強力なウィジェット作成機能をもたらすLauncher、iOS 14でユーザーの画面カスタマイズ熱高まる

Launcher」は、カスタマイズ可能なウィジェットの新機能をiOS 14に提供し、ウィジェットのアイコンを日付、時間、さらには場所ごとに回転させることができるようになった。また、ウィジェットの背景、異なるサイズのアイコンやラベルのないアイコンもサポートしており、よりすっきりとした外観を実現する。

2014年にデビューしたこのアプリは、アップルの古典的な「今日の表示」(Today View)ウィジェットが提供する機能の限界を押し広げる数少ないアプリとして知られていた。以来、お気に入りの連絡先にメッセージを送ったり、家に電話をかけたり、道順を聞いたり、お気に入りの音楽を再生したりなど、一般的なタスクのためのスタートパッドとして人気だ。

現在ではホーム画面からも同じことができるが、今回iOS 14のテーマに合わせてよりカスタマイズできるようになっているので紹介しておこう。

アップルは2014年の時点では、Launcherをどう考えればいいのかよくわかっていなかったはずだ。Launcherは、ウィジェット設定以外の機能を提供せず、「今日の表示」ウィジェットを提供するだけの存在だったため、数カ月間App Storeから削除された経験(未訳記事)がある。アップルは最終的にLauncherには価値があると判断(未訳記事)し、再び配布を許可した。さらにアップルは後に、ワークフロー自動化の市場があることに気づき、最終的にはLauncherの競争相手であるWorkflowを買収(未訳記事)した。

さてiOS 14でアップルは、ホーム画面をカスタマイズするためのにウィジェットのアイデアを導入した。そしてユーザーは、カスタムアイコンを作成するためにショートカットを活用し始めている。いまでは、ウィジェットとの組み合わせを使用して創造的なホーム画面を作り込んでいるクリエーターいるほどだ。

一方のLauncherは、カスタマイズされたUI/UXを作るのに何時間もかけたくない人のために、よりシンプルな選択肢を提供する。代わりに、お気に入りのアプリやタスクでウィジェットを作成したり、ウィジェットの背景色を変更したり、アイコンのサイズを調整したりすることが一度に可能なのだ。

例えば、アイコンをタップすると、お気に入りの連絡先にすぐに電話かける、メッセージを送る、FaceTimeやメールを送る、場所を案内する、Apple Musicでアーティスト、アルバム、プレイリストの再生を開始、お気に入りのウェブサイトにアクセス、ツイートを作成やショートカットを実行などアプリケーション内のアクションを起動、一般的な電話の設定(Wi-Fi、Bluetooth、低電力モード、DND、機内モードなど)のオンまたはオフに、デバイス上のほかのアプリの起動などできるランチャーウィジェットを作ることができる。

Launcherは、アイコンやウィジェットの背景をカスタマイズしたり、ウィジェット内の小さなアイコンやアイコンラベルを削除したりすることもできるので、iOS 14のホーム画面のカスタマイズトレンドを盛り上げてくれることは間違いないだろう。ウィジェットの背景は、既存の壁紙に合わせてスタイリングできるし、もちろん任意の画像も使える。

また、ウィジェットはスペースを有効活用するために重ねて置くことができる。しかも、含められるアイコンは、曜日、時間帯、場所に応じて変更可能だ。例えば、ジムに通っている時だけ表示されるウィジェットや、オフィスにいる時に表示されるウィジェットを作成できる。ホーム画面のウィジェットも、週末と仕事中では異なるものに変えられる。

アプリの機能の多くは従来の「今日の表示」ウィジェットで提供されていたものだが、ホーム画面のウィジェットの動作は異なる。以前は、時間や場所に基づいて表示または非表示にできるウィジェットの数が固定されていた。一方、新しいウィジェットは異なる時間に表示される異なるアイコンセットに切り替え可能だ。ただし、ホーム画面ウィジェットが自動的に消えるように設定すると、ホーム画面自体が再配置される点には注意したい。

Launcherの開発者であるGreg Gardner(グレッグ・ガードナー)氏によると、iOS 14がウィジェットをサポートするアップデートの前からiOS 14には関心を寄せていたという。

ガードナー氏は「iOS 14ユーザーは、ホーム画面ウィジェットにかなり興奮しているようで、App Storeでウィジェットを検索して、我々のアプリを見つけてくれています。残念ながら、その中にはアプリにホーム画面ウィジェットがなかったことに失望した人もいました」と語る。「ホーム画面ウィジェットが加わったことでダウンロード数が増え続け、新しいユーザーがこれ以上がっかりしないことを願っています」と同氏は付け加えた。

ちなみに、iOS 14のサプライズリリースは誰のメリットにもならなかった。アップルは今年、デベロッパーに24時間以内にiOS 14がユーザーに一般公開されることを知らせ、しかもiOS 14の正式版向けの開発・検証に必要なXcodeなどの開発ツールをダウンロード可能になる前に発表した。これにより、一部のデベロッパーのiOS 14対応アプリが、数年前のようにiOSの公開日には準備ができなかったのだ。

さて、今回の機能拡張に加えてLauncherの新しいアプリを評価する理由はもう1つある。それはアプリのビジネスモデルだ。

このアプリはサブスクリプションによる収益化は行わず、ユーザーには1回限りのプレミアムプラン料金のみを請求する。以前のバージョンのアプリでは2つの異なる価格を提供していたが、新バージョンでは価格設定をシンプルにして1つまとめている。

新たにアプリ内で購入した「Premium」は、新しいホーム画面ウィジェットとカスタマイズオプションをすべてアンロックする。既存ユーザーは350円、新規ユーザーは980円でフルアップグレード可能だ。

