ソーシャルギフトのギフティが東証マザーズに新規上場、プラットフォームの拡大、海外展開の加速を目指す

ギフティ代表取締役の太田睦氏

ソーシャルギフトの「giftee」を運営するスタートアップのギフティは9月20日、東証マザーズに新規上場した。初値は公募・売り出し価格(1500円)を25%上回る1880円、終値は初値を9.6%上回る2060円となった。

ギフティは2010年8月設立。2011年3月にCtoCのソーシャルギフトサービスgifteeをローンチ。その後は2014年1月より法人向けに提供開始したオリジナルギフトの販売システム「eGift System」、2016年4月より粗品や景品の配布に使えるデジタルチケット販売サービス「giftee for Business」を展開。2016年5月にはスマホで使える電子地域通貨システム「Welcome! STAMP」を提供開始している。

gifteeの会員数は125万人(2019年6月末現在)、eGift Systemのeギフト発行企業数は70社(2019年6月末現在)。giftee for Business利用企業数は2018年通期で422社だったが、2019は1月から6月(2Q)の累計で371社となった。

「成長のドライバーになっているのはgiftee for Business。法人の企業は従来、紙のギフト券などを郵送で送っていた。URLに置き換えることで、業務効率を高めることができため、活用いただき、伸びてきている」(ギフティ代表取締役の太田睦氏)。

太田氏は当日に開催された記者会見で「今後の成長戦略には、大きくわけて2つの軸がある」と話した。eギフトのプラットフォームを拡大させていくのが1つ目。そして2つ目は、地理的な横展開、すなわち海外展開だ。同社は2018年10月、マレーシアに現地法人を設立。2019年より導入企業を開拓している。

国内においては「eギフトの認知度は、まだまだこれからだ」と語る太田氏。同氏いわく、国内の金券市場は約9000億円、ギフト市場は約10兆44億円。「どちらもeギフトで取り込んでいけるんじゃないかと考えている」(太田氏)。

ソーシャルギフトのgiftee運営が総額5.84億円を資金調達、ASEAN展開も視野に

メールやSNSでURLを送るだけで手軽にギフトが贈れるソーシャルギフトサービス「giftee」。運営元のギフティは4月2日、ジェーシービー(JCB)未来創生ファンド丸井グループを引受先とする第三者割当増資と、三菱UFJ銀行からの融資により、総額約5億8400万円の資金調達を実施したことを明らかにした。今回の資金調達はシリーズCラウンドに当たる。

ギフティは2010年8月に設立されたスタートアップ。Open Network LabのSeed Accelerator Programの第1期、KDDI ∞ Labo (ムゲンラボ)の第1期に参加した経験を持つ。2016年4月には三越伊勢丹イノベーションズとの資本業務提携を実施。2017年8月にはトヨタ自動車のオープンイノベーションプログラム「TOYOTA NEXT」で協業企業に選定されている。

ギフティが提供するサービスには、2011年3月にローンチしたソーシャルギフトサービスのgifteeのほか、2014年1月に法人向けに提供開始したオリジナルギフトの販売システム「e-Gift System」、2016年4月にスタートした粗品や景品の配布に使えるデジタルチケット販売サービス「giftee for business」がある。また、2016年5月にはスマホで使える電子地域通貨システム「Welcome! STAMP」を、JCBグループの傘下でギフトカードオペレーション業務などを営むJ&Jギフトと共同で提供開始している。

資金調達の発表と同日、ギフティではJCBとの資本業務提携契約の締結も発表した。提携により、JCBが提供するプリペイド型カード「JCBプレモ」のスキームを活用し、協業に取り組むことが決まっている。JCBでは今春、JCBプレモをカードレスで発注・納品可能なソーシャルギフト「JCB PREMOデジタル」のリリースを予定している。

今回調達した資金についてギフティでは、ASEANを中心としたeギフト事業の海外展開を見据え、サービス開発と事業体制の強化に充てるとしている。また、JCBとの業務提携プロジェクトの推進資金、未来創生ファンドの出資者であるトヨタ自動車のTOYOTA NEXTでの協業プロジェクト資金などにも充当する予定だ。

ソーシャルギフトのgifteeが三越伊勢丹と資本業務提携、法人向け事業に活路

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国内ソーシャルギフトサービスの先駆けである「Giftee」。運営元のギフティが三越伊勢丹グループのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)である三越伊勢丹イノベーションズを引受先とした第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。金額は非公開だが、関係者によると数千万円規模だという。三越伊勢丹イノベーションズは2016年1月にできたばかりのCVC。ギフティへの投資が第1号案件となる。

ギフティはOpen Network LabのSeed Acceleratior Programの第1期、KDDI ∞ Labo (ムゲンラボ)」の第1期にそれぞれ参加した経験のある、2010年スタートのスタートアップだ。gifteeはソーシャルメディアを通じてスターバックスやローソン、上島珈琲店などで利用できる電子ギフトチケットを送るサービス。会員数は47万人。ギフトの取扱店舗は全国2万5000店に上る。

リリース当初からコンシュマー向けにサービスを展開してきたgifteeだが、オペレーションやPOS対応などの課題も多く、店舗側の導入が難しいというケースがあったのだという。また同時に、「個人間でのギフトの送付だけでなく、マーケティングツールやカタログギフトの置き換えといったかたちで法人利用できないか?」といった問い合わせが増えてきた。

そこで同社は2014年から法人向けに「giftee e-Gift System」の提供を開始した。これを利用すれば、企業は店頭利用できるギフトチケットを生成、自社サイト上でも販売できるようになる。サービスを導入するのはミニストップやローソンなど大手11ブランドまで拡大した。またこのサービスに乗ることで、企業はgiftee上でもチケットの販売が可能になる。

「giftee e-Gift System」のイメージ

「giftee e-Gift System」のイメージ

ギフティでは今回の資金調達をもとに、法人向けを中心にしたサービスの強化を進める。三越伊勢丹グループと連携した新サービスの開発も検討中だ。「僕らは1000円未満のカジュアルなギフトを手がけてきた。一方で三越伊勢丹グループは『(高額な)包み紙に包まれたギフト』に価値を置くという対極にいた。今後は彼らが持つギフトのアセットと僕らの技術を掛け合わせていきたい」(ギフティ代表取締役の太田睦氏)。具体的なサービスについてはまだ公開できる状態ではないとのことだったが、百貨店商品券やカタログギフトなどを置き換えるサービスなどを検討中なのだという。