人間の目の動きでコントロールするVRヘッドセットFOVEがKickstarterで好調、Samsung Venturesからも資金調達

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[筆者:Samantha O’Keefe ]
目の動きでコントロールするVRヘッドセットFOVEを初めて見たのは、Disrupt SF 2014のStartup Battlefieldだった。そのとき同社は入賞はしなかったが、最初から東京大学とのコラボレーションがあるなど、その前途は明るいと思えた。

FOVEは5月にKickstarterのキャンペーンを立ち上げ、今月の初めに終了したときには1500名近くの支援者から、目標額25万ドルに対し48万ドルあまりを集めることができた。

キャンペーンの終了直前に同社が紹介したヘッドセットのニューバージョンは、大幅に改良され、より軽く、小さく、そして快適になっていた。とにかくその新しいデザインは、とてもすっきりしている。同社によると、フォームファクタの洗練と高品質化に努めたため、つけ心地が良くなり、留め金の改良により、どんな頭の形にもしっくり合うようになった。

数週間前にFOVEは同社のKickstarterのページをアップデートし、Samsung Venturesから資金を獲得したことを報告した(金額は公表せず)。この新たな資金により、トラッキング技術Valve LighthouseやOpenVRの統合をより強力に推進できる、と同社は述べている。

クラウドファンディングの成功を踏まえてFOVEはこれから、製品を実際に作って熱心な支援者たちの手に渡すための努力、そしてVRヘッドセットの機能増強に取り組むことになる。KickstarterキャンペーンとSamsung Venturesから順調に資金を得たFOVEは、これからいよいよハードウェアスタートアップとしての成長期に入る。

さて今年のBattlefieldは申し込みを締めきったけど、まだ生後二歳以下の若いスタートアップなら、Startup Alleyに出品する手がある。Disruptスタート後の月曜日と火曜日には、Alleyの出場者に対する来場者からの人気投票と本誌編集者の選別がある。そして選ばれた者は、Startup Battlefieldに出場してアイデアを売り込める。

また水曜日にAlleyの人気投票で選ばれると、ステージに立ってデモができる。

Startup Alleyのチケットはここで買える。あなたも、ぜひ、出てください!

本誌がDisruptを開催できるのは、スポンサーのおかげです。スポンサーになることに関心のある方は、こちらまでお問い合わせを: sponsors@techcrunch.com.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

人間の目の動きでコントロールするVRヘッドセットFOVEがKickstarterで予約販売を開始

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目の動きでコントロールできる仮想現実(virtual reality, VR)ヘッドセットFOVEが、Kickstarterで予約販売を開始した。この東京のスタートアップは、昨年のTechCrunch Disrupt San Franciscoでファイナリストになり、今回Kickstarter上では締め切りまで44日を残す今日(米国時間5/20)、目標額25万ドルの2/3以上を達成している*。〔*: 日本時間5/21 12:00では21万ドルを突破。〕

FOVEという名前は網膜の中心を意味するfoveaに由来し、消費者製品としてのアイトラッキング(eye-tracking, 目を追う)VRヘッドセットはこれが世界初だ、と同社は主張している。

FOVEはfoveaを中心とするレンダリングを行うことにより、ユーザが今見ている方向の光景を高精細で描画する。協同ファウンダでCEOのYuka Kojima(Sonyエンタ出身)によると、高精細の描画を視界の中心部に限定して、レンダリングのための計算力を節約すると、スマートフォンなど、強力なPC以外のデバイスでも駆動できるようになる。

またゲームにおいては、プレーヤーがキャラクターとアイコンタクトをしたり、銃の照準を敵に合わせる、などのことができる。したがって、ゲームの没入性が増強される。

ゲームをFOVEに移植するためのSDKが来年リリースされるが、このヘッドセットの用途はゲーム以外にもっと広い。

たとえば、運動ニューロン疾患(ALSなど)の子どもが目でピアノを弾けるソフトウェアを、FOVEなら実装できる。同じく運動失調の人が、目でキーボードをタイプしたり、ゲームをプレイしたりもできるだろう。日本の研究者たちは、アスペルガー症候群や自閉症の人たちを支援するために、FOVEのアイトラッキング技術を利用することを、研究している。

 

このヘッドセットは、2016年5月の発売を予定している。Kojimaがこのスケジュールに確信を持っているのは、東芝とSamsungが“ハンズオンで”支援しているからだ。ディスプレイなどの主要部位は、彼らが作ってくれる。実動プロトタイプはすでに数種類あり、Kojimaによると、Kickstarterで集まったお金はアイトラッキング技術の磨き上げに投じる。とくに、両目の距離など、人の顔立ちの違いに合わせることが難題だ。また、使用している赤外線の安全対策にも取り組んでいる。製造は、そういうテストが完了してから開始される。

FOVEの昨年のDisruptでのプレゼンを、ここで見ることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TechCrunch Disrupt:日本から参加のアイ・トラッキングVRヘッドセットのFOVEがプレゼン

FOVEはアイ・トラッキング・テクノロジーを採用してより優れた没入型体験を与えようとするVRヘッドセットだ〔TechCrunch Japan記事〕。消費者向けVRプロダクトにアイ・トラッキングを利用したのはFOVEがおそらく世界初だろう。FOVEは東京に本拠を置くスタートアップで、小島由香CEOとロックラン・ウィルソンCTOがTechCrunch Disruptサンフランシスコのステージでプレゼンを行った。

