客が既存のMDM製品やHRIS(人事情報システム)ソフトウェアシステムを置き換えるのではなく、それらのシステムにプラグインすることを望んでいることを知った、と彼はいう。

もしFirstbaseがMDMツールを持たない中小企業に十分な販売をすれば、やがて小規模な顧客向けにシンプルなものを構築できるかもしれない。

とはいえ、シリーズAやBステージのスタートアップ企業との取引を想定していた同社は、数百人、数千人の従業員を雇用する顧客へと成熟度を高めていると、ハード氏は述べている。これは、5桁の取引ではなく、6桁の取引を意味すると、彼は言った。非公開企業は通常、このような一般的な指標以上のものを共有しないが、このケースでは、会社の最近の成長率を説明するのに役立っている。

Firstbaseは、ソフトウェア、ハードウェア、金融技術を巧みに組み合わせた企業だ。そのため、粗利やその他の経済的な詳細を推測するのは困難だ。誰かがデッキをリークするか、あるいはできるだけ早く会社が公開され、我々がデータを覗き見ることができるようになることを願う。

画像クレジット:filmstudio / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Yuta Kaminishi)

リモートワークに必要なツールとサポートを提供するFirstbaseが約14億円調達、フィンテックから方向転換

FirstbaseのファウンダーTrey Bastian(トレイ・バスティアン)氏とChris Herd(クリス・ハード)氏(画像クレジット:Firstbase)

将来、 筆者がきちんと頻繁に通勤する可能性はゼロだ。あまりに非効率的である。従業員と雇用主は、リモートワークの問題に関して立場が若干違うものの、新型コロナウイルスのパンデミックは将来にわたり職場環境を揺るがした。新型コロナ以前のノーマルな状態には戻らないだろう。

Firstbase(ファーストベース)は、オフィスに戻らず遠隔地から働き続ける従業員らを支援するために、ソフトウェアとハ​​ードウェアのソリューションを開発して、リモートの従業員に必要なツールとサポートをすばやく提供している。同社は米国時間4月29日、Andreessen Horowitz(アンドリーセンホロウィッツ)がリードする1300万ドル(約14億円)のシリーズAをクローズしたと発表した。B Capital GroupとAlpaca VCもこのラウンドで資本を投入した。TechCrunchがFirstbaseの風を最初に捉えたのは、同社が2020年半ばにAcceleprisのアクセラレーターコホートに参加したときだった。

注目すべきはFirstbaseが、現在特化している製品から始めたわけではないということだ。スタートアップの間では一般的だが、同社もまったく違うものとして生まれた。元々はフィンテック寄りだったが、2018年にリモートワークに関わり始めた。だがそのエクスペリエンスは輝かしいものではなかった、とFirstbaseの共同創業者でCEOのChris Herd(クリス・ハード)氏がTechCrunchに語った。従業員に必要なテクノロジーを提供するのは難しいし、会社を辞めてしまうとそれを取り戻すのも難しいと彼は説明した。

同社はその後、フィンテックへ注ぎ込む資金と時間は少ないままに、リモートスタッフのハードウェアとソフトウェアのニーズをサポートするために開発した社内の技術の一部が幅広い用途を持つ可能性に気づいた。Firstbaseは2019年後半に方向転換し、2020年3月の時点でハード氏はTechCrunchに、同社の順番待ちリストは600社に上ると語った。以来、その数は数倍になった。

同社の製品は二重構造になっている。これは、リモートワーカーが利用するハードウェア資産を企業が追跡・管理するのに役立つソフトウェアサービスだ。また、ハードウェアにソフトウェアをプレインストールしたうえで従業員に渡し、リモートITサポートを提供できるハードウェアサービスでもある。特に、顧客は、FirstbaseのソフトウェアのみをSaaSベースで料金を支払い利用することも、ソフトウェアとハ​​ードウェアの両方を利用することもできる。

Firstbaseの粗利益には2つの源泉がある。ソフトウェア事業はもちろんソフトウェア収入を生み出すが、ハードウェア事業からも粗利益を生み出すことができるとハード氏は説明した。同社のモデルのハードウェア部分は、ソフトウェアコンポーネントに比べ、まだ初期段階にあるように見える。Firstbaseは2020年11月に顧客のオンボーディングを開始したばかりであり、まだ物事を理解する段階にいることが許されている初期のスタートアップだと言える。

TechCrunchはハード氏に、リモートワーカーに必要な機器を提供するのに現在いくらかかるか尋ねた。同氏は、それはさまざまだが2000〜5000ドル(約22〜55万円)の間に落ち着くだろうと述べ、Firstbaseは顧客に対し、そのコストを長期にわたり均等払いで支払うことを可能にする予定だと付け加えた。

会社の今後の見込みは?CEOによると、同社は現在わずか10人の会社で、そのうち3人はパートタイムであり、2021年はスタッフを4〜5倍に増やしたいと考えている。当然、Firstbaseはそのリモートのルーツに立ち返るつもりだ。つまり、単一の地理的地域で従業員を探すことはない。採用予定のスタッフの一部は、ハード氏がインタビューで述べた販売組織に所属する。同社はまた、新しい資本で法人向けのソフトウェア機能を開発し、より大規模な顧客をターゲットにする準備を整える。

FirstbaseがシリーズAでどこまで成長できるのか、そして年末までに投資家から投資をオファーされるのか、注目したい。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:リモートワークFirstbase資金調達

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko MIzoguchi