中国のオンデマンド物流企業LalamoveがシリーズE投資533億円を調達

オンデマンド物流企業Lalamove(ララムーブ、啦啦快送)は、シリーズE投資5億1500万ドル(約533億円)を調達し、中国国内のさらに多くの小規模都市にネットワークを拡大すると同社サイトで発表した。このラウンドはSequoia Capital Chinaが主導し、Hillhouse CapitalとShunwei Capitalが参加している。これら3社は、いずれも以前からの投資者だ。

Crunchbaseのデータによれば、これによりLalamoveの調達額は総額で9億7650万ドル(約1010億円)となった。同社が最初に資金調達の発表を行ったのは2019年2月。このときのシリーズD投資3億ドル(約310億円)で、ユニコーン企業の仲間入りを果たしている。

Bloombergが先週伝えたところによると、Lalamoveは評価額80億ドル(約8280億円)で、少なくとも5億ドル(約517億円)の新規投資ラウンドを目指しているという。これは2019年に調達した額の4倍だ。

地元の街でオンデマンド物流事業を行おうと2013年に設立されたLalamoveは、それ以来、貨物サービス、企業向けロジスティックス、引っ越し事業、車両レンタルへとビジネスを拡大してきた。中国本土の352の都市に加え、本拠地の香港、台湾、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイでも事業を展開している。2020年10月に初めて米国へ進出し、現在は月間48万人の実働ドライバーを擁し、月間720万件のアクティブユーザーがある。

今回のシリーズD投資の一部は、インド進出の資金として確保されているが、Lalamoveのアプリはインド政府がサイバーセキュリティー上の懸念があるとして禁止した43のアプリのなかの1つに加えられている。

LalamoveのCEOであるShing Chow(周勝馥、チョウ・シン)氏は、このシリーズE投資を使って中国の4級、5級の都市へ進出すると話している。「中国物流業界のモバイルインターネットへの移行は、まだまだ終わりません」と彼は言い足した。

中国の物流業界で、最近巨額の投資ラウンドの資金調達を果たした企業には、この他にManbang(マンバング)やYTOがある。

Lalamove(中国ではホウララと呼ばれている)の今回のシリーズEラウンドの発表によれば、2020年初め、新型コロナウイルスのパンデミックにより貨物量が93%落ち込んだが強力な回復を見せ、注文量は11月前の段階ですでに前年比82%を記録したということだ。

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(翻訳:金井哲夫)

香港のロジスティックユニコーン企業Lalamoveが米国マーケットに参入

オンデマンドロジスティクスのサービスを中国、東南アジア、南米で展開しているLalamove(ララムーブ)は創業7年にして正式に米国マーケットに参入した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが数多くの米国人を家に閉じ込めることになり、香港拠点のLalamoveは米国における配達サービスの増大する需要を取り込めると確信している。まずは米国における配達・ロジスティックの大きなハブであるダラスのフォートワースエリアでデビューする。その後、シカゴとヒューストンでもサービスを立ち上げる。

同社は、最大のライバルであるGoGoVan(ゴーゴーバン)とともに10億ドル(約1055億円)というユニコーンのバリュエーションを香港で早くに達成した企業の1社だ。Lalamoveの事業は多面的で、高度にローカライズされている。しかし、究極的には都市部で商品を動かす必要がある企業や個人のためのUberのような働きをしている。

中国でHuolalaとして知られている同社は、荷物を送る必要のある荷主とトラック運転手ネットワークの間に介在するブローカーのような役割を果たしている。東南アジアでは、事業形態は似ているがそこにレストランのためのフードデリバリーという別の業務が加わる。こちらは競争が激しく、現金の注入を要する分野だ。米国では、同社のセダンやSUV、ピックアップトラックは毎日24時間利用可能で、ケータリングや小売、eコマース、製造、建設といった分野の顧客をターゲットに使用料金は8.9ドル(約940円)〜となっている。

「配達というのは、特にパンデミックの間は必要不可欠なものです。しかしローカルで事業を展開している企業の多くが自社の車両を所有しておらず、あるいは所有できません。ダラスのフォートワースエリアのそうした企業が顧客に同日配達やオンデマンド配達サービスを提供できるようにすべく、協業できることを楽しみにしています」とLalamoveの国際マネジメントディレクターであるBlake Larson(ブレーク・ラーソン)氏は述べた。同氏はアジアにフォーカスした配車サービスEasy Taxi(イージー・タクシー)の共同創業者でもある。

GoGoVanと同様、Lalamoveは米国で教育を受けた香港の起業家によって設立された。両社とも中国や他の国の大手機関から資金を調達している。

Lalamoveの投資家リストにはHillhouse Capital、Sequoia Capital China、Xiaomi創業者のShunwei Capitalなどが名を連ねる。中国の58 Suyunとの合併を通じてGoGoVanはTencent、Alibaba、KKR、New Horizon Capitalなどから資金を調達している。

香港スタートアップの国際展開は、TikTok(ティクトック)が中国とのつながりのために米国で難しい状態に陥っている中でのものだ。Lalamoveの場合、中国のチームは中国部門のHuolalaを展開し、それとは別の国際チームがLalamoveの海外部門を受け持っているとTechCrnchは理解している。TikTokの米国での難しい状況の核心は、中国の親会社ByteDance(バイトダンス)の技術的能力への依存にある。

これまでにLalamoveはダラスのフォートワースでパートナー運転手500人超を認証しメンバーに加えた。2020年末までにさらに500人を追加する予定だ。米国は現在、新型コロナでレイオフや一時帰休、雇用の見合わせなどの嵐が吹き荒れているが、そうした中で同社は当地域に置くオフィスのスタッフを雇用している。

Lalamoveによると、同社はこれまでにユーザー700万人超と世界22のマーケットの70万超の配達パートナーをマッチングしたという。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Lalamove配達

画像クレジット:Lalamove

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(翻訳:Mizoguchi