FOVEという名前はfield of view(視野)とfovea( 網膜中心窩)という網膜の中心にあってもっとも感度の高い部分を意味する単語から来ている。Foveヘッドセットは、アイ・トラッキング、頭の位置のトラッキング、方向センサーを組み合わせ、視線の動きだけで360度を見渡せる。FOVEのバーチャル・リアリティーは画面全体に焦点が合っている他のシステムとは異なり、ユーザーが注視した部分に焦点を合わせてレンダリングする。これによってさらに現実に近い奥行き感が得られる。これもアイ・トラッキングによってユーザーが画面のどこを見ているかを認識することによって可能になっている。

FOVEを利用すればユーザーは、たとえばゲームのキャラクターと目を合わせてアイコンタクトを取ったり、武器の狙いを素早くつけたりすることが可能になる。敵の姿を見た瞬間にもう狙いがついているわけだ。

特許出願中であるため、共同ファウンダーたちは詳細に触れることを避けたが、FOVEのアイ・トラッキングには人間の目に感じない赤外線を用いており、精度と反応速度を上げているという。

「重要なのは、ユーザーの視野をまったく妨害せずに精密なアイ・トラッキングを可能にした点だ」とCTOのウィルソンは説明した。

FOVEのライバルとなり得るのは、Oculus Riftを始めとして、ソニーのProject Morpheusなどがある。しかし共同ファウンダーたちはFOVEはこれらのライバルと競争して市場シェアを奪おうとは考えていないという。FOVEはOculus Riftが開いた市場をさらに拡大し、消費者に映画アイアンマンのスーツを着たような体験を居間にいながらにして与えようとしている。FOVEでは、当初、高い没入体験を与えることが必要なハイエンドのゲームをターゲットと考えている。

現在このスタートアップはMicrosoftのロンドンに本拠を置くベンチャー・アクセラレーター・プログラムに選定されて資金援助を受けている。まだ具体的な交渉に入っているわけではないが、将来MicrosoftのXboxにFOVEのテクノロジーを提供する可能性もある。ウィルソンCTOは「一つの問題は価格だ。ゲーマーはコンソール機以外のアクセサリーに金を出したがらない」と述べた。FOVEではまだ価格を決めていない。

ただしFOVEが狙っているのはゲーム分野だけではない。ALS〔筋萎縮性側索硬化症〕や脊椎の負傷などにより重度の運動障害を負っている人々に手を使わず、視線だけで文字を入力したり、さまざまな機器を操作したりする能力を与えることができる。

日本の大学では、さらに自閉症のような症状に対してもFOVEが応用できると考えて研究が行われている。またロンドンの企業はFOVEを利用して四肢まひ障害のある人々が他人の手を借りずに周囲を見回すことができるようにしようとしている。またアスペルガーや自閉症の人々は他人とアイ・コンタクトを取ることが困難なばあいが多い。FOVEはこうした人々が恐怖を感じずにキャラクターとアイ・コンタクトが取れる仮想現実を構築するのにも役立つという。

FOVEは現在、プロトタイピングの最終段階にあり、量産型の開発に入っている。来年にはKickstarterでゲーム開発者向けSDKのキャンペーンを行う予定だ。消費者向け製品は、早ければ2016年に出荷できるという。FOVEは日本でエンジェル投資家から支援を受けているが、さらに本格的な資金調達を計画している。.

〔スライドショーは原文参照〕

審査員とのQ&A

Q: ゲームの開発をどうやって進めていくつもりか? 卵とニワトリの関係で、ユーザーベースが広がらないとデベロッパーを引きつけることが難しい。いまのとろFOVEにはユーザーベースがない。

A: われわれのテクノロジーは強い興味を引き起こすと考えている。アイアンマン・スーツのようた体験を居間で体験できるテクノロジーだ。消費者とデベロッパーともに関心を示してくれるものと考えている。

Q: この分野でFOVEがコントロールできない技術的障害はどんなものがあるのか?

A: われわれがコントロールできないような大きな技術的障害は少ない。頭の位置のトラッキング精度を改善するためにソフトウェアの改良を続けている。これがいちばん大きな課題かもしれない。しかし近く十分な解決ができると信じている。

Q: すると主要な課題はどうやってデベロッパーにこのテクノロジーを売り込むという点ということか?

A: イェス。われわれはFOVEが驚くべきクールな体験を与えられることをデモしてユーザー、デベロッパーを説得していく。また応用分野やゲームだけでなく、ALSのような重度の運動障害を負った人々を助けるための研究が日本で行われている。

Q: FOVEの価格は?

A:Oculus Riftよりはやや高価となりそうだ。FOVEはより高度なユーザー体験を提供する分、ハードウェアのコストも高くなる。

Q: ハードウェアから上がる利益は規模の拡大に対応できるのか?

A: 十分な利益率が確保できると考えている。われわれはハードウェアを日本国内で調達しているが、調達先は極めて優秀な企業で、十分に競争力のある価格を出してもらっている。

Q: 10から30%くらいの利益率を確保できるか?

A: それより高くできるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+