企業のクラウド環境をモニタしてリソース等の最適化を行うYotaScaleが$3.6Mを調達

Vector high tech internet data center. Network equipment that is used to organize the server room

エンタープライズ指向のアクセラレータAlchemistを卒業したYotaScaleが、360万ドルのベンチャー資金の調達を発表した。そのラウンドに参加した投資家は、Engineering Capital, Pelion Ventures, およびエンジェルのJocelyn Goldfein, Timothy Chou, そしてRobert Dykesだ。同社は機械学習を利用して、企業のクラウドコンピューティングの実行性能(パフォーマンス)や可用性、費用などの最適化を図る。同社と競合するCloudHealth TechnologiesCloudabilityも、この今や熱い市場で、合わせて8000万ドルの資金を獲得している。

クラウドコンピューティングは、今やどの産業でも事業の不可欠な要素になりつつあるが、しかしイノベーションが急速なので、インフラの進化に適切に付き合っていくのが難しい。その責任を人間に丸投げするのではなく、YotaScaleはクラウドインフラの実行性能管理そのものを自動化する。

同社は、きわめて多面的で複雑なクラウドデータを絶えず精査して、顧客企業のインフラストラクチャがその重要な事業的プライオリティに向けて確実に最適化されている状態を保つ。プライオリティは、費用の最小化などシンプルなものもあれば、目標の異なる複数のプロジェクトが関与する複雑な動的構造のこともある。

“機械の稼働率が低い、などの単純なことなら人間にも分かるし、一部の機械を止めればすむことだ”、とYotaScaleのCEO Asim Razzaqは語る。

Razzaqのシステムは、クラウドの利用データに課金とログのデータを結びつける。その複合データが、ベースラインと対照して異状を検出するための基盤になる。大量のデータではない、と思われるかもしれないが、リソースの消費やCPUの利用状態などの稼働状況を外挿するには十分なのだ。

むしろ、異状検出で難しいのは‘正常’の定義だ。何が正常かは、状況によって千差万別だからだ。分かりやすい例としては、CPUの利用がスパイクしても、それがブラックフライデーのeコマースなら全然異常ではない。そこでYotaScaleは履歴データにだけこだわるのではなく、今後の見通しも重視する。それによって、状況によるデータの浮動も理解できるようになる。変化が見られたら、それらにいちいちフラグをつけるのではなく、パフォーマンスの見通しと実態を突き合わせる。

クラウドインフラストラクチャのデータは、さまざまなタイプのデータがさまざまな時間間隔で生成される。毎時というものもあれば、毎日、というものもある。それらの違いを正確に見極めながら最適化を図る作業が、非常に難しい。アンサンブル学習という機械学習のテクニックを利用して分析の精度を上げ、捕捉したデータの多面的な特徴を管理している。基本は回帰分析だが、用途によってはそのほかの半教師ありモデルも使っている。

YotaScaleのユーザーであるApigeeやZenefitsなどは、機械学習に頼ってクラウドコンピューティングのニーズの理想的な管理ができている。その負担が、クラウドからもDevOpsからも消えている。また言うまでもなく、機械学習はリアルタイムの分析がとても得意だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))