猫専用バイオロギングデバイス「Catlog」開発のRABOが1億円調達、Shitall岩佐氏がハードウェア顧問に

猫の行動をバイオロギング解析技術でモニタリングできるIoTデバイス「Catlog」を開発・販売するRABOは1月15日、約1億円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、引受先は、iSGS インベストメントワークス、W ventures、iPLAB Startups、Shitall代表の岩佐琢磨氏。

写真前列中央がRABOの代表取締役兼CEOの伊豫愉芸子氏とCCO(Chief Cat Officer、最高猫責任猫)のブリ丸

また、特許業務法人のiPLAB Startupsで代表を務める弁理士の中畑 稔氏は、RABOで各種知的財産戦略の設計と実施などの顧問に就任する。中畑氏はドローン開発のスタートアップであるエアロネクストで取締役CIP(最高知財経営責任者)を務める人物だ。

一方Shitallの岩佐氏は、CatlogをはじめRABOが今後展開するハードウェア開発へのアドバイスやグローバル展開などサポートする顧問となる。具体的には、ハードウェア製品の製造工場選定やCESなどの展示会出展についてのノウハウをアドバイスする立場となる。岩佐氏はパナソニックを退社後にハードウェアスタートアップのCerevoを設立、その後Cerevoの一部事業を分割したShiftallを立ち上げて代表に就任し、全株式をパナソニックに売却。現在Shiftallはパナソニックの完全子会社として、ユニークなハードウェアを開発を続けている。2018年開催のTechCrunch Tokyo 2018には、目の周囲を覆うノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドフォン端末の「WEAR SPACE」出展。2020年1月上旬に米国で開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)では、前回と同じコーディネイトかどうかを判断して教えてくれるスマート姿見「Project: NeSSA」(プロジェクト ネッサ)、ARプロジェクション機能搭載のペンダント型照明器具「BeamAR」、つくりおき食材を冷蔵保存しておき遠隔から加熱できる調理家電「Cook’Keep」などを発表している。

Catlogは、猫の行動を24時間記録でき、歩行や走行はもちろん、睡眠や飲食などの状況をスマートフォンで遠隔チェックできるIoTデバイス。2018年10月29日から2019年2月22日までMakuakeにて先行予約販売を実施したところ、支援者423人、支援総額457万1600円が集まり、達成率は1523%となった注目のプロダクトだ。2019年9月24日にはiOSデバイス向けに一般販売を開始し、ローンチ後約4カ月で約1000UC(Unique Cat)に到達したとのこと。つまり、1000匹(頭)の猫の行動データを蓄積・分析しているわけだ。アプリアクセス率(登録したユーザーのうち再度アプリにアクセスしたユーザーの割合)も7日間で90%、30日で78%と高い数値を維持している。同社によると、ノンマーケティングのオーガニックのみで、約4カ月の計画出荷数を1.5週間で達成したという。

気になるAndroid版のCatlogアプリについては今月中にリリース予定とのこと。また同社ウェブサイトでは現在、マーケティング、機械学習やiOSアプリのエンジニア、猫動画制作者などのスタッフを募集中だ。

オンライン商標登録サービス「Cotobox」にスタートアップ知財支援のiPLAB Startupsが提携弁理士パートナー参画

オンライン商標登録サービス「Cotobox(コトボックス)」を提供するcotoboxは12月24日、スタートアップ向けに知財支援サービスを提供する特許業務法人iPLAB Startupsが提携弁理士パートナーとして参画することを発表。cotoboxいわく、これにより、利用者はより最適な知財ソリューションを受けられるようになる。

TechCrunch Japanでも過去に何度か紹介しているCotoboxは、企業の商標登録の負担を減らすサービス。このサービスでは、ブラウザ上で簡単に商標を調査し、出願から管理まで行うことができる。12月2日には「総合的な商標クラウドサービスの実現」に向け、AIを活用した業種別のロゴ調査機能が追加された。

ユーザーは、商標登録を希望する場合、Cotoboxの提携先の弁理士に出願依頼もできる。商標の調査をした後に依頼を出すことで、Cotobox提携の弁理士が、商標調査の結果、ならびに同サービス上でユーザーと行なったメッセージの内容をもとに、出願書類を確定させ、特許庁手続きを行う。

cotobox代表取締役CEOの五味和泰氏いわく、iPLAB Startupsが提携弁理士パートナーとして参画することにより、ユーザーはより適任な弁理士とマッチングされるようになる。また、データがCotobox上にあるため、弁理士間での引き継ぎなどもしやすくなる、と同氏は加えた。

「商標1つとっても、調査、出願業務、海外出願、権利化後のライセンス、侵害対応価値評価など多岐のフェーズがあり、専門性が異なる場合もある。その専門性を頼りに弁理士を選べる仕組みは、今までにないものだ。また、特許、意匠、著作権などの他の知財課題のソリューションも提供できるほか、Cotoboxの提携弁理士同士のコミュニティが形成されれば、1つの大規模事務所以上のナレッジも溜まる。そのようなナレッジに基づくリーズナブルな役務提供は、大きなユーザメリットとなる」(五味氏)

これまでに5000以上が利用したCotoboxでは、商標調査、出願、商標権侵害の発見などを実現している。また、グローバル展開を目指す国内外の企業に対し、20の国、地域間での商標の取扱実績があるという。