「新しいウィジェットを実装するのに必要な作業量は十分だったので、新しいアプリ内購入を正当化できると思いました」とガードナー。さらに「App Storeはこのような場合にアップグレード料金を請求する正式な手段を提供していない」と指摘した。

Launcher 5(Launcher – 複数のウィジェットを持つランチャー)は現在App Storeで配信中だ。

画像クレジット:Cromulent Labs

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(翻訳:TechCrunch Japan)

iOS 14のウィジェットとiPhoneのホーム画面のカスタマイズを最大限に活用する方法

iOS 14にアップグレードして、アップルが提供する純正オプションなどから従来とはかなり異なるiOSのホーム画面を見てきたはずだ。あなたがAndroidユーザーであれば、自分たちが長年使ってきたカスタマイズ機能にようやくiPhoneユーザーが追いついたことを笑っているかもしれない。しかし、iPhoneユーザーなら、その使い方をいますぐ知りたいはずだ。時間に余裕があり、少し手の込んだ回避策を気にしないのであれば、実際には比較的簡単だ。もちろん、脱獄する必要なんてない。

ウィジェット

ソーシャルメディア上で話題になっているiOS 14の新機能といえば、初めてサポートされたホーム画面用のウィジェットだろう。これらは、アップルまたはサードパーティ製が提供しており、App Storeからダウンロードしたアプリ自体に含まれている。多くの開発者がiOS 14のリリースになんとか間に合わせたようで、私の同僚のSarah Perez(サラ・ペレス)がどこから始めてよいかわからない場合にチェックアウトするために、いくつかのウィジェットをリストを作成したので、まずはそちらを参照してほしい(その1その2)。日本国内でも「PayPay」や「bitFlyerウォレット」など一部のアプリがウィジェット対応を進めている。

PayPayウィジェットでは残高確認、付与予定ボーナスほか、QRコードやスキャナーの呼び出しが可能だ(画像クレジット:Hiro Yoshida)

個人的に気に入っているウィジェットの1つはWidgetsmithで、Smith(製作人)の名前が示すように、ウィジェットを細かくカスタマイズできるのが特徴だ。さまざまなカスタマイズオプションが用意されており、カレンダー、天気、時計など便利な機能が多数ある。また、フォントもスタイルに合わせて選べる。私はいつも、できる限りクリーンな単一トーンのルックスをiOSで作ることを目指してきたが、Widgetsmithは私がこれまで見つけた中で、ボーダレスに見えるホームスクリーン用ディスプレイとしては最高のものになる。あなたのiOSの壁紙が、アプリがサポートしているいずれかの色と一致する単色であればの話だが。

Widgetsmithのウィジェット追加方法(画像クレジット:Hiro Yoshida)

ウィジェットは、わさわざアプリを起動して確認するまでもない情報を、ホームスクリーン上の必要な場所にひと目で提供するのに優れている。GoogleのiOSアプリに組み込まれている検索ウィジェットのように、便利な機能にショートカットできるものもあるが、ほとんどのウィジェットはアプリの起動時間を減らすことを主な目的として作られている。

カスタムアイコン

ウィジェットは新しいものだが、このカスタマイズにはもう1つの大きな要素がある。数年前にアップルがiOSで「ショートカット」アプリを発表して以来ずっとあった機能なのだが、iOS 14でウィジェットが導入されたことでホームスクリーンのカスタマイズ周りの注目度が高まった結果、多くの人が初めてこの機能を使うようになった。

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iOS上では、厳密にはカスタムアイコンを作成できない。実際にユーザーがやっているのは、アプリの起動をトリガーする新しいショートカットを作成し、そのブックマークのためにカスタム画像を使用し、それはホーム画面上に常駐させているだけだ。これは理想的な解決策ではない。というのも「アプリ」 に通知バッジがない、 システムは最初にアップルのショートカットアプリに誘導し、それが一瞬開いてからショートカットに選んだ実際のアプリが機能するからだ。

アップルは明らかに、こういった使い方のためのこのショートカット機能を設計していない。事実、ターゲットアプリを開くと、自動化されたアクションの文字列の開始であることが意図されているからだ。さらに同社は、ユーザーが独自のカスタムアイコンを選択できるようにすることにも興味を持っていないようだ。ここで紹介する方法は、我々が今のところできる最善のもので、幸いにも作業は比較的簡単だ。一方で多くのステップがあり、ホーム画面全体をカスタマイズするには少し時間がかかるの点は覚悟してほしい。

まずは、できるだけ簡単にカスタマイズ可能にするためのGIFアニメを紹介しておく。なお、GIFアニメで紹介されている、モノクロのスピーカーアイコンなどは、事前にアイコンセットをカメラロールなどに保存・用意しておく必要がある。

クリエイティブなたちが少しの時間と労力を割いてこれを使って成し遂げた素晴らしい例がいくつかある。ウィジェットの選択肢が増え続けているいま、アップルのルールの下で可能な限りのカスタマイズを楽しもう。

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルはiOS 14のサプライズリリースで開発者の怒りをさらに買ってしまう

アップルと開発者の関係はまた別の問題を引き起こしている。米国時間9月15日にApple WatchとiPadの新モデルを発表したハードウェアイベントで開発者たちを驚かせた。同社の主要なソフトウェアプラットフォームのアップデート版である、iOS 14、iPadOS 14、watchOS 7、tvOS 14を9月16日(日本時間9月17日)にリリースしたのだ。結果的に、開発者に新OSに対して1日も準備する時間を与えないことを発表した。

