人気のHTML5 UIライブラリKendo UIがそのほとんどをオープンソース化

人気のUIライブラリKendoを作っているTelerikが今週、Kendo UIのツールとJavaScriptフレームワーク機能の大半をオープンソースにする、と発表した。その新たなパッケージKendo UI CoreはApache 2.0のライセンスでリリースされ、デベロッパはそれの商用利用と非商用利用の両方ができる。

Kendo UIのよく使われる機能のうち、grideditorstock chartsなどの図形化ツールは従来どおり商用ライセンスの下に置かれるので、Kendo UI Coreに含まれるのはKendo UIの全機能の約75%である。

それでもCoreには38のUIウィジェットが含まれ、Kendo UI Mobileもすべてあるので、ハイブリッドのモバイルアプリも作れる。また、テンプレート、データバインディング、入力検証など主なフレームワークはすべて含まれる。カラーピッカー、オートコンプリート、カレンダーなどのウィジェットもある。ライブラリはBootstrapと密に統合化され、UIウィジェットはAngularJSなど、多くの人気ライブラリとそのまま併用できる。

TelerikのKendo UI担当プロマネBrandon Satromによると、もっぱら企業が使っているツールの一部は手元に置くことにした。それらは今、同社の技術努力の多くが投じられている製品群でもある。

彼は曰く、“デベロッパのみなさんに、お返しをしたいんだ。HTML5の普及が今では相当進んでいるから、デベロッパには第一級のツールセットをご提供したい。ほかの企業がよくやるような、寿命の尽きかけた製品のオープンソース化ではない”。

今後Kendo UIのチームは、コミュニティからの貢献を受け入れていく。すでにGitHub上には、提案やバグの報告を受け付けるためのリポジトリをセットアップした。

Satromによると、同社は今回の動きをこれまでずっと検討していた。過去に、制約のきついGPLライセンスで公開したKendo UIの機能もある。しかしこの企画をもっと前進させるためには、幅広いツールをより緩やかなライセンスで公開すべき、という結論に達したのだ。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


HTML5によるUIフレームワークKendo UIがメジャーアップデート, 新たに‘フラットスタイル’を導入

HTML5によるクロスプラットホームなUI作成を支えるプラットホーム、Telerik社のKendo UIが今日(米国時間7/17)、大幅なアップデートを行い、さまざまなスピード向上策とともに、新たにフラットなUIスタイルを導入した。そのほか、このフレームワークのデータ視覚化機能が改良され、またモバイルアプリケーションでFacebookふうの引き出しメニューを利用できるようになった。

今日のアップデートでいちばん目を引くのは、フラットなUIテーマの導入だろう。TelerikのBrandon Satromによると、ドロップシャドウなどの装飾要素がないのでパフォーマンスが約30%向上するという。しかもテーマの指定を変えるだけで使えるから、Kendo UIを使っている既存のアプリケーションにいっさい手を加えることなく、この最新のUIパラダイムを実装できる。Kendo UIを使うときのデフォルトのテーマは、目的デバイス上のネイティブのスタイルにマッチするものになるが、それをフラットスタイルに変えるのは簡単である。

そのほかのスピード向上策としては、Satromによると、モバイルアプリケーションの遷移が200%速くなり、ビューの遷移もよりきびきびと変わるようになった、という。

このほか、今回のアップデートではHTML5のCanvasを使ってチャートを描けるようになった。今でもサポートしているSVGによるチャートに比べると、描画がかなり速くなった。さらに、QRコードと、9種類のバーコードフォーマットがサポートされた。そしてこれからは、ポーラーチャートやレーダーチャートも描ける。

ウィジェットとしては、本格的なスケジューラウィジェットが新たに加わった。まだ既存のカレンダーとの連携ができないが、次のアップデートではサポートされるとのこと。

今日のデベロッパはクロスプラットホームな開発のためのツールの選択肢がとても多いが、それらの中でもKendo UIは正道を歩んでいると思える。同社によると、これまでのグローバルなダウンロード数は20万あまりに達する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ネイティブ開発よりHTML5によるクロスプラットホーム開発にデベロッパの心は傾く

HTML5_vs._Hybrid_vs._Native

Telerik社のHTML5フレームワークKendo UIの委嘱で行われた調査によると、今ではそれぞれのプラットホーム向けにネイティブなアプリケーションを作るよりも、最初からHTML5でクロスプラットホームな開発を志向するデベロッパの方が多くなっている。同社が全世界5000名のデベロッパを対象に行った2013 Global Developer Survey(2013年グローバルデベロッパ調査)の結果では、全員が2012年にHTML5でアプリケーションを開発した経験があり、その90%が2013年にもそうしたいと答えている。逆に、ネイティブのみを志向するデベロッパは全体の15%であった。

Kendo UIのWeb&モバイル担当VP Todd Anglinによると、調査の目的はデベロッパたちのHTML5への取り組みの現状と、HTML5でどんな種類のアプリケーションが開発されているかを知ることであった。

またこの調査には、もっと大きな視点も含まれており、たとえば、デベロッパが開発したいプラットホームとして、回答者の66%がWindows 8を挙げている(喜べ!Microsoft!)。ChromeOSは47%、率が低いのはBlackberry 10の13%、Tizenの8%となっている。ただし、実際に世に出るアプリケーションがこの比率になるわけではない。回答者は企業のデベロッパが多く、個人的に自由に開発プラットホームを選ぶ、という状況ではなさそうだ。

調査対象となった5000名のデベロッパの、51%が中小企業、スタートアップが29%、大企業が20%となっている。彼らのHTML5への関心は、この調査以前からあったと思われ、そのことが、調査結果に見られるHTML5への好感度にも表れているようだ。

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ネイティブ開発の難度がもっとも高いと感じられているプラットホームは、BlackberryとiOSである(下図)。 Windows 8とWindows Phone 8はもっとも容易という評価になり、Androidは中間だ。Anglinによると、デベロッパはWindowsでもHTML5でアプリケーションを書けるけれども、しかしMicrosoftがきわめて強力なツールセットをデベロッパに提供しているからだ、という。つまり、ツールが充実しているプラットホームだ、ということ。

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HTML5でどんなアプリケーションを開発しているのか? トップは生産性アプリ(OA関連)の54%、次位がユーティリティの38%だ。エンタテイメントやライフスタイル、旅行、ゲームなどは下位である(下図)。

また、回答者たちが答えている現代のもっとも重要なWeb技術は、フォーム、ヴァリデーション(validation,本人性確認)、データベース、柔軟なレイアウト(グリッドやフレックスボックスなど)、となっている。

Types_of_apps_build_with_HTML5
〔LOB, line of business …業種別・業務別〕

〔参考: Telerik, Kendo UI関連記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))