Dust Identityのアイデアは、同社の創業者たちがいたMITの研究室で生まれた。そこで彼らは、ダイヤモンドの塵、ダイヤモンドダストを使って物質を認識する技術を開発した。それ以降同社は、この高度な技術の商用化を目指していた。そして米国時間7月17日に同社は、昨年230万ドルのシードラウンドをリードしたKleiner PerkinsによるシリーズAのラウンドで1000万ドルを調達した。
このラウンドには、Airbus VenturesやLockheed Martin Ventures、New Science Ventures、Angular Ventures、そしてCastle Island Venturesが参加した。同社の調達総額はこれで1230万ドルになる。
同社の特異なアイデアは、物をダイヤモンドダストの薄い層で包むことにより、それが変造されていないことを証明する。ダイヤモンドダストは一見高価なようだが、同社によるとシード資金のころには安い工業用ダイヤモンドの廃棄物を使っていた。宝石店で売ってるような、高価なダイヤモンドではない。
同社のCEOで共同創業者の1人であるOphir Gaathon(オフィール・ガッソン)氏は、こう言っている。「ダイヤモンドダストをポリマーエポキシの表面に落とすと、そのポリマーが硬化するとき、ダイヤモンドは一定の位置と方向に凝固する。実はそのときのダイヤモンドの方向角度を非常に迅速に読む技術を、われわれは開発したのだ」。
Kleinerで今回の投資を担当したIlya Fushmanによると、同社は物の認識とセキュリティのためのユニークなアプローチを提供する。彼は声明でこう言っている。「メーカーとサプライヤーの間に不信が育っているようなときには、Dust Identityのダイヤモンド粒子のタグが、製品の証明とサプライチェーンのセキュリティに従来の技術よりも優れたソリューションを提供する」。
この投資が戦略的投資であるAirbusとLockheed Martinがいることは、大手工業企業のサプライチェーンにおいて、このような高度な技術が必要であることを示している。また、昨年同社がエンタープライズコンピューティングの大手SAPとパートナーして、物理的オブジェクトへのブロックチェーンインタフェイスを提供していることも特記に値する。つまりDust Identityの識別子をブロックチェーンに保存するのだ。SAPとの関係があってもそれはブロックチェーンの実装を特定しない、と企業のスポークスパーソンは言っている。
同社はまだ生まれて間もない企業だが、すでにさまざまな投資家の関心を集めており、今回得た資金は来年の製品開発に充てたいという。これまで同社は、さまざまな業種のためのパイロット事業や初期的デプロイメントを実装してきた。それらは、自動車、ラグジュアリーグッズ、化粧品、石油、ガス、電力などの業種だ。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)