この予想外に早まったスケジュールのために、多くの開発者はApp Store審査のために各アプリを準備するために慌ただしくなっており、スケジュールを複雑にしてしまった。

ジョシュア・ヴァン:Apple Developer Relations以外の皆さん、おはようございます。

人気ポッドキャストプレーヤーを開発するOvercastなど一部の企業は、iOS 14で予定されている機能の準備ができていないことをユーザーに通知した。

一方で、アップルが開発者コミュニティーが予想外の日程でiOS 14をリリースしたことについて、開発者のSteve Troughton-Smith(スティーブ・トロートン-スミス)氏は「そうでなくてもストレスの多い年に、開発者に不必要なストレスを与えることになります」と述べている。

さらに、アップルの決定はiOS 14のサポートを待つことを選んだ開発者に影響を与える。

開発者は例年、iOSの発売日に合わせて、プレスリリース、ブログ記事、ソーシャルメディアを介してアプリの新機能を宣伝する。アプリのレビューサイトからのニュース報道も、お気に入りのアプリへの注目すべきアップデートのまとめ情報が含まれているかもしれない。さらには、iOSの新機能を興味深い方法で搭載したアプリとしてメディアに取り上げられるかもしれない。

代わりに今年は、デベロッパーコミュニティーはプレスとさまざまな称賛を追いかける必要はなく、iOS 14への対応を予定より早く準備しなければならなくなった。

チャーリー・チャップマン:ほかに不満の声も聞こえるが、私がアップルのイベント後に感じた最もネガティブなことだ。

あまり無理はしていないのだが、iOS 14の「1日目」リリースに向けて、リスト作りなどの報酬を期待していろいろな準備をした。

Overcast:申し訳ありません、iOS 14の機能はまだ準備できていません。

私の顧客のほとんどがiOS 14を使うのはまだ先のことなので、この夏はバグ修正と家庭内感染、学内ロジスティクスを優先しました。私たちは大丈夫、忙しいだけです。

皆さんと同様、私も今年できることをしています。近いうちに。

スティーブ・トロートン-スミス:今からApp Storeにアプリを提出します。英国時間9月16日午後10時です。iOS 14は明日リリースされます。アプリの審査は1時間から数日間かかります。これは、他の点でストレスの多い年の開発者にとって不必要なストレスです。

マシュー・カシネリ:サードパーティーが何百万ドルの収益を上げる可能性があるのだろうか。アップルは、発売日やプレスレビューの数を減らそうとしていたのかもしれない。

消費者もまた、iOS 14のサプライズリリースの影響を受ける可能性がある。いくつかのアプリメーカーは、互換性のためにiOS 14上で正しく動作しない可能性があります。有名なところでは、任天堂が「どうぶつの森 ポケットキャンプ」の機能しないとツイートしたことが挙げられる。同社は、アプリが対応するまではiOS 14へのアップデート待つように案内していた。

バグのためにアプリのレビューを酷評することで非難されることの多い開発者たちは、顧客が今も同じことをするのではないかと心配している。アップルがiOS 14を発表した時点では、アップルの統合開発環境であるXcodeの最終バージョンさえ入手できていなかったにもかかわらず。

しかし、iPhoneユーザーはすぐに最新版にアップデートする傾向が高い。アップルはこの夏のWWDC(開発者会議)に先立ち、2019年9月にデビューしたiOS 13が、それ以来4年以内にリリースされた全iPhoneの91%、互換性のある全iPhoneの81%にインストールされたことを示す、iOSのアップデート率の新しい数字を発表した。

つまり、iOSユーザーの大半が新バージョンに移行する前に、iOS開発者がアプリを最新OSに対応するための時間がほとんどないことを意味する。

マルコ・アーメント:私はiOS 13 SDKを使ってビルドされたアップデートを、iOS 14 GMがリリースされて提出が殺到すると思われる前日の8月14日に申請した。これは賢明だと思った。

しかし、これは裏目に出たと思う。iOS 14のSDKを使ったアプリのほうが審査の優先順位が高く、記録的な速さでレビューされている。列の一番下にはiOS 13のSDKを使ったのアプリが並んでいると思う。

ソーヤー・ブラッツ:iOS 14をリリースするなんて信じられません。開発者としては最悪の出来事です。

ジェシー #AbolishPolice:すべてのiOS開発者:

アップル:iOS 14は明日リリースだ!

ダニエル・シンクレア:アップルがiOS 14を明日にリリースするニュースで、みんなのスケジュールを台無しにした。開発者は準備ができていません。このアップデートはしばらく保留にしておいたほうがいいだろう。

このアップルの最新の失態は、App Storeでの厳しい拒絶が何カ月も続いたことに続くものだ。アプリ内購入ルールで拒絶された最新のメールアプリ「Hey」をめぐってBasecampの間で大騒動が起きた。アップルはアプリ内購入の機会損失に注目していたが、ある時点でWordPressアプリを拒絶したことを公の場で非難された後、異例の謝罪を余儀なくされた。

そしていま、アップルはFortnite(フォートナイト)の開発元であるEpic Games(エピック・ゲームズ)と、Epicのビジネスを委ねる権利を巡って法廷で戦っている。Epicのような大企業は、App Storeでの配信やApple Payのようにアップルが提供するサービスに頼る必要はないと主張しているが、アップルの条件によって強制されている。

開発者は、アップルが裁判所に提出したApp Store事業について説明した書類の中で、同社が同事業を「利益を得る」と記載していたことも注目している。これは一部の開発者を誤解させるような言い回しだ。結局のところ、iPhoneを購入する理由はいくつかあるが、その中でもアプリを利用する頻度は高い。

