心臓の鼓動計内蔵とタッチ画面上の(指の)ホバリング検出でAppleが特許を出願

Appleが今日(米国時間12/24)、二つの特許をUSPTO(United States Patent and Trademark Office, 米国特許商標庁)に出願した(AppleInsiderによる)。ひとつは、ホバリングを感知するタッチインタフェイス、これはSamsungのGalaxy S4など、最近のAndroid機で見られるようになったものだ。そしてもうひとつの出願は、小型デバイスに内蔵できる心臓の鼓動計で、iPhoneにこれがあると、バイオメトリックスやフィットネスのアプリが高機能になるだろう。

ホバリングタッチの特許は、人の指がタッチ画面に近づいているけど触れてはいない状態を検出する方法を記述している。そういうホバリング入力は、デバイスに対するコマンドの発行に利用できるとし、スクリーンが電場を出力することによってユーザの指の位置を判定する。ただし、これまで実装されているホバリングによる制御が、かなり効果薄弱なのに対してAppleは、より効果的で、誤操作も正確に検知する方法を述べている。

また一定時間のホバリングを検出できれば、入力の意思のない‘うっかりタッチ’を入力として認識することも避けられる。Appleはすでに最新のiPadで、薄くなったサイドベゼルを利用して誤タッチ認識を実装しているし、また、手のひらによるタッチを受け付けないアプリもある。しかしホバリング検知を併用できれば、誤タッチの認識がさらに精度を増すだろう。

この特許はまた、タッチの検出精度を上げるための、気象条件や環境条件への対応方法を述べている。これらの条件が最適の場合には基準値を読み、センサが環境の変化…寒くなったなど…を告げているときにはより高い(or低い)感度でタッチを読み取るようにする。ただしAppleはホバリングタッチを、独立したインタフェイス要素としてでなく、あくまでも補助的な要素とみなしているようだ。

心臓の鼓動計に関しては、Appleの特許はセンサをスクリーンのベゼルなど伝導性のある部分に置いて心電データを読み取らせる、となっている。今のiPhone 5sのTouch IDセンサの回りに金属リングを置く、などの形になるのだろうか。この二つは機能が似ているから相性も良さそうだ。

Appleの出願書類の、鼓動計の部分は、いろんなバイオメトリックス的用途とユーザ同定への応用を述べている。既存の指紋センサー(iPhone 5s)のデータと組み合わせたら、本人同定の精度がさらに上がるのだろう。

例によってこれらの特許も、ただちにAppleの製品に実装されるというものではない。でも、AppleのR&Dが今やってることの一端をうかがわせるという意味では、興味深い。とくにバイオメトリクスによる本人同定が、指紋+脈動の二要素タイプになると、Appleはデバイスレベルのセキュリティ技術で他を大きく引き離すだろう。またホバリング検出によるタッチインタフェイスの精度向上も、製品の大きな利点になる。この方面でのAppleのリードは、今でも相当大きいのだが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))