Headspace HealthがAIを活用したメンタルヘルス・ウェルネス企業Sayanaを買収

Headspace Health(ヘッドスペース・ヘルス)は、AIを活用したメンタルヘルスとウェルネスの企業であるSayana(サヤナ)を非公開の金額で買収した。Headspace Healthは、サンフランシスコに拠点を置く同社を買収することで、ユーザーにパーソナライズされたセルフケアを提供する能力を拡大するとしている。今回の買収は、HeadspaceとGinger(ジンジャー)が2021年合併し、評価額30億ドル(約3440億円)のHeadspace Healthが設立されたことによるものだ。この合併により、Gingerのセラピーとコーチングサービス、Headspaceのマインドフルネスと瞑想のサービスが一緒になった。

2018年に設立され、2020年にY Combinator(Yコンビネーター)の支援を受けたSayanaは、ユーザーに自分の気分を追跡するよう促すAIによるチャットベースのセッションを活用している。このアプリは、気分の傾向に基づいてユーザーの体験をパーソナライズし、セルフケアや呼吸法を提案してくれる。同社の睡眠アプリは、ユーザーの気分と睡眠パターンに基づいて安眠セッションを支援する。

Headspace HealthのRussel Glass(ラッセル・グラス)CEOはTechCrunchの取材に対し、Headspace Healthがその中核機能をHeadspaceとGingerの体験に統合する間、Sayanaのアプリは一定期間稼働し続けることになると語った。統合が完了したら、同社はSayanaを別の体験として切り離し、ユーザーをHeadspace Healthに移行させる予定だ。

「Sayanaはユニークで、メンバー主導の体験を作り出しました。私たちがやろうとしていることの将来を考えると、それは、人がメンタルヘルスのどの状態にあるかにかかわらず、連続するケア全体を完全にサポートできる世界というHeadspace Healthのビジョンに最高にフィットします」と、グラス氏は述べた。「私たちがパンデミックの間に見たことの1つは、いかに多くの人々がサポートを必要とし続けているかということです。私たちは、メンタルヘルスの連続体の一部を自動化し、ニーズを持つ人々にパーソナライズされたセルフケアコンテンツを提供できるようにする必要があり、この買収は非常にエキサイティングです」。

Headspace Healthは、AIとデータサイエンスに裏打ちされた1つのプラットフォームから、予防から臨床ケアに至るまで、メンタルヘルスの手助けを提供する統合的な体験の創造に注力している。同社は、Sayanaを加えることで、ユーザーのチェックインベースのヘルプやサービスを提供し、体験をパーソナライズする機能を進化させる予定だ。

画像クレジット:Headspace Health

グラス氏は、HeadspaceとGingerはすでにAIを活用して、行動医学コーチ、セラピスト、精神科医のチームをサポートし、ユーザーとの質の高い対話、サービスの包括的な追跡、ケアプロバイダー間の緊密な連携を実現していると述べている。また、堅牢なチャットボット体験を通じて、完全に自動化された方法でユーザーのニーズを理解するSayanaの機能を追加することで、体験を進化させ、よりパーソナライズされた効果的なケアを提供できると説明している。

買収の一環として、Sayanaの創業者兼CEOのSergey Fayfer(セルゲイ・フェイファー)氏はHeadspace Healthに入社し、社内でプロダクトリーダーとしての役割を担っている。

フェイファー氏は「創業以来、Sayanaは、ポケットに入る、誰もが利用しやすいセルフケアを提供することを使命としてきました。私たちの技術、エンジニアリング、デザインの専門知識を結集し、高品質で安価なメンタルヘルスケアを世界中に普及させるというHeadspace Healthの取り組みを支援できることをうれしく思っています」と声明で語った。

将来について、グラス氏は、Headspace Healthは、メンタルヘルスのケアのニーズの高まりに対応するために、拡大を続ける計画であると述べている。同社の目標は、ケアにかかるコストを可能な限り削減することで、最もアクセスしやすく、包括的なプラットフォームにすることだ。Headspace Healthは、ケアの質をできるだけ高く保ちつつ、ケアにかかるコストを確実に削減できるよう、イノベーションを続けていくと説明した。同氏は、そのためには、非有機的な成長戦略と有機的な成長戦略の両方を考えるという点で、同社は積極的であることが必要だと指摘した。

「私たちは、今後も雇用者の動向を注視していくつもりです。新しい医療保険制度やプロバイダーとの提携を発表し続け、今後数カ月のうちにいくつも発表する予定です」とグラス氏は述べている。「私たちは、拡大する分野として、引き続き青少年に焦点を当てます。これからも革新的な取り組みを続けていきます。研究開発に多くの費用を費やしていますし、Sayanaのようなプラットフォームを追加する機会を見て、買収を続けていくつもりです」。

画像クレジット:Headspace Health

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(文:Aisha Malik、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Wazeが運転中のストレス軽減のために瞑想アプリHeadspaceと提携

米国時間10月12日、ナビアプリWazeが、瞑想アプリHeadspaceと提携して通勤時のストレスを軽減することを目的とした「Drive with Headspace」を立ち上げた。同社は、この新しい統合により、ドライバーが「道路上でより多くの楽しさと意味を見出す」方法を学ぶことができるようになるという。Headspaceの体験でユーザーは「意識的(aware)」「明るい(bright)」「希望(hopeful)」「喜びに満ちた(joyful)」「開放的(open)」といった5つのムードから選択することができる。

ドライバーは、Wazeのオーディオプレーヤーから利用できるHeadspaceの音楽やコンテンツを含むSpotifyのカスタムプレイリストを聴くこともできる。また、ユーザーはアプリ内のクルマのアイコンを「熱気球での穏やかな旅」に変更することもできる。さらに、Headspaceの瞑想担当ディレクターEve Lewis Prieto(イブ・ルイス・プリエト)氏によるとカスタムナビゲーションプロンプトも利用できる。

「渋滞は最悪です。長時間いればいるほど、血圧、睡眠、腰痛、うつ病のリスクが増えます。通学や通勤が日常化するにつれて、多くの人が再び渋滞に巻き込まれるようになってきました。世界メンタルヘルスデーを前に、交通渋滞の悪影響に立ち向かい、ドライバーに運転を楽しんでもらうための方法を見つけるために、私たちは友人であるHeadspaceに注目しました」とWazeはブログで述べている。

このHeadspace体験は、英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語で本日より期間限定で提供される。「My Waze」をタップして「Drive with Headspace」バナーを見つけることで、有効にできる。

Wazeはここ数年、通勤を楽しくするためにいろいろな運転体験を提供してきた。最近のものでは、Paw PatrolFraggle Rock、 夏のPrideテーマの体験などがある。またAudibleSpotify、Pandora、YouTube Music、iHeartRadioなどのサブスクリプションサービスもある。好きなアプリがあれば運転も快適、というわけだ。

画像クレジット:Waze

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)