開発者は、アップルがEpicのApple Developerアカウントを、関連するゲーム開発プラットフォームのUnreal Engine用を含めて奪い取ろうとしたこと見てきた。Unityが「Appleでサインイン」をサポートしたこともEpicの影響だ。アップル側のこうした強硬手段は、開発者のアップル製ツールへの依存度を利用して、一線を越えた開発者を罰する準備ができていることを開発者に明らかにした。

さらに、アップルはApp Store事業が独占禁止法調査の焦点になっているいう事実がある。同社はApp Storeは「平等な競争の場」と主張しているにもかかわらず、同社がどのように特別契約を結んだかを明らかにした。

そしてアップルは最近、App Storeのルールを改訂し、手数料に関する条項をより明確にした。また、ゲームストリーミングサービスをApp Storeで配信可能にする道を模索している。しかしその結果、ルールは非常に複雑になり、多くの除外事項や例外があるため、何が許可されているのか混乱しているデベロッパーもいるだろう。

開発者の怒りの高まりの中で、アップルは開発者コミュニティにiOS 14をイベント翌日にリリースした。他の誰もがそう感じているように、新コロナウイルスの大流行中にだ。新コロナウイルスは人々の日常生活を完全に根底から覆してしまった危機で、多くの開発者は現在、リモートで仕事をしていたり、子供をホームスクールに通わせていたりしている。彼らやその家族が新コロナウイルスの影響を直接受けているかもしれない。

マルコ・アーメント:そうは言いません。これには2つの永遠の問題があります。

アップルのハードウェアのリリース日は、ソフトウェアの品質や対応状況ではなく、ソフトウェアのリリース日を示します。

アップル社員の大部分は、外部の開発者が直面している課題や状況について、ほとんど知らないようです。

アップルは、iOS 14のサプライズ配信の決定の理由について、ユーザーにも開発者にも説明していない。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:TechCrunch Japan)

いますぐ試せるiOS 14用ウィジェット(その2)

iOSの新バージョンは、数年ぶりに消費者がホーム画面を整理する新しい方法を提供する。今回のアップデートでは、あまり頻繁に使わないアプリをiPhoneの背面画面のApp Libraryに移動できるようになった。

ここでは、本日iOS 14と同時にローンチされた、興味深いアプリとウィジェット22本のうち後半の11本を紹介する。これらは、iOS 14のリリース直後に公開される予定だ。

Tangerine(タンジェリン)

習慣や気分をトラッキングするアプリ「Tangerine」は、ランニングや運動、水を飲むなど、その日の目標の進捗状況を思い出させてくれるさまざまなウィジェットを提供。

画像クレジット:Tangerine

Nudget(ヌゲット)

Nudgetのモバイル予算管理アプリは、使いすぎた、または支出が減ったなどのカテゴリや、今週残っている資金の量など、家計を管理するためのウィジェットを提供。

画像クレジット:Nudget

Birch(バーチ)

整理された写真メモアプリであるBirchには、ホーム画面に写真を置くことができるFeatured Photoウィジェットが含まれている。iOSの写真アプリには同様の方法がないのでこれは便利だ。

画像クレジット:Birch

Card Pointers(カードポインター)

クレジットカードのポイントやキャッシュバックを最大限に活用するためのアプリ「Card Pointers」が、3つのウィジェットを搭載して登場します。

画像クレジット:Card Pointers

FunnMedia’s apps(ファンメディアズ・アップス)

FunnMediaの健康トラッキングアプリ「HabitMinder」「WaterMinder」「Calory App」「Healthview」はいずれも、運動や水分摂取量、その他の健康目標をトラッキングするのに役立つウィジェットを本日リリースした。

  1. Jvofxn8E

    画像クレジット:FunnMedia
  2. kHXoIQSf

    画像クレジット:FunnMedia
  3. ns7-ajLF

    画像クレジット:FunnMedia
  4. QpjN5alH

    画像クレジット:FunnMedia
  5. Ep4Z9hme

    画像クレジット:FunnMedia
  6. m9_Sl7Gx

    画像クレジット:FunnMedia

SmartGym(スマートジム)

1週間のワークアウトのまとめ、よりシンプルでグラフィックの多い「ワークアウト」ウィジェット、さらにはモチベーションアップのための名言を配信するウィジェットなど、いくつかの新しいウィジェットが加わった。また、どれにしようか迷ったときのために、ウィジェットを重ねて使うこともできる。

  1. Summary

    画像クレジット:SmartGym
  2. QuoteOfTheDay

    画像クレジット:SmartGym
  3. Workouts

    画像クレジット:SmartGym
  4. EiEFF8yXYAIT30Z-1

    画像クレジット:SmartGym

Pocketdex(ポケデックス)

Pocketdexは、あなたのホーム画面にあなたのポケモンを配置する。

画像クレジット:Pocketdex

Watch Chess app(ウォッチ・チェス・アップス)

iOS 14のホームスクリーンに「Watch Chess app」のチェスウィジェットを配信する。

Copilot(コパイロット)

ファイナンスアプリ「Copilot」のウィジェット。

Bolt Workout(ボルトワークアウト)

エクササイズアプリ「Bolt Workout」には、ワークアウトや成果などをトラッキングするための大小のウィジェットが用意されている。

画像クレジット:Bolt Workout

Personal Best Workouts(パーソナル・ベスト・ワークアウト)

もう1つのワークアウトアプリ「Personal Best Workouts」では、ウィジェットを使ってワークアウトをトラッキングすることができる。

画像クレジット:Personal Best Workouts

上記のアプリは、いくつかの不測のApp Storeの拒絶を除いて、iOS 14のリリース後、本日配信される予定だ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

