今日(米国時間3/15)、Googleはエンタープライズのマーケティングを助ける一連のツールをリリースした。Google Analytics 360 SuiteはAdobeのMarketing Cloudや類似のサービスの直接のライバルになる。
Analytics 360 Suiteは既存のGoogleアナリティクスプレミアムの直接の後継となるもので、今回のリニューアルでAdometryも360に統合された。
Adometryは2014年に買収されたサービスだが、今後はAttribution 360と呼ばれる。またAnalytics 360にはエンタープライズ版のTag Managerや新規のツール(Audience Center 360、Data Studio 360、Optimize 360)が発表され、企業のマーケティングに新しいソリューションを提供する。
Googleのプロダクト管理担当の上級ディレクター、Babak PahlavanはTechCrunchの取材に対して、「今回発表されたツールは企業マーケッターに新しいソリューションを提供し、最近普及してきたマルチスクリーン環境でさらに効果的に働けるようにする。マーケティング担当者、特に大企業のマーケティング担当者はデスクトップしかなかった時代の枠組みに依然として縛られていることが多い。しかしわれわれはユーザーの環境の変化を理解している。トレンドがさまざまデバイスの統合〔的運用〕にあることが新ツールの〔リリースの背後にある〕アイディアだ」と説明した。
360スイートはそれぞれまったく異なる能力を持つ6種類のサービスだが、すべて相互に緊密に連携している。これによりマーケティング部門は強化され、広告部門はカスタマーのニーズをよりよく知ることができる。
新ツールの開発にあたっては、どれほど大量のデータを扱うことになっても使いやすさを失わないこと、またそのデータに基いてどんな行動を起こすべきかがはっきりわかるような情報を提供することが最優先された。
Pahlavanは取材に対して「ツールが複雑すぎると結局使われないことになる。われわれは単純さを心がけた。誰でも使いやすく共同作業もやりやすいツールを開発したところにわれわれのセールスポイントがある」と説明した。
ではこのツールにはどんな機能が含まれているのだろう? Google Analytics 360(メジャーアップデートを受けたGoogleアナリティクスプレミアム)の重要な基盤はDoubleClickも含めてGoogleが収集する膨大なデータを統合して計測可能ににする点にある。
その基盤の上に、Audience Center 360という今回開発された新しいデータ管理のプラットフォームが乗り、ユーザーがさまざまなツールを連携して利用できるようにする。ユーザーはサードパーティーのデータも利用できる。
Optimize 360もまったく新規のツールだが、これによってユーザーはサイトに掲出される広告に用いられるコピー、画像、スニペットに対し簡単にA/Bテストが実行できる。
しかし新規開発のプロダクトの中でいちばん興味深いのはGoogle Data Studio 360だろう。収集されたデータの分析と視覚化はすべてここで行われる。Pahlavanによれば、Data StudioはGoogleドキュメントの共有と作業の共同のテクノロジーを基盤としているという。これにGoogleのビッグデータ分析のプラットフォーム、BigQueryが統合されている。
Tag Manager、Analytics and Attributionは既存のツールに新機能を追加して新しい名称の下に統合したものだ。ただし旧Adometryの場合、Googleは「Attribution 360はゼロから作り直された」としている。新機能については、今後2、3ヶ月かけて順次公開される予定だ。
360スイートのうち4つのプロダクト(Audience Center、Data Studio、Optimize、Tag Manager)は現在、限定ベータテスト中だ。GoogleアナリティクスプレミアムあるいはAdometryをすでに利用しているユーザーは今後数ヶ月かけて新サービスのベータテストに招待されるはずだ。
画像:Justin Sullivan/Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)