【抄訳】
テキストとビデオを共有するためのメッセージングアプリFlybyが、Googleの”Project Tango”の画像認識能力を利用する初の消費者向けアプリになる。このプロジェクトは高度な3Dセンサを搭載したAndroid携帯の上で、自分の周囲の世界のビジュアルマップを作る。
“Project Tango”には視覚系のソフトウェアを作っているパートナー企業が数社あり、Flyby Mediaもその一つだ。Tangoの技術がFlybyアプリに組み込まれて、広く消費者の手に渡ることになる。
同社はCole Van NiceとOriel Bergigが2010年に創業し、画像認識技術の開発を始めた。同社のCEO Mihir Shahは元TapjoyのCEOで、その後、この社員20名でニューヨークとパロアルトにオフィスのある、特殊なビジュアル技術を専門とする企業にCEOとして招かれた。
そのShahは、同社がTapjoyのような広告技術ではなく消費者製品を手がけるようになったことを、喜んでいる。“前からやりたかったのは、世界中の消費者が、コンテンツとメッセージによって現実そのものを扱える状態を作り出すことだった”、と彼は言う。“犬なら犬、猫なら猫とか、単にジェネリックな画像ではなくて、今の現実の状況そのものを表す画像を作り出すことは、これまでの最大の難題だった”。
Flybyにおいて、”状況”(context)とは現実世界のことだ。
このアプリを使うときユーザは、現実世界のオブジェクトを自分の携帯を使ってスキャンする。帽子、看板、ハンドバッグ、コーヒーカップ、ビル、刺青、ポスターなどなど、身の回りの何でもよい。そしてそれらのオブジェクトは保存されていたオブジェクトの仲間に加わる。
そして友だちは、それらのオブジェクト宛にメッセージを送る。これは単にジェネリックにテキストと添付画像を送る従来のメッセージに比べると、おもしろいコミュニケーションになる。メッセージングをもらった側は、部屋のあちこちを動き回ってどのオブジェクトにメッセージングが来たのかを探す。そして当のオブジェクトの近くまで来たらProject Tangoの技術がそのことを認識してアラートする。そして再びそのオブジェクトをスキャンすると送られてきたビデオが再生される。
こんなめんどくさいことの、どこがおもしろいのか、といぶかる読者もおられると思うが、分かりやすいユースケースを一つ挙げておこう。初めて使う複雑な電子製品が送られてきました。でも取扱説明書はありません。ところが、どこかのダイヤルやスイッチなどに手が行くたびに、メッセージング着信のアラートが鳴って、そのダイヤルやスイッチの用途、使い方をビデオで見せてくれるのだ。あるいは、世界的に有名などこかの遺跡観光地へ行きました。ガイドは一人もいません。でも、どこかの石柱に近づいたとき、ジャーン、携帯のアラートが鳴って説明のビデオを見られるのだ。古代の王墓の一つに近づくと、やはり説明のビデオが再生される。等々。
このように、Tangoの3D技術では、3D画像というメディアと、その画像の元となっている現実の世界や状況を、コミュニケーションで結びつけることができるのだ。
【後略】
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))