いますぐ試せるiOS 14用ウィジェット(その1)

iOS 14が予想よりも早くリリースされ、アプリ開発者は準備期間が十分に取れなかったにもかかわらず、野心的な少数の開発者は、リリース当日にiOS 14をサポートするアプリを提供するために、徹夜までして何とかやり遂げた。iOSの新バージョンは、数年ぶりに消費者がホーム画面を整理する新しい方法を提供する。今回のアップデートでは、あまり頻繁に使わないアプリをiPhoneの背面画面のApp Libraryに移動できるようになった。

やがて、ウィジェットのサポートは多くのアプリケーションの標準機能となるだろう。しかし、アップルは今年はややイレギュラーなかたちでiOS 14をリリースすることを選んだので、初日に提供されるウィジェットは少ないかもしれない。

ここでは、本日iOS 14と同時にローンチされた、興味深いアプリとウィジェット23本のうち前半の12本を紹介する。これらは、iOS 14のリリース直後に公開される予定だ。なお、一部のアプリとウィジェットは日本では配布されていないので注意。

Aviary(アビアリー)

Twitterクライアント「Aviary」が、Twitterのタイムラインから最新のツイートをウィジェットのサイズを選択した場合に1、2、4本のいずれかで閲覧できるウィジェットをリリースした。ウィジェットは定期的に更新される。

画像クレジット:Aviary(右上のウィジェット)

Brief(ブリーフ)

偏りのないニュースアプリを標榜する「Brief」は、クリックベイト(煽り見出し)を避けるという約束を守っており、注意力の分散を防ぐためにデザインされたミニマルな単色のウィジェットを使用している。「フロントページ」ウィジェットのコンテンツは、ニュースチームによって注意深くキュレーションされるため、その日の最も重要なニュースのみがホーム画面に表示される。

画像クレジット:Brief

第二の「選挙スナップショット」ウィジェットでは、現在の大統領、下院、上院のレースを一目で確認できる。ユーザーはこのウィジェットをカスタマイズして、例えば自分の州の選挙など、最も注目されている選挙を追跡することも可能だ。

Soor(スール)

iPhoneユーザー向けのプレミアム音楽プレーヤーアプリ「Soor」が、大小3つのウィジェットをリリース。「Now Playing」ウィジェットは、現在の曲と次の曲が表示され、ほぼリアルタイムで更新される。また、自分のミックスを表示する「Magic Mixes」ウィジェットや、8種類のキュレーションされたコンテンツを表示設定できる「Music Collection」ウィジェットも用意されている。

画像クレジット:Soor

Readdle: Spark Mail, Calendar 5, Documents(リードル:スパークメール、カレンダー5、ドキュメンツ)

ReaddleはiOSアプリの「カレンダー」に、予定や月を表示する「Calendar 5」ウィジェットをリリースした。
した。

画像クレジット:Readdle/Calendar 5

Spark Mailアプリは、メールやカレンダー用のウィジェットも用意されている。

画像クレジット:Readdle/Spark Mail

にDocuments by Readdleは、VPN、音楽、プレーヤー、ブラウザなどのファイルアクションに素早くアクセスするためのウィジェットが加わった。

画像クレジット:Readdle

Streaks(ストリーク)

クセになるToDoリストアプリ「Streaks」も本日リリースされた。

Cheep(チープ)

Cheepアプリを使えば、間違った運賃やその他のとんでもなく割引されたフライトのお得な情報を知ることができる。iOS 14ウィジェットは、あなたの空港のお得な情報をだけをカスタマイズ可能で、アプリを開かなくても簡単にお得な情報を入手できる。

画像クレジット:Cheep

Dice(ダイス)

PCalcのDiceは、卓上ロールプレイングゲームで使用するための多面体サイコロの物理学ベースのシミュレーションだ。このアプリの新しいウィジェットでは、サイコロがホーム画面に表示され、タップするだけでアプリを開くことができる。

画像提供:PCalc

Twilight Dice(トワイライトダイス)

もう1つのサイコロアプリも、本日からそのウィジェットが使える。

画像クレジット:Twilight Dice

Weather Line(ウェザーライン)

天気予報アプリ「Weather Line」は、すでに天気や予報に関連した多くのビジュアルデータを提供している。ウィジェットでは、その分析結果とグラフをiOS 14のホーム画面に表示する。このアプリのウィジェットは天気関係の必要な情報を集約しており、現在の気象状況、予報、高低、日の出・日没、降雨、異常気象警報などを配信する。

画像クレジット:Weather Line

Nighthawk(ナイトホーク)

NighthawkのTwitterクライアントは本日、最初のウィジェットをリリースした。「Vanity」を使うとフォロワー数やフォロワー数など、自分のTwitterプロフィールのメトリクスを把握することができる。

Apollo for Reddit(アポロ・フォー・ラディット)

人気のRedditクライアントアプリのApolloは、選択したRedditフィードからの投稿を表示する「Post」、お気に入りのフィードから複数の投稿を表示する「Multiple Posts」、よりビジュアルでグリッドスタイルのレイアウトで投稿を表示する「Post Feed Grid」、画像が多いSubreddits(Redditのサブフォーラム)の写真を順番に表示する「Wallpaper」、ホーム画面にちょっとしたユーモアを添える「Showerthoughts」「Jokes」など、さままなウィジェットのコレクションを提供する。

画像クレジット:Apollo for Reddit

Carrot Weather(キャロット・ウェザー)

ユーモラスな天気予報アプリであるCarrotは、天気予報、毎時・毎日、天気マップ、そして真のCarrotのファッションである「スナーク」の各ウィジェットが搭載されており、アプリの古典的な皮肉っぽいコメントで天気情報をユーザーに届ける。

iOS 14でリリースされたCarrotのユーモラスな天気予報アプリには、天気予報ウィジェット、毎時と毎日のウィジェット、天気マップウィジェット、そして―本当の人参風に―アプリの古典的な皮肉っぽいコメントで天気を伝えるスナックウィジェットがある。

  1. Forecast-Widget

    画像クレジット:Carrot Weather
  2. Weather-Maps-Widget

    画像クレジット:Carrot Weather
  3. Snark-Widget

    画像クレジット:Carrot Weather
  4. Hourly-and-Daily-Widgets

    画像クレジット:Carrot Weather

上記のアプリは、いくつかの不測のApp Storeの拒絶を除いて、iOS 14のリリース後、本日配信される予定だ。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

iOS 14でアプリの広告トラッキングの拒否が可能に、セキュリティとプライバシーをさらに強化

iOSの新バージョンには、セキュリティとプライバシーの新機能も多く含まれる。米国時間6月22日、Apple(アップル)はiOS 14に組み込まれる新機能を多数発表した。iOS 14は2020年後半、新しいiPhoneとiPadがリリースされる際に登場する見込みだ。

アップルは、ユーザーがアプリに対して正確な位置情報を共有するのではなく、「大まかな位置情報を共有」できるようにすると述べた。これによりアプリは正確な現在地を特定するのではなく、大まかな現在地を取得できるようになる。これは、ユーザーがどのタイミングで位置情報を提供するかということに続く新しいオプションだ。2019年にアップルは、ユーザーが位置情報の利用を一度だけ許可するオプションを追加し、このオプションを選択するとアプリがその人の動きをずっと追跡することはできなくなった。

iOS 14が動作するiPhoneでは、ステータスバーに「カメラとマイクの記録インジケーター」も表示されるようになる。これはMacでカメラの動作中にライトがつくのと似た機能だ。この記録インジケーターは、前面または背面のカメラを利用している場合、あるいはマイクが有効になっている場合にiPhoneの画面上部に表示される。

しかしアップルは、最も大きく変わるのはアプリ開発者自身だと述べた。iOS 14では、アプリがユーザーに対して「追跡されたいかどうかを尋ねる」ようになる。これは影響力のある大きな変更だ。ユーザーが追跡を拒否できるようになることで、アプリが収集するデータの量が減り、ユーザーのプライバシーが守られる。

アップルは、アプリがどのような許可を要求するかを自己申告するようアプリの開発者に今後求めていくことも説明した。これにより透明性が向上し、ユーザーはそのアプリを使うためにどのようなデータを渡すのかを知ることができる。収集されたデータがアプリ外でどう追跡されるかも説明されるようになる。

Androidユーザーはすでに何年も前から、アプリが求める権限をGoogle Playストアで確認できる。

アップルはプライバシー重視の姿勢を常に口にしている。今回の動きは、その姿勢の一環として広告業界に対してアップルが繰り出した最新の攻撃だ。

広告主、そしてデータをかき集めるFacebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などのテック大手は、ターゲット広告で巨額の利益を得ている。その両者を巻き込む論争の中で、広告業界はこれまで頻繁にアップルの批判の的となってきた。2015年にアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、シリコンバレーのライバルたちは「あなたについて知り得るすべてを食い尽くして収益化しようとしている」と述べた(未訳記事)。ハードウェアを販売して収益を得ているアップルは「そのようにはしないことを選択する」とクック氏は語っている(The Guardian記事)。

ターゲット広告がさらに広まる中で、アップルは自社のソフトウェアにプライバシー関連の新しい機能を追加することで対抗した。例えばインテリジェントなトラッキング防止技術や、広告とトラッカーを読み込まないようにするコンテンツブロッカーをユーザーがSafariにインストールできるようにする機能などだ。

2019年にアップルは、開発者に対してサードパーティ製トラッカーを使用する子供向けアプリはApp Storeで却下されると伝えた。

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画像クレジット:Apple(ライブストリーミング)

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(翻訳:Kaori Koyama)

iOS 14でマップにルートの最適化や急な坂を知らせる自転車用オプションを追加、まずNYや上海などで導入

Apple(アップル)のiOS新バージョンでは、マップに多くの新機能が加わる。その中の1つが、自転車ユーザー向けにルートを最適化したり、そのルートに勾配のきつい登り坂が含まれているかどうかを知らせたりする自転車オプションだ。

アップルはこの新機能を米国時間6月22日に開催された年次デベロッパー会議のWWDC 2020バーチャル版で発表した。

Apple Mapsはすでに公共交通機関や徒歩での移動ルートを案内している。だが、同社のシニアディレクターであるStacey Lysik(ステイシー・リシック)氏によると、自転車オプションのリクエストが最も多く寄せられていたという。

自転車オプションは、iOS 14でまずいくつかの都市を対象に導入される。差し当たってはニューヨーク市、サンフランシスコのベイエリア、そして中国の上海と北京だ。数カ月以内にさらに多くの都市が追加されるとのことだ。

「自転車で街を移動するのに使える、ものすごくいいサイクリングエクスペリエンスを構築した」とリシック氏は話した。

自転車オプションでは、かなり勾配がきつい坂を登ることになるのか、あるいは楽しい平坦な道のサイクリングになるのかなどを調べてユーザーに示す。また、ルートに静かな通り、あるいは賑やかな通りが含まれるのか、険しい道があるのか、自転車を担いで階段を昇らなければならないのかもわかる、とリシック氏は述べている。

階段は明らかに理想的なものではない。そのためこの機能では、階段を回避するルート設定も用意される。

画像クレジット: Apple

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(翻訳:Mizoguchi

iOS 14の新機能はスタートアップにとって脅威となる

フィットネスや壁紙、失くしたアイテムの探索機能などを提供するスタートアップは、強大な競合と新たに直面することになりそうだ。しかもそれは、すべてのiPhoneに標準装備される。

Apple(アップル)が、この6月に公開することになるiOS 14のコードのリーク情報から、多くの新機能と、新しいデバイスの登場が予想される。アップルが、そうした新たな機能をOSレベルで組み込んでくることは、スタートアップにとって脅威となるだろう。新しいiOSが登場した途端に巨大なインストールベースを獲得し、そうした新機能を無料、もしくは安価に提供できるからだ。そして、iPhoneという収益の柱の売れ行きをさらに増加させることになる。

このような新たに発見されたものが、すべて実際に6月に公式に発表されるのか、あるいはもっと後になるのかは、まだわからない。以下に示すのは、9To5MacのChance Miller(チャンス・ミラー)氏が取得したiOS 14コードの分析結果だ。そこから、どのようなビジネスにアップルが割り込み、どのスタートアップが打撃を受けることになるのか、予想できる。

フィットネス:コードネーム「Seymour」

AppleはiOS、WatchOS、Apple TVで使えるトレーニング用のガイドアプリ「Seymour」(シーモア)を準備しているようだ。これにより、ユーザーは解説ビデオクリップをダウンロードして、さまざまなエクササイズができるようになる。MacRumorsのJuli Clover(ジュリ・クローバー)氏によれば、このアプリは、「Fit)」(フィットまたは「Fitness」(フィットネス)と呼ばれる可能性が高いという。ストレッチ、コアトレーニング、筋力トレーニング、ランニング、サイクリング、ローイング、アウトドアウォーキング、ダンス、ヨガをサポートしている。Apple Watchを使えば、トレーニングルーチンの進捗を把握できるようだ。

iOS 14のコードに埋め込まれたアップルのフィットネス機能のアイコン

iOSの「ヘルスケア」アプリは、歩数やその他のフィットネス関連の目標を管理するため、かなり一般的に使われている。ヘルスケアを使って、新しいフィットネス機能をパーソナライズしたり、利用を促進することにより、アップルは簡単に巨大なユーザーベースを手に入れることができる。適切なトレーニングによって怪我や障害を避けるためには、学ぶべきことが多いので、ウェイトトレーニングや、筋力トレーニングに恐怖感を抱いている人も多い。複数のアングルから撮影されたビデオによるビジュアルなガイドによって、腕立て伏せや二頭筋カールなども、正しくできるようになる。

アップルがフィットネスに参入することで、Futureのようなスタートアップは危機にさらされる可能性がある。Futureも、個々のエクササイズのやり方をビデオで説明する、カスタマイズされたトレーニングルーチンを提供しているからだ。Futureは、これまでに1150万ドル(約12億400億円)の資金提供を受けたスタートアップ。月額150ドルで、Apple Watchを使ってトレーニングの進行を管理するサービスを提供している。これは、視覚、音声、バイブレーションを利用して、iPhoneの画面を見なくてもエクササイズを切り替えるタイミングを知らせてくれるもの。Featureの場合には、人間のパーソナルトレーナーがいて、エクササイズをサボると、テキストメッセージで小言を言ってくるが、アップルはそれがない代わり、同様の機能を無料で提供してくれるのだ。

アップル製のFitnessは、トレーニングの視覚的なガイドのみを提供するSweatやSworkit、あるいは音声のみのAaptivのような、それほど高額ではないアプリにとっては、もっとやっかいかもしれない。バイクを使わないBeyond the Rideというトレーニングを、ライブまたはオンデマンドのクラスとして提供しているPelotonや、巨大な3Dセンサーを内蔵したウェイトリフティング用の家庭用スクリーンを提供するTempoといったハードウェアメーカーも、アップルの無料、または安価なサービスに、それほどこだわりのない顧客を奪われる危険を感じているかもしれない。

支払い方法に関するコードがないので、アップルのFitnessは無料だと考えられる。とは言え、アップルがサービスを拡張して、有料のプレミアム機能を付加することも十分に考えられる。たとえば、人間の専門家によるリモートのパーソナルトレーニング補助機能や、エクササイズの種類を、有料で追加することもあるかもしれない。それによって、こうしたサービスから収益が得られるようにするわけだ。

壁紙:サードパーティによるアクセス

現在のiPhoneの壁紙セレクター

iOS 14では、アップルは新たな壁紙のカテゴリを、現在のダイナミック(ゆっくりとずれる)、静止画、Live(タッチすると動く)という3種類のオプションに追加するかもしれない。これまでアップルは、最初からあるいくつかの内蔵の壁紙に、カメラロールからだけ追加できるようにしてきた。しかしiOS 14のコードは、サードパーティが壁紙を提供することに、アップルが道を開く可能性を示している。

壁紙の「ストア」ができるとすれば、この分野の起業家にとって祝福すべきことにも、呪うべきことにもなる可能性がある。壁紙を取り揃えて閲覧させ、購入、ダウンロードできるにしているVellum、Unsplash、Clarity、WLPPR、Walliなどのサイトやアプリを危険にさらすことになるかもしれない。アップルは、同様の機能を壁紙の設定に直接組み込むことで、自ら膨大な壁紙のコレクションを提供することも可能だからだ。とはいえ美しい壁紙のクリエーターにとって、iOS 14が新たな販売方法を提供することになることも考えられる。ユーザーがiPhone画面の背景をインストールする場所で、直接サードパーティの壁紙を購入できるようになる可能性もあるのだ。

大きな疑問は、アップルは単にいくつかのプロバイダーと協力して壁紙パックを無料で追加するだけなのか、プロバイダーを財政的に支援して協力を取り付けるのか、あるいはアプリのデベロッパーのように、クリエイターが画像を販売できる本格的な壁紙市場を形成しようとしているのか、ということ。以前は無料だった機能を市場に変えることで、アップルはその売上をサービス収益の増加につなげることもできるのだ。

AirTag:探しものを見つける

アップルが、待望のAirTagを発売するのも、間近に迫っているようだ。それも、iOS 14のコードの断片から判断できる。これは、小さな追跡用のタグを、財布、鍵、ガジェット、その他の重要だったり、簡単に失くしてしまいそうなモノに取り付けると、iOSの「探す」アプリを使って見つけることができるようになるというもの。MacRumorsによると、AirTagは交換可能なコイン型のバッテリーで動作するようだ。

iOSとネイティブに統合されるので、AirTagのセットアップは非常に簡単だ。そして、アップル製のデバイスが世界中どこにでもあることで、大きなメリットが享受できる。というのも、AirTagは多くの人が持っているアップル製のスマホ、タブレット、ノートブックの通信に便乗して、失くしたアイテムの位置情報を元の持ち主に知らせることができるからだ。

ここで明らかなのは、AirTagがこの業界で長年に渡って先頭を走ってきたTileの強力なライバルになりそうだということ。このスタートアップは1億400万ドル(約108億円)の出資を受けている。追跡タグの販売価格は20〜35ドル(約2100〜3600円)で、150〜400フィート(約46〜122m)離れた場所にあるデバイスを見つけることができる。また、年間30ドル(約3100円)の会費を払えば、バッテリー交換が無料となり、30日間の位置情報の履歴も利用可能となる。この業界には、他にもChipolo、Orbit、MYNTといった会社がある。

しかし、すでにAirPodsの発売時に経験しているように、アップルならではの知見を生かした設計によるiOSとのネイティブな統合により、同社の製品は市場に出回っている製品を凌駕するものになり得る。もしAirTagが、iPhoneのBluetoothや通信ハードウェアへの独自のアクセスを可能にしセットアップが早ければ、アップルのファンならそうしたスタートアップの製品からアップル製の新しいデバイスに乗り換えるだろう。さらに、アップルも有料のサブスクリプションを設定して、バッテリーやAirTag本体の交換、あるいは特別な追跡機能をサポートする可能性さえある。

拡張現実スキャン:コードネーム「Gobi」

iOS 14には、ユーザーが現実世界の場所や、可能性としては個々のアイテムをスキャンすると、そこから有用な情報を引き出すことが可能な、新しい拡張現実機能のコードが含まれている。9To5MacのBenjamin Mayo(ベンジャミン・マヨ)氏によると、このコードは、アップルが、Apple Storeとスターバックスで、コードネームGobi(ゴビ)と呼ばれる機能をテストしていることを示すものだという。ユーザーは、製品の詳細や価格、他製品との比較情報を見ることができる。Gobiは、QRコードなどを認識して、特定のショップの位置情報を取得し、その場所に付随する拡張現実体験を開始させることもできる。

SDKを使えば、パートナー企業が独自の拡張現実を開発し、それを開始するQRコードを生成できるようになるようだ。最終的には、こうした機能は、アップル製のモバイルデバイスだけでなく、サポートするARヘッドセットにまで展開できるようになる。それにより、ユーザーが所定の場所に入るだけで、即座にヘッドアップディスプレイに情報を表示するといったことも可能となる。

アップルは、本格的なアプリを構築するためのAR Kitというインフラをデベロッパーに提供するよりも、より手軽に使えるAR体験を可能にする方向に舵を切ろうとしている。その動きが、いくつかのスタートアップや、他の大手IT企業との競合を生む可能性がある。拡張現実の本質は、現実世界の隠れた体験を探索しやすくすることにある。そこでもし、ユーザーがいろいろな場所、あるいは異なる製品ごとに、別々のアプリを探し、ダウンロードしてインストールするのを待たなければならないとしたら、そうした体験は台無しになってしまう。すぐに起動して、シンプルな体験を提供する1つのARアプリに統合すれば、普及も促進されるはずだ。

SnapchatのScan ARプラットフォーム

Blipparのようなスタートアップは、消費者向けのパッケージされた商品や、小売店で活用できることを目指し、長年ARスキャン機能に取り組んできた。しかし、上で述べたように、そのためのアプリをダウンロードしておいて、使うのを忘れないようにしなければならないこともあって、そのような体験が主流になることはなかった。SnapchatのScanプラットフォームは、特定のアイテムから、同様にAR効果​​を開始できる。こちらは、もう少し人気のあるアプリから使える。そして、FacebookやGoogleのティーザー広告が示している拡張現実のハードウェアとソフトウェアも、結局のところ日常生活をより便利にするものとなりそうだ。

もしアップルが、このテクノロジーをすべてのiPhoneカメラに組み込むことができれば、ARが抱える普及への最大の課題の1つを乗り越えることになる。それにより、デベロッパーのエコシステムを開拓し、最終的にARメガネが利用可能になるまでに、ユーザーにとってARが普通のものとなるように慣れさせることができるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)