運搬ロボ開発のLocus Roboticsが約43億円を資金調達、DHLが本格導入、UPSが試験導入

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは、多くの企業が前進する手段として自動化に目を向ける中、ロボット工学にも大きな影響を与えるだろう。大規模な自動化は避けられないと以前から考えられてきたが、企業が人間的な要素を排除するプロセスを模索する中で、このパンデミックはその動きを加速させようとしている。

Locus Roboticsはこれまで、資金調達で大きな問題を抱えていなかった。米国マサチューセッツ州を拠点とするこのスタートアップは、昨年4月に2600万ドル(約28億円)を調達(未訳記事)しており、今回のシリーズDラウンドで4000万ドル(約43億円)を調達した。これで総額は1億500万ドル(約110億円)以上になる。Zebra Technologiesが主導した今回の最新ラウンドは、Locus Roboticsがヨーロッパ本社の立ち上げで事業を拡大しようとしている同社にとっては、非常に重要なものとなっている。

「今回の資金調達により、Locusはグローバル市場への展開を加速させることが可能になる」とCEOのRick Faulk(リック・フォーク)氏はリリースの中で述べている。「世界中の小売業、産業、ヘルスケア、3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)事業が新型コロナウイルスのパンデミックを乗り切る上でのサポートを強固にし、より立場を強化することを保証する」。

Locusは、米国ではビンを運搬するロボットですでに好評を得ている。2月には、同社のロボットが1億ユニットのピッキングを達成したことが明らかになった。これは、ペンシルバニア州にあるDHLの施設での出来事だ。その翌月、DHLは2020年に同社のロボット1000台を配備することで合意。4月には、UPSが自社施設でLocusロボットを試験的に導入することを発表した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

米配送大手DHLは配送業務にLocus Roboticsの運搬ロボ1000台を導入予定

ロボティクスは物流企業が業務の時間を短縮できることから、配送や倉庫で大きな成果を上げている。その最も顕著な例はおそらくAmazonで、米国各地の同社の配送センターには現在20万台以上のロボットが配備されている。

Amazonが当日配送、翌日配送に移行したため、競合他社やパートナーは対抗策を求め、その多くは他社のロボティクスを取り入れている。米配送大手のDHLもロボティクス企業に期待を寄せてきた。同社の北米部門は、350カ所の施設でロボティクスと自動化に3億ドル(約320億円)を投資する計画を2018年11月に発表していた。

2017年以来のパートナーであるマサチューセッツのLocus Robotic(ローカス・ロボティック)は、その恩恵を受けている。DHLは今週、合計1000台のLocusBotsをLocus Roboticから調達し、配備することを決めた。投資額の大きさやDHL全体の規模からすればごくわずかのようにも思えるが、ロボットを配備する施設は来年には2カ所から12カ所へと拡大する。当然、DHLはこれまでの試験導入はうまくいったと語っている。

DHLの小売輸送事業プレジデントを務めるJim Gehr(ジム・ゲーア)氏は発表の中で「DHLサプライチェーンがライフサイエンスとリテールの部門で初めてLocusのソリューションを実装し、大きな成功を収めた。一部の顧客の業務において、生産性は最大で80%向上した。そこで、Locusの極めて柔軟なAMR(自律型協働ロボット)ソリューションの活用を複数の分野の顧客に拡大することにした。我々はこれからもLocusと協力して、生産性の向上、業務量増加への対応、米国全土の顧客のサプライチェーンについて継続的な改善を図っていきたいと考えている」と述べた。

Locus Roboticsは、2018年にDHLが投資を発表した時点で提携する計画を立てていた25社のロボティクス企業のひとつだ。Locus Roboticsは、2019年4月にシリーズCで2600万ドル(約27億円)を調達した。

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(翻訳:Kaori